先日、ブデチゲの語源についてお話しましが、韓国人の間でも諸説があって、これだ!という定説がないものもたくさんあります。
例えば、ソルロンタン(설렁탕)。有力なのは、朝鮮時代に王様が豊作を祈願して先農檀(韓国語の発音では、ソンノンダン)という場所で、祭祀を執り行い、行事の後でお召しになった食べ物だったという説。ただし、朝鮮時代に書かれた書物には、それに類する記述がないとのことです。
定説がない料理に共通するのは、庶民の食べ物だったというところ。要は、いろんな時代に、いろんな地方で、いろんな人が作ったので、これだ!という定説が存在しないのです。ソウルの街を歩いていると、「元祖〇〇」という食堂がやたら目につきますが、本来、元祖は一つであるはず。でも、庶民の食べ物なら、祖父母から受け継いできたという意味で、嘘ではないと思います。
その点、高級料理は、そのほとんどが王宮料理に源を探ることができますから、起源の特定が可能です。
ソルロンタンに似た食べ物として、コムタン(곰탕)があります。両者の違いは韓国人にとっても、難しい質問ですが、コムタンは両班(ヤンバン)の料理とのこと。骨だけを何時間も煮込んで、コッテリしたダシを取ります。一方、ソルロンタンでは、(骨ではなく)肉だけを茹でてダシをとるのが本当のようですが、グルメブームの昨今、大釜で肉や骨を何時間も煮込んでスープを取っているお店もあります。
難しい話はこれぐらいにして、今日は、ニワトリのクッパ、韓国語でタクコムタン(닭곰탕)の名店。ファンピョンチプ(황평집)を紹介したいと思います。
どうですか?おいしそうでしょう!鶏ガラのスープで、アッサリ淡白という感じですが、なかなか奥深い、コクのある味です。この料理と切っても切れないのがニンニクの薬味。これをドバッと入れて、かき混ぜます。(あっ、そういえば、明日、歯医者さんでした!)
ニラの薬味も絶品です。
薬味です。右側の小皿に盛られた、お塩が非常に美味で、お酒のつまみによく合います。
お世辞にも、こぎれいとは言えない庶民のお店ですが、韓国のマスコミでもよく紹介されるお店です。
日本語では、コネストで紹介されています。
http://www.konest.com/contents/gourmet_mise_detail.html?id=4051
タクハンマリにはもう飽きた。もっと奥深い味を賞味したいという方。お酒に合う、いいおつまみが欲しいという方。ぜひ、お試し下さい。
位置は乙支路のPJホテル(旧プンジョン(豊田)ホテル)の右斜め前ですが、非常に分かりにくいです。(この写真の中央にお店がありますが、どこにお店が隠れているか?分かりますか?)