高田博厚の思想と芸術

芸術家の示してくれる哲学について書きます。

「人間」と「理想」と「魂」 

2020-04-06 20:30:18 | 日記



高田博厚「音楽とともに」12 (著作集III、412-413頁)

上文より: 
《人間主義(ヒューマニズム)(これは理想主義(イデアリスム)と同義です) ・・・ 私たちは美感覚によって芸術愛好、鑑賞に入るものですが、その芸術の真質を感得するには、この人間主義精神を己れに体得しなければなりますまい。私たちの感動の根底にはこの要素が潜在しているのですが、それが真の芸術理解に成長するのは、私たちの精神態度によります。》 
《芸術そのものが理解するのにむつかしいという意味ではありません。芸術は素朴直截なものです。ただそれに滲透する私たちの魂の深さが問題なのです。人間は「自我」を理解することは難事です。己が魂の真をつかむことは一生の課題です。》
《芸術は気魄や根性だけでは成りません。
・・・ 不断の修練が必要です。 ・・・ 音楽と「自我」との接触の緊密さを得るため、言いかえれば自分の魂の深みを音楽を通して量るためです。 ・・・ この土壌を叩き強める謙遜な態度、 ・・・ 芸術、音楽が含む形而上(メタフィジック)精神 ・・・》 

不断の基礎修練によって、人間の高きものが、具現しうるものとなる。