S先生のお子様方の連名で、訃報はがきをいただきました。
S先生は私が学生時代の卒論ゼミを担当いただいた先生です。
まだ入学したての私が履修した古文書解読の授業は指定席でした。
その席がS先生の目の前だったことで、すぐに私の名前を覚えていただきました。
S先生にご指導いただいたので、私は古文書を少しは読める学生になることができました。
ただ、古文書を学べば学ぶほど、私には研究者の道には程遠いと自覚できたし、自分の歩みが目指していた世界にはたどり着けないほど遅れていたことを知りました。
S先生の教えのおかげです。
私は卒業論文で古文書解読に挑戦した際、先生の教え子の研究者さん達を何人もご紹介いただいたり本当にお世話になりました。
卒業後は何度かお会いし、年賀状だけは毎年やりとりしていていました。
私が卒業後も教授、その後も特任教授として大学にお勤めで、去年お辞めになっていました。
でもS先生は以前から市民講座の講師などもされていて、今年もお住まいの自治体などで講師をされていました。
でもあのお元気だったS先生がお亡くなりになったとは…。
自分の親と同年代の先生だったので、とても悲しいです。
S先生は愛媛県のご出身で、時々愛媛県での生活やご両親のこともお話いただきました。
先生が「ミカンは南斜面の陽当たりがいいところを選んで食べるとウマい」とお話されたのですが、他の学生が「普通、ミカンを買うのに畑は選べません」と反論。
するとS先生は「makotoン家は農家だから、オレの言うこと、分かるよな?」と。
私が「分かりますが、ミカンは苦手なモノで…」と言おうモノなら、先生から「今の子は贅沢だな、ミカン食わんのか?」と。
そんな掛け合いを思い出します。
気がついたらS先生と出会った頃、先生は今の私よりも少し若いくらいだったンだ…。
あふれ出てくる思い出がいっぱいあります。
S先生大変お世話になりました。ご冥福をお祈りいたします。
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