マグロチャンピオンの料理道場

人気バラエティー番組、TVチャンピオンの「マグロ料理人選手権」優勝者が、本格料理を分かりやすく教えるブログ。

最高の気分転換!ジンダ筏に釣りに行ってきた。

2013年11月28日 | シラチャー ジャスミンホテル
シラチャーの「ジャスミンリゾート」に来てからだが、週末になるとお客様から面白い問い合わせがうちの店にある。

それは、シラチャー付近のどこかの海で釣ってきたのか『魚の調理をお願いできますか?』というものだ。

中国でも、またバンコクの「魚やす」でも、お客様が自ら釣ってきた魚の調理を依頼されたことはなかったが、うちの店ではお客様からのリクエストについてはできるだけ気軽にお応えすることにしているので、シラチャーではこれまでに何度かお客様の持ち込みの魚を調理して差しあげている。

ただし、こちらはプロなので刺身を作るとなれば盛り付け用に「大根のつま」や「大葉紫蘇」「日本からのワサビ」というった材料が必要になる。

揚げ物も同じで「特注の生パン粉」や「店で仕込んだソース」や「千切りキャベツ」等を添えるので「無料」という訳にはいかず、200バーツから300バーツの実費はいただいている。

こうして何回かお客様が自ら釣ってきた魚を調理しているうちに、それらの魚はシラチャーの沖合のシーチャン島の「ジンダ筏」というところで釣ってきていることが分かった。

今まで南米のべネズエラやヨーローッパのベルギー、そして中国の上海等、都会での生活ばかりしてきたので「魚釣り」に行こうという気持ちになったことが無かったが、実は小学校の頃は魚釣りが大好きで浦安に「ハゼ釣り」に行ったり、三浦海岸に「白キスの投げ釣り」に行ったり、また、母の弟で釣り好きの「おじ」が海釣りに行く時などは、よく一緒に連れて行ってもらったことを覚えている。

そんな釣り好きの魂に火が付いてしまったのか、無性に釣りに釣りに行きたくなり、シラチャーに来て初めての休みを取ることにした。

うちの店は火曜日はお客様が少ないので11月5日(火曜日)に行くことに決め、「ジンダ筏」を管理している土方さんに連絡したところ、「ジンダ筏」が利用できるのは週末だけのことだったが、たまたま当日は他のグループ客の予約が入っているのでOKとのことでとてもラッキーな運びとなった。

さて、「ジンダ筏」に釣りに行くと決めたものの、「釣り竿」や「リール」等の道具がまったく無いので、まずは釣りの道具を売っている店を探すことにした。

しかし、バンコクとは違いシラチャーは田舎の街なので、果たして釣りの道具など入手できるのだろうか?と不安だったが、朝晩、アパートとホテルの送り迎えをしてくれている「トゥクトゥク」の運転手に聞いてみたところ、シラチャーにも「釣り具屋」があると言うので早速、午後2時からのアイドルタイム(休憩時間)に行ってみることにした。

ただし「トゥクトゥク」が向かった先はシラチャー市内の「楽器屋」で、店のショーケースにはギター等が並んでいてとても釣り具屋とは思えない。

ところが店内に入って奥に進むと、右手に店の1/3程度の広さの場所があり、そこが釣り道具コーナーになっていて、釣り竿やリール等が陳列されている。

また、ガラスのショーケースの中には大小様ざまな「おもり」や「浮き」や日本からの「サビキ仕掛け」等もきれいに並べて販売されている。

まもなくどこから現れたのか年老いた店の主人が出てきて、その後から奥方も出てきたので『サワデー・カップ』と挨拶をしたが、どうやらこの店は老夫婦2人でやっているようだ。

そして、この老夫婦は2人ともとても親切で、釣り竿やリールをどれにしたらいいか、リールに巻く道糸はどれがいいのかなどのアドバイスをしてくれたり、また「釣りの仕掛け」の作り方も教えてくれた。

