makoto's daily handmades

小田原市・ニノキン先生@DEEP その1

「地図を持たない町歩き」の番外編。小田原市の外れで足柄平野散策した。

 

きっかけは「歩きスマホの元祖って、二宮金次郎像?」と言う疑問から。

 

私が通った小中学校は昭和50年代に開校したからそもそもニノキン先生は身近では無かった。

 

三つ年下の従妹が小学生の時、下校中に本をながら読みしていたら側溝に落ちてケガをしたら「二宮金次郎じゃあるまいに…」と笑い話になったっけ。

 

私がニノキン先生を知ったのは、大学時代の資格取得のための授業でのこと。

 

ビックリしたのなんのって、神奈川県のご出身。

 

当時付き合っていたMIFさんに、ニノキン先生の話をしたら「オレ、小1の遠足、尊徳記念館まで歩いて行ったよ」という。それもビックリ!

 

うちの小学校は1度も歩き遠足なんてなかったよ。

 

 

 

時は流れ、町歩きが趣味と言えるくらいになった今。

 

さてニノキン先生をもっと知りたいと思って、思い切ってやって来た。

 

学生時代、授業で先生から「尊徳記念館はあつい思い入れがある方が解説やっているから、呼び捨てにしたら怒られるから注意しなさい」と言われていたっけ。必ず「先生を付けなさい」って。

 

私がなぜ「ニノキン先生」と呼ぶかと言えば、親しみを持っているから。厳しい人だったらしいけれど、親しまれる人柄だったと思うんだ。だって何事においても人柄。人柄が良ければご縁は繋がる…最近強く感じることだ。

 

さて今回も写真が多いのでお暇な方だけどうぞ。

 

 

 

今日はアルバイトの待機日なので、待機解除後の9時半スタート。

 

東名高速の厚木インター付近。丹沢の大山が正面に見える。ここは阿夫利神社と言って東京・神奈川辺りでは雨乞い信仰のメッカだ。

 

 

 

 

 

 

今日のスタート地点はここ。

 

 

開成駅前。今はいろいろな施設があるが、私がMIFさんと付き合い始めた24年前は駅前が田んぼと駐車場だけだった。

 

 

 

 

開成駅。

 

 

開成町はあじさいの里が有名なのだが、知らない方も多いかな?と思い、料金表を撮影。なんとなく新宿駅からの距離感が分かるだろうか?

 

 

 

 

東京駅からは1,000円以内。でも東京駅からなら、東海道線に乗って小田原駅で乗り換えが一般的かも。

 

 

 

 

ホームから線路を眺めていたら、ロマンスカーの旧車両が見えた!知っていたら見に行っていたのに!

 

 

 

 

最近の小田急線はこんな看板を掲げているんだー、知らなかった!

 

ちなみに開成駅を利用するのは初めて。

 

 

 

 ホームから小田原駅方面を望む。すごくまっすぐ!

 

 

 

 

開成駅の駅舎。この辺りで気が付く。今回ってニノキン先生に会いに来たはずなのに、電車の話題ばかり…。

 

 

 

 

電車で一駅、栢山駅(かやまえき)に到着。栢山駅からは小田原市。 




栢山駅ホームにたち降りて初めて目に入った風景!何これ!用水路?


やだ!私が立っている場所は、用水路の真上じゃないの!
うちのご近所では見かけない!たいてい暗渠にしちゃうからなぁ。面白い風景に出会えて嬉しい!


よく見れば箱根の外輪山、明星ケ岳とかのお膝元なのか…と気が付く。


先ほどの開成駅方面を望む。どこまでも平らな足柄平野。私が子どもの頃は「神奈川の穀倉地帯、足柄平野」と習ったモノだ。近年はだいぶ宅地化してきているけれど。


栢山駅の駅舎(ホームから小田原駅方面を望む)。


僅かに富士山が見える。ポコッと漫画のような形の山は足柄の矢倉岳。以前MIFさんと登ったことがある。


栢山駅前の周辺案内図。ニノキン先生ゆかりの場所がたくさん。でもあくまでも地図は持っていないので、ここで興味があるところをチェックしてあとは勘を頼りに歩き出す。


歩き出してすぐに用水路に気持ちが持って行かれる。あの奥の合流点を見たい!


うひゃー!上流も面白そうな風景だ!だが今日は水路を追っかける訳じゃ無いのでガマン、ガマン。

ここでいきなりだけどマンホール蓋チェック。

酒匂川の渡しの風景かな?


