最近、布団に入って寝る前に試みていることがある。
仰向けにまっすぐ寝て手を体の横に置き、頭のなかで「浮かべ浮かべ」と念じるのだ。
今のところ、残念ながらこの試みはうまく行っていない。
常識的にも、物理法則上も体が浮くはずはないが、毎日やっていればそのうちになんとかなるのではなかろうか。
最新の理論物理学では、世界は我々が認識しているこの世の他に、無数に存在するそうだ。
ＳＦでいうところの、いわゆる「パラレルワールド（平行世界）」の概念である。
数学的に導かれた結論の一つとして、テレビで紹介されていた。
もし無数の世界があるのなら、その中に体が浮く世界があっても良さそうである。
そういう世界の一つに意識が移動できれば、体が浮く体験も可能に違いない。
体を浮かせるには、それ以外にも「幽体離脱」という方法がある。
人はある条件で意識が肉体から離れて、部屋の上の方に漂い、自分や回りにいる人たちを見下ろすことがあるという。
普通は死んだ時になるらしいが、そこから生き返った人もいる。
そうでなければ、そういう経験を誰も伝えられないわけだ。
いつか、ふと気が付くと体が宙に浮いていた、なんてことがあるかも知れない。
それはひょっとして、本当は布団の中で冷たくなっている時かも知れないが。