価格は「釣り竿とリール」で約600バーツ、それに「仕掛け」を購入しても合計で1,000バーツ(約3,000円)でお釣りが出るくらいのお手頃価格だ。

これから何度か釣りに行くことを考えると、やはり道具は自分の物を持ちたいし、包丁と同じで道具というのは使っているうちに馴染んでくるものだと思う。

さて、いよいよ釣りに行く前日になって「釣り餌」をどうしたらいいのかが気になり、思い切ってジンダ筏の土方さんに電話を掛けたところ、こちらでも「冷凍の海老」の用意はあるが市場で「白海老」を購入してはどうか?とのことだった。

また、一般的には「サビキ釣り」には魚を集める為にサビキ仕掛けに「コマセ籠」を取り付け、その中に「オキアミ」等の小さな海老やフイッシュミールを入れ、それで魚を集め「擬餌針」で魚を釣るのだが、ジンダ筏では「オキアミ」を使うと小魚がたくさん集まってしまうので、「擬餌針」に「海老」等を小さく切って直接付けた方が良いとのことだった。

電話を終えたあとは早速いつも通っているシラチャー市外の魚の市場に急行し「白海老」を1㎏程購入し準備万端、いよいよ明日の本番の日を迎えることになる。

***ジンダ筏での釣り当日***

前日、仕事が終わってからアパートに帰る時に、いつもの「トゥクトゥク」の運転手に明日は釣りに行くことを伝え、8時のシーチャン島行きの乗合船に乗りたいので朝の7時半にアパートに迎えに来て欲しいと話したら、朝は通勤、通学などで道が混むので7時15分にした方が良いとのことで、その時間に来てもらうことにした。

当日は6時半に起きてシャワーを浴びて、『ちゃんとトゥクトゥクが来ているかな?』と思いながらアパートの玄関を出ると、7時5分には既にいつもの運転手が待ってくれていた。
(こいつ、やる時にはちゃんとやるじゃんと)と思いながらシーチャン島に行く乗合船が出るロイ島に向かったが、恐れていた渋滞も無く7時20分には到着してしまい時間をもて余すことになったが、もう心の中はジンダ筏で何が釣れるのか期待感でいっぱいだった。

さて、ここからは写真を加えながら話をしよう。


上の地図の赤丸のところがロイ島で日本で言えば神奈川県の江ノ島のようなものだが、とても小さい。
シーチャン島への乗合船は朝の7時が始発で、夜の8時時が最終便で1時間毎に出ている。


ここが切符売り場で乗船時間の30分位前になると係り(ラフな格好のおやじ)が来て、切符を売り始める。(片道50バーツ)


この船が行きに乗った船だが、船の天井に「水」や生活物資やお客さんの自転車等を山ほど積み込んでから出発する。


船内の様子。(平日だったのですいているが土日はかなり込み合うという)


シーチャン島の灯台?が見えてくる。


50分程でシーチャン島に到着。

***いよいよジンダ筏に向かう***

シーチャン島に着いたら「サムロー」という「トゥクトゥク」のエンジン部分がそのままバイクのような車(タクシー)がたくさん客待ちをしているので『ジンダ』と行先を伝えよう。
(釣竿やクーラーBOX等を持っている日本人だと向こうから『ジンダ?』と聞いてくる場合も多いようだ。)
料金は船着き場からジンダの船着き場まで60バーツ程だ。

ジンダの船着き場に着いたら、手前に「水」「氷」「ビール」「釣りの仕掛け」等を売っている店があるので船に乗る前に買っておこう。
(筏には飲料水が無いので、水やジュース、ビール等は忘れないように気を付けよう)


小船にて「ジンダ筏」に向け出発。


ベンチが船内の両側に付いていて6人~8人は座れそうだ。


15分程で「ジンダ筏」が見えてくる。


筏は2つあるが今回はグループ客の邪魔になたないように、もう一つの筏に向かう。

***いよいよ釣りを開始する***


まずは、釣り道具の店でおじさんから教えてもらった仕掛けで挑戦。


餌は殻を剥いた海老を一匹掛け。

***約1時間経過***

小魚が多いらしく「餌取り」が多く、餌を付けて仕掛けを海に下すとともに餌を取られてしまい、これでは小魚に餌をやりに来ているようなものだ。
土方さんが「コマセ」を撒くと小魚が寄ってくると言っていたが、これ以上小魚に餌を取られたら釣りにならないだろうと思い妙に納得してしまった。