珍しいグレーチングの鋳物。松竹梅かと思ったら、松、梅、波(青海波)。松はニノキン先生が酒匂川に植えた松?それとも東海道の松並木?、梅は小田原名物曽我の梅林、波は相模湾の波なのだろう。


これは富水(とみず)駅付近で見つけたカラー鋳物。松と梅。


これも富水駅付近。前出のグレーチングのカラー鋳物。一部壊れているが、カラー鋳物と鋳物だけのモノがあるのを初めて知った。


これはメダカ?童謡「めだかの学校」は小田原のメダカがモデルだと聞いたことがある。


奥に大きな木が見えるので、鎮守の森なのだろう…とあたりをつける。


ふと見ると家と家の間に用水路。ここはカラーが植わっていてちょっとステキ。至る所に水路があって、水が豊かなことが分かる。


うちのご近所では珍しいイヌマキの生垣!と思ったら、このあとたびたびイヌマキの垣根を見かけた。それだけ小田原市あたりは「常春の国」なのだろう。


初めての観光案内板。ニノキン先生関連ばかりだ。


なんだろうこれ…と見ていたら、お隣にあった床屋さんのご夫婦が草むしりをしていた。
思わず「写真を撮っていいですか?」と尋ねてみたらOKをいただく。
床屋の奥さん曰く「すごく昔に、村の辻にあったのをここに集めてきたらしいよ」とのこと。へー!小田原辺りでは道祖神のような二人の像なんだ!うちのご近所では馬頭観音かお地蔵さんばかりだから驚いた!


四つある像のうち1つだけは石臼のような形の台座だった。どういういわれがあるのだろう?
床屋さんさんのご夫婦にお礼を言ってその場を立ち去る。


道祖神の向かい側に栢山神社があったので行ってみた。


鳥居が全体的に丸太みたいな印象。


手水場がシンプル。


手水場の屋根瓦。あれ?波の形?小田原市だから相模湾の波がシンボルなのかな?


相変わらずの狛犬コレクション。これもちょっと珍しいところがあるぞ。


子犬が仰向けで親犬の爪にじゃれている!かわいいなぁ。


彫り全体はシンプルなんだけれど、彫りが深い顔立ち。狛犬が気になるようになってから、一つ一つの表情の違いが面白くて仕方がない。


社殿の彫りがスゴいなぁ、と見上げる。


社殿奥の石碑。浅間神社関連。


この祠は鳥居も無くなんの祠なのかはよくわからない。


境内でひときわ気になったのはこのエノキ。


社殿のこの床の部分。すごくステキに思えた。


柱に黒いシミがあったのだが、床下浸水した跡なのかなぁ?それとも他になにか理由があるのだろうか?


古い社殿なのだが、この感じすごく好みでいつまでも眺めていたい。


木製のお賽銭箱に「奉納」の文字がある。文字のところだけ銅板のようだ。今までこの部分だけ銅板のものは見たことが無いかも。たいてい彫刻刀で彫っている印象。

ここは村社だが、ニノキン先生も来たことがあるのかな?とか想像してみる。驚いたのは忠魂碑の類が無いこと。単に戦死した方が少なかったのか、それともニノキン先生の教えが徹底されていて質素倹約で忠魂碑は作らなかったのか、はたまた関東大震災の被災地なので壊れたか、計画が遂行できなかったのか?


栢山神社前の公道。公道に神社の祭礼旗を掲げる台座があった。こう言うのは神社の敷地にあることが多いので珍しいかも。それと、道路と社殿の角度はちょっと珍しいかも。公道から敷地に入って左に直角に曲がってから鳥居をくぐるんだ。


流れが穏やかな用水路。空もばっちり映り込む。


少し戻ってニノキン先生が松苗を植えた場所を探す。用水路をまた見入ってしまった。気がついたのだけど、たいていどこにいても水の流れの音が聞こえる。私は経験したことがない。すごくいい。穏やかな水の音が心地いい。


なんの案内板もない、ただの住宅街を歩く。
水の音が心地いい。これだけを頼りにフラフラ歩く。


道路に電線の影。小鳥?と見上げる。


電線にクリップ??なんだろうと目をこらすとどうやら、小鳥除けのワイヤーを張っていてその固定クリップみたい。こんなの川崎で見たことあるかなぁ?
その後ちょっと考えてみて、たぶん近くに田んぼがあるからなのかも…と想像したがよく分からない。


田んぼ!そろそろ収穫なのかな?


こういう田んぼと田んぼを繋ぐ堰のようなモノは見たことがない。私も農家の生まれなんだけど、物心ついたときには田んぼがなかったからなぁ。


酒匂川の知覚なのは分かるが、どこだここ!向こうに橋らしいモノがあるのでとりあえず行ってみる。


これは分水樋?なんか水の流れが複雑で見飽きない。


分水樋の左側は水門がある。ビニール袋にフライパンが入っていて沈んでいる…冷やしてる?いや、何で?謎だ。


アンダーパスの先に土手?なんだあれ?見に行って見よう。


土手らしき上まで登って見ると、ここだけ盛り土してある。道路脇の用水路はこの下をくり抜いて通過している。土手はくり抜かないモノなので、この盛り土は土手ではなく土手に上がるための道ということかも。


