高田博厚の思想と芸術

芸術家の示してくれる哲学について書きます。

ロマン・ロランの言葉

2023-06-11 17:42:11 | 日記

ロマン・ロランの言葉『魅せられたる魂』(岩波文庫)より


 
『では彼女は自分の生活はどうなると考えているのか?ーおそらく幸福なもの、完全なものは何もないだろう。失敗かも知れない。失敗であるにしろ、ないにしろ、一つの目標に向って躍進だ……未知のものか? 幻影的なものか? そうかも知れない。構うものか! 躍進は幻影的ではないのだ。途中で倒れてもいいのだ、自分の道で倒れるならば!……』
 
12頁 第三巻
 
 
『内心の夢は決して言葉で織られてはいない。しかも、自分を他に理解させ、また自分で理解するためには言葉を用いなければならない……この重い、ねばねばした練粉は指の先で乾いてしまうのだ! ……ーアンネットも自分自身に対してはっきりさせるために、時には自分の夢を低声の物語(はなし)にまとめてみる必要を感ずる。しかしそうした物語は忠実な記録ではないーーせいぜい、変形であるーー』
 
14頁 第三巻