***仕掛けを「サビキ仕掛け」に変更してみる***

釣りというのは釣れすぎても面白くないが、何も釣れずに餌ばかり小魚に取られているのもしゃくなので、仕掛けを「サビキ」に変えることにした。


この図の一番下は「コマセ籠」になっているが、ここに10号位の「オモリ」を付けるといいだろう。

***小魚がどんどん釣れ始める***

サビキ釣り開始後直ぐに小魚がどんどん釣れ始めた。餌は先程の皮を剥いた海老を小指の先程に小さく切って擬餌針に直接付けて行く。


2匹、3匹と一緒に釣れるが小魚ばかりで、あっという間にバケツがいっぱいになり、その後は小魚はキャッチ&リリースすることにした。

小魚ばかりだがいろいろな魚が釣れるので子供連れなら皆喜ぶのではないかと思う。

***大物が来たか???***

小魚釣りにも飽きてきたころに、「ググー~」と大きな当たりがあった。

きっと何匹も一緒に針に掛かっているのではないかとゆっくりとリールを巻くと珍客が現れた。


見かけよりもかなり重く感じるしなかなか引きも強い。


釣り上げてみると。体長20㎝位の「箱フグ」だった。

この「箱フグ」という魚はその名の通りにまるで「BOX」のような骨格をしているが河豚の仲間ではなく「カワハギ」の仲間で毒はないので食べることができる。

特にお腹の部分に大きく穴を開けてキモを取り出してみりん醤油で焼いて身の肉と混ぜて食べると絶品と言われている。

今回は持ち帰らずにリリースしたが次回、この魚が釣れた時には調理をして紹介することにしよう。

***14:00になり納竿***

その後も小魚ばかりで、今日は大型のアジ等やサヨリ等の回遊魚が姿を見せないようなので納竿することにした。

何十年ぶりの釣りにも満足したし、半袖、半ズボンで来てしまったので「日焼け」で足も手も真っ赤になりヒリヒリになってしまった。
(次回は長袖、長ズボンを忘れないようにしよう。)

***先程の小船で船付き場に向かう***

もう一つの筏のグループ客の「昼飯」を届けに来たジンダの小船がまだ停泊していたので、納竿すると伝えて帰り支度を始める。
どこでも同じだが自分の持ち込んだゴミは自分で持ち帰り、周りも綺麗にすると気持ちがいいものだ。

帰りはジンダの小船が直接、シラチャー行きの乗合船の乗り場(岸壁)まで船を付けてくれた。(筏からは約20分程だった。)
そこで「ジンダ筏の使用」700バーツを小船の船長に渡す。

乗合船の乗り場(岸壁)では、ちょうど3時のシラチャー行きの船が出たばかりだったので、次の4時の船のチケットを買う(行きと同じ50バーツ)


周りに屋台が幾つか出ているが、この手前の屋台のおばちゃんの焼いている「小イカ」と、さっと炙った「スルメ」は絶品で、「スルメ」は自分の酒のつまみ用にも500g程を別に購入した。

***船が来てシラチャー(ロイ島)へと出発***


3時半に船が来て、早く乗れとのアナウンス。

まだ、30分もあるのにと思っていたところ、出港間際になってたくさんのお客さんが乗り込み満席状態。

帰りも50分程でシラチャー(ロイ島)に到着。

さて、今回は4時間程の釣りだったが、とても充実した一日を過ごすことができた。

釣りは自分にとっては最高の気分転換になるようだ。

次回は小魚ではなく、もっと大物にチャレンジしてみたいと思う。

尚、このジンダ筏で釣りをしてみたい人は土方さんの携帯電話(086-848-5133)に電話をしてみるといいだろう。

とても親切な方なので初心者にもいろいろとアドバイスをくれると思う。