これまでの検診についての疑問は岡田正彦医師著「医療から命をまもる」という本に書かれてあったものです。小児神経芽腫という小児ガンの集団検診がかつておこなわれていたという記事にも興味深いものがある。
神経芽腫とは神経細胞がガン化するという子供の病気、集団検診の方法も確立され、生後6ヶ月の赤ちゃんを対象にした検診(尿の中の異常物質を調べる)が10年以上にわたりおこなわれていた。ところが2003年に効果が認められないという理由で突然中止に。
「不要な治療をまねくおそれあり」という見出しが新聞に載った。集団検診で見つかった患者およそ2500人が抗がん剤などにより治療を受け、うち16人が副作用で死亡した。
集団検診をおこなうことで患者の早期発見、早期治療に繋がると思われていたが、集団検診が始まると患者の数も異常に増加した。これはおかしい。
その後、小児神経芽腫というガンはほおっておけば自然に治る例がかなりあることが分ったのだ。遺伝子解析の技術も進歩たことで、遺伝子に異常がおきると悪性度が高まることがわかり、集団検診で見つかった患者の遺伝子を調べたところ異常が認められなかった。
しかし、最近、次のような新聞報道もある。
広島大の檜山英三教授を中心とする研究グループは29日、小児がんの一種である神経芽細胞腫が発生する仕組みについて、東京都内で新説を発表した。日本では中止されている幼児期の集団検診の有効性を実証したもので、10月にドイツである国際小児がん学会で発表する。神経芽細胞腫は自然に治るケースも多いが、悪性度が高いと死に至る。檜山教授は、かつて国内で集団検診していた時の症例データを海外と比較。治りやすい腫瘍が治りにくい腫瘍に変化することを突き止めた。
国の集団検診は1984年に生後6カ月の乳児を対象に始まったが、自然消滅する腫瘍まで治療する「過剰診断」が問題視され、2003年に中止された。檜山教授は「集団検診は、悪性度を増す危険がある腫瘍を早期に見つける上で意味があった」と検診の重要性を指摘。1歳半の時点での検診が有効だと提案した。(中国新聞 2008年9月29日)
集団検診には年間約9億円の実施費用がかかっていたという。子供の命を救うためであれば、もったいないとはいえない。
神経芽腫とは神経細胞がガン化するという子供の病気、集団検診の方法も確立され、生後6ヶ月の赤ちゃんを対象にした検診(尿の中の異常物質を調べる)が10年以上にわたりおこなわれていた。ところが2003年に効果が認められないという理由で突然中止に。
「不要な治療をまねくおそれあり」という見出しが新聞に載った。集団検診で見つかった患者およそ2500人が抗がん剤などにより治療を受け、うち16人が副作用で死亡した。
集団検診をおこなうことで患者の早期発見、早期治療に繋がると思われていたが、集団検診が始まると患者の数も異常に増加した。これはおかしい。
その後、小児神経芽腫というガンはほおっておけば自然に治る例がかなりあることが分ったのだ。遺伝子解析の技術も進歩たことで、遺伝子に異常がおきると悪性度が高まることがわかり、集団検診で見つかった患者の遺伝子を調べたところ異常が認められなかった。
しかし、最近、次のような新聞報道もある。
広島大の檜山英三教授を中心とする研究グループは29日、小児がんの一種である神経芽細胞腫が発生する仕組みについて、東京都内で新説を発表した。日本では中止されている幼児期の集団検診の有効性を実証したもので、10月にドイツである国際小児がん学会で発表する。神経芽細胞腫は自然に治るケースも多いが、悪性度が高いと死に至る。檜山教授は、かつて国内で集団検診していた時の症例データを海外と比較。治りやすい腫瘍が治りにくい腫瘍に変化することを突き止めた。
国の集団検診は1984年に生後6カ月の乳児を対象に始まったが、自然消滅する腫瘍まで治療する「過剰診断」が問題視され、2003年に中止された。檜山教授は「集団検診は、悪性度を増す危険がある腫瘍を早期に見つける上で意味があった」と検診の重要性を指摘。1歳半の時点での検診が有効だと提案した。(中国新聞 2008年9月29日)
集団検診には年間約9億円の実施費用がかかっていたという。子供の命を救うためであれば、もったいないとはいえない。