高田博厚の思想と芸術

芸術家の示してくれる哲学について書きます。

ベートーヴェンと音楽

2024-07-02 15:42:33 | 日記


ベートーヴェンと音楽

2024年07月01日(月) 筆

 
最近あまり話題にならなくなったベートーヴェンについて改めて思うことがある。聴こえるからこそ愉悦をあたえる音楽を聴けなくなったベートーヴェンの、音楽にたいする関わり方が、普通のものであるはずがない。普通は、聞こえるからこそ音楽への熱意が生じ、持続される。ベートーヴェンの場合は、聞こえなくなったからこそ熱意が燃え立ったのではないか。彼は、たしかに、精神で聴こうとしたのであり、その逆説的な熱意が、彼をして聴くを得さしめたのだ、と思われる。聞こえない音楽を聴いて感動するベートーヴェン。聴くという行為もそこまで高まりうるのだ。人間の可能性を彼は開示した。
 
彼の教訓は、奪われたもの、与えられなかったものを、精神によって取り戻し、獲得する、ということである。
 
 
高田さんがベートーヴェン像をつくらなかったのは惜しい。モデルの現存は絶対条件だったのか。
 
 
 
 

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