goo blog サービス終了のお知らせ 

makoto's daily handmades

日々暮らすだけの生き方
写真の二次使用は許可しませんので悪しからず

農家の味 柚子巻きを作る

2016-03-08 13:53:15 | 飲食
以前、宮前区のある料理コンテストに応募した料理。 農家の味、柚子巻き。


えーと、これね、昔お弁当に入れていたら友達から「何?虫みたいの」と言われたことがある。

これ、大根なんだけどね。

ちなみに料理コンテストは、応募後に病気になって出られなくなったから応募を取り下げした。

この柚子巻き、だいぶ前に調べたら、川崎だけではなく、横浜北部、町田、八王子、秩父あたりでも作られているらしい。
旧武蔵国あたりと言えばいいかな?

これまでいろいろな所の道の駅や直売所に行ったけど、すぐ食べられるパック詰めは見たことがあるけど、柚子巻き干しそのものは売っているのを見たことがない。
そのため覚え書き。

見た目よりもすごく手間がかかっている。
まず11月半ばくらいに沢庵漬け用の大根の内、二股とかになったモノ(いわゆるセクシー大根)をはねておく。沢庵漬け用の大根がなければ青首でもいい。

次に皮を剥いてなるべく薄くスライスする。実家では専用のカンナがあるが私は持っていないので、ひたすら薄く輪切り。
向こう側が透けるくらい、の気持ちで切る(怪我しないように!)。

これを天気のよい日に風通しがよくて日が当たるところで1日干す。
うちはマンションのベランダだが風に飛ばされないように工夫して干している。

次に本柚子を用意する。花柚子だと風味が少々落ちるので、ここは手を抜かず本柚子。
使うのは表皮なので、農家の庭先販売や無人販売のモノが良かったりする。
表皮は多少さび病(黒ずみ)が出ていてもかまわない。

柚子は表面を洗ったら、半日くらい米のとぎ汁につけてからまた洗うと、かなり汚れが落ちるのでお勧め。

さて、1日干した大根の輪切りはクタクタになったろうか?
ここでくるりと、三文判くらいの太さくらいに丸まればちょうどいい。
パキッと折れるようなら、まだ乾燥不足。

次に木綿糸と縫い針と爪楊枝を用意する。じつはここから縫い物が始まる。

木綿糸は、ボタン付け用でも、しろもでも、何でもいいが、食べるわけではないが丈夫さが必要。色は生成りなど染めていないモノがいいが、大根と同化するのでそのつもりで。
使う分を熱湯にくぐらせて乾かし、消毒しておく。
糸は2本どりで玉結びの代わりに爪楊枝の中心に結び付けておく。爪楊枝は先が尖っているので、じゃなら尖っている部分を切り落とすが、慣れれば手に刺さることはあまりないだろう。

針は使い捨てにするので古い針でいい。糸を通す前にペンチで挟んで、ガス火であぶり消毒する(やけど注意)。

柚子は表皮を薄くはいで、千切りにする。長さは1.5センチくらい、幅は1ミ あればいい。

さて、やっと柚子を巻く。
半乾きの大根に柚子一切れを載せてクルクルと巻く。これが柚子巻き。
巻き終わったら糸を通した針で柚子巻きの巻き終わりと中心を刺して柚子巻きを貫通させる。
すぐにエンドにしている爪楊枝側に移動させる。
これをひたすら繰り返す。すだれ状の柚子巻きの束が出来る。

後で竿にかけて干すので、引っかける部分を残して刺し終わる。
私は2本どりの糸を70センチくらいにして、40~50個くらい刺して一束を作っている。
あまりぎゅうぎゅうに刺しておくと、乾燥が遅れるので、初めからぎゅうぎゅうにしない。

刺し終わったら、縫い針は外して竿にかけて軒下で干す。
針が残ると危ないのでよく注意する。私は刺し終わったら、すぐにガムテープに包んで捨てている。
乾物なので雨と霜には当てない。
天気がいい日か続く時を狙う。
早ければ3日で柚子巻き干しは出来るが、長期保存するなら一週間から10日。
目安は切り干し大根の乾燥具合。

さてできあがったら、ジップロックに入れて冷蔵庫へ。カラカラ乾燥なら冷凍庫でもいい。

乾燥期間が短いモノは早めに食べて、カラカラタイプは冷凍庫に入れて2年くらい。

食べるときは、食べる分だけ糸から外して熱湯で洗い、熱湯で戻す。
後は、甘酢漬けがお勧め。
醤油だれに漬けて、はりはり漬けみたいに食べることが出来るらしいが私はやったことがないのでよく分からない。
甘酢だれを作るのが面倒なら、市販の寿司酢とりんご酢を1対1で混ぜたモノに熱湯からあげて水気を切った柚子巻き干しを入れて1日おく。

ね?面倒で読むだけで嫌になるくらいでしょう?

これがお正月料理に出てくるし、ふだんのお茶請けとかにもなるし、酒の肴にもなるし、箸休めで出てくる。

私はこどもの頃に、こたつに入って祖母の手伝いで何度も作った。
今は高級住宅街なんて言われているけど、うちの実家があるあたりは元々貧しい農村で、こういうモノがハレの日の食卓を飾ったのだ。
何よりもこたつに入って祖母からいろいろな話を聞いた日々は、私の根幹を彩っている。

何よりもありがたいのは、MIFさんは生育過程でこんなつましい料理に出会ったことがないのに、文句も言わずに食べてくれること。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。