酒匂川の土手に上がる道。この辺りから「休みたい…」と思うようになる。


土手に上がって、酒匂川の上流を眺める。この辺りに松の木が植わっているが、これはニノキン先生が植えたそうだ。
酒匂川の洪水対策として松を植えて土手を丈夫にしたそうだ。


正面が人道橋。左側は水道橋、右側が車道橋で尊徳橋と言う。


土手に登る道路。奥には箱根の外輪山が見える。
こういった風景を見ながらニノキン先生は松苗を植えたんだなぁ。


土手下のこの広場の向こう側の道、さっき見た分水樋の辺りだ。


酒匂川右岸の様子。この先は相模湾だ。西湘地区を作った川なんだと実感した。

わー!私好みの階段発見!土手を降りてまた住宅街に向かう。


土手下すぐの小川。この風景好きだ!


よく分からないが、用水路の流れを見て下流に進む。私の勘がここを進めと言っている。


え?用水路に堰があるの?そう言うモノなのか、普段の生活に現役用水路がないとよく分からない。私にとっては珍しい風景。


あれ?なんか家がなくなってきた!


この道、どこに繋がっているの?


なるべく私道は通りたくないのだけれど…昔、あぜ道は管理は個人でも所有者は国と聞いたことがある。それがあっているか検証したことはないけれど、あぜ道を歩かせていただく。そうしないとどこまで続くか分からない道に不安になったから。


このあぜ道のハイライト。用水路の大曲地点があった。土嚢で補強しているけれど、90度曲がっている。ここも見飽きない。


これだけ用水路が多いから、氾濫するのかな?と思っていたら、道路より盛り土してある土地があった。やっぱり家は高台にしてあるのかと思ったら、庭や畑が盛り土してあって、家は盛り土していなかった。
なんのための盛り土なのだろう?


駐車場の脇の道祖神。栢山神社の前に村中の道祖神を集めた訳ではなかったらしい。この近くの無人販売で栗を少し購入した。


ニノキン先生一族の総本家があった場所。


近くにお寺さんがあって訪ねて見ることにした。


山門前の六地蔵。


本日のファーストニノキン先生。薪を背負っていない。このお寺さん、ニノキン先生縁のお寺さんとのこと。


境内の銀杏の根元。こんな苔むした根っこは見たことないかも。


尊徳保育園。見える範囲で眺めたが、ニノキン先生の像はない。


偶然入ったお寺さんだが、ニノキン先生一族のお墓があったのでお参りした。


境内の木の根っこが歴史を感じさせる。


イヌマキの垣根。間仕切りのような垣根はあまり見たことがないのでその仕立ての美しさが溜まらなくいい!


山門。


山門。


山門。山門の彫刻が素晴らしくてまじまじと眺めていた。そんな人は珍しいのか通りすがりの人が私を見ている。恥ずかしくなってきた。


ここの山門の柱には金属が巻き付けてある。腐食防止のためなのか、なんのためなのだろう?


暫く歩くとまた辻に何かある。これまたなんなのか分からない。


おお、また好みの水路を見つける。二ケ領用水ほ暗渠だけれどおうじはこんな風景だったのかも…と想像してみた。


この辺りのブロック塀の上はこんな感じで苔が生えていることが多い。それだけ空気中の水分が多くて苔が育ちやすいのか、それとも長い間塀があるだけなのか?ちなみに私はこの風景が好きだ。とても魅力的に感じる。


バス通りにたどり着く。栢山駅方面を望む。


こちらは、富水駅方面。
用水路に沿って富水駅方面に歩く。


ニノキン先生の報徳思想の原点、捨て苗を育てた場所を見つけた。


この小さな公園になっているところが捨て苗を育てた場所。
ニノキン先生、13才で借金を残して死んでしまった父親の代わりに一家を支えようとしたんだけど子どもだからムリだったんだ。家も土地も手放して、あとは山で集めた柴を集めて小田原に売りに行ったり、捨てられた苗を用水路脇の僅かな土地で育てたり、菜種を河川敷にまいて油を絞って夜も寝ずに勉強したり。
そんな「苦労して借金返済した原点」の場所。


この用水路も残っている。


公園内の石碑。


ニノキン先生の縁の地の案内板。


公園からの風景。ここ、足柄平野のど真ん中。田んぼの奥に山が見えるがあの辺りに柴刈りに行っていたんだそうだ。
私はずっと、ニノキン先生は近くの山に柴刈りに行っていたと聞いていた。
正直「山、遠いじゃん!」とニノキン先生にツッコミたくなった。
ニノキン先生、片道2時間かけて山に行って、柴刈りに30~40分、本読み(実際は歩きながら読まなかったらしい)で30分、小田原に売りに行って2時間、帰宅に2時間、という感じだったらしい。
山が遠ければそうなる。


捨て苗の用水路から少し富水駅方面に行くと、ニノキン先生の誕生の地。


尊徳記念館にはバスでも来られる。

さて、今日はここまで。続きはまた明日。
その2に続く。

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