maruの下手の横好き写真とつぶやき
写真を撮ったり、音楽(クラシック・ロック)をよく聴き、読書は古典(主に哲学中心)がメインです。全体主義社会の動きに警戒。
 



ショーペンハウアーの、「幸福について」という本を読んでいる。
(光文社文庫の鈴木芳子訳)

何が気に入って読み始めたのかというと、
よくある幸福論のように、
みんな幸せになる為に生きているとか、
やりたい事だけやるとか、楽しもうとか、
そういう、あまい事が書いてある本とは違って、
逆に戒めているところが気に入ったからです。

やりたい事だけやって、ハッピーになる。
人生は楽しい。楽しくなければならない。
さあみんなで楽しもう・・・
じゃあ、誰もゴミ収集とか、
トイレ掃除なんかやらなくなるよ。

でも、この本の中では、幸せについて、
幸せな人生は、あまり不幸せではない人生であると。
そして、人生とは何かを克服するものだと。
さらに、最大の楽しみを基準にして幸福を測るのは、
間違った物差しを持っているのだと切り捨てる。

そのなかで面白かったのは、幸福を感じるものとして、誇りや名誉なんてのも出てくる。
が、ここで、国民の誇りは最も安っぽい誇りだとバッサリ言っている。
気持ちいい。
昨今の、日本スゴイですね~的なもので、
自尊心をくすぐられている日本人に聞かせてあげたい。
ちゃんとした個人であれば、大勢の人と共通して持っているものを
わざわざ誇ったりはしない・・・
そういう誇りに執着する事は、個人としては何も持っていないという事だと。
そういう人を愚か者とまで切り捨てる。
この本の中では、一貫して、自分はどうなのかが問題にされる。

優れた人が、あるテーマをどう見ているか、それを知る事は楽しいし。
さらに、色々な人の言葉を引用していて、金言集のような本でもある。

今は、昔の人が書いて今でも読まれている本を読むのが楽しい時期にいる。
どんな本を読むかも、サイクルがあって、今はそういうところにいる。
音楽でも一緒で、今はロック系が多いけど、ひとたびスイッチが入ると、
べつのジャンルに飛ぶ。
飛んだ時に、新たなものを観たり聞いたり読んだりして、増えていく。
そういえば、最近は写真を撮っていないなあ・・・


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