良い子、悪い子、こまりん子

幼児教育20余年。多くの子ども達を育て、ママ達の悩みに耳を傾けてきました。辛口アドバイスも含め、子育ママ達にエールを!

うちの子に限って!?は、ありません。

2006-07-20 23:59:33 | 悪い子、悪い親?
先日の帰省中、私は35年ぶりで、母方の郷里である奈良県五條市、というところに法事で出かけました もちろん、今までにも何度も母方の法事はあったのですが、母方の郷里で・・・ということもあり、なかなかその時期に合わせて帰省する、ということができず、こんな不義理をする結果となっていたのでした
 実際のところ、今回も、事前に母から知らされたわけではなく、帰省をしたあとで急に「明日、行く?」などととんでもない提案があり・・・ 私としては、大変トンチンカンな装いの、失礼な参加となったのですが、すっかりご無沙汰の遠来の親戚、ということで、歓迎してもらいました

 小学生だった従兄弟達も、今では「おじさん、おばさん」。
私達は、数少ない思い出話に花を咲かせる苦労をするよりも、新鮮な気持ちでお互いの近況報告をした後は、関東と関西の文化比較など、爆笑に継ぐ爆笑の数時間 お料理教室の先生をしている従兄弟の手料理を堪能する・・・というオマケまでついて、私にとっては、本当に有意義な法事でした。 きっと昔、私を蛍狩りや、蝉取りに連れていってくれた三十三回忌を迎えた叔父も、きっとお仏壇の中で満足してくださったことと思います

 さて。
町のあちこちは、当然すっかり様変わりをしているのですが、それでもやはり、随所随所には当時の雰囲気が残っているところもあり、私はそういうところを見ているうちに、急に、幼い頃、年に数回訪れたこの町でのことを思い出したのでした
 私には、1歳年下の従弟(前出のお料理学校の先生)と、彼の妹である3歳年下の従妹がいます 子供の頃、私は年が近いこともあり、よく彼らと一緒に遊びました
 確かに、「彼らと遊んだ」ということはよく記憶としては残っていたのですが、ここ何十年も、すっかり具体的な思い出としては、完全に忘却の彼方に行っていたのでした。

 しかし・・・今回、彼らと「現在」の話をしながら、私は、なぜか彼らと一緒にやった「とんでもなく悪いこと」を、たくさん思い出していたのでした

 親達が母屋で話している間、従弟達の部屋に入って、みなでお人形さんの髪をハサミでカットしたこと
 小学校低学年の頃、別の叔父のところに赤ちゃん(この従弟とも会いました)が生まれた時、何だか虫のように動く新生児の様子が物珍しく、特に手を触ると、握り替えしてくる反応に驚き、何度もその赤ちゃんである従弟の手を、ぎゅーっと押しつぶしたこと
 お菓子に入った乾燥剤の袋を破り、洗面器の中に入れて遊んでいたこと
 お仏壇の前に座り、手を合わせる振りをして、ろうそくと一緒に置いてあったマッチを擦って、火をつけてみたこと・・・
 そして、とんでもないことに、私はそういう悪事(いたずら、とも言いますが)を首謀者として働いていながら、ほとんどすべて素直に謝らず、何だかんだ言っては、年下の従妹達に罪をなすりつけたり、言い逃れをしたりしていたのでした

 昭和ひとけた、昔ながらのかみなりおやじの父の家庭の中で、一人っ子の私には、「父に叱られること=バシンとぶたれ、30分以上も怒鳴り続けられること」でした
 何か好奇心に駆られていたずらをすることや、悪事とわかりながら、どうしても止められずにいたずらをすることは、父の逆鱗にふれることであり、父に逆らえない母の保護も受けられない・・・ということを意味してました

 そういう状況のもと、母の郷里での、従弟の時間は、すっかり私の「本性がむきだし」になる時間であり、日頃の鬱憤をはき出し、なおかつ「怖い父から叱られない」という安心感から、最もずるく立ち回れる「悪の素顔」が表に顔を出す時間でした
 やったことは、どれをとっても超悪質、というほどのことではありませんが、「いたずら」そのものよりも、それをやったことを隠したり、素直に謝りもせず、人に罪をなすりつけていた自分の行為に、40年経過した今、あらためて当時のことを鮮明に思い出し、すっかり重い気分になっています・・・

 子供は・・・どの子も、とても残酷で、ずるく、汚い部分をたくさん持っているものです そして、我が子に、そういう部分が当然のこととしてあり、条件が揃えば必ずマイナスの顔を出すものだ、ということを、しっかりと自覚している親は多くはありません
「うちの子は、心が優しく、そんないじわるや、いたずらなどは、絶対にしません」そういうことを、平気で、真顔で言う親がたくさんいます。
 けれど、本当にそうでしょうか?

 私の母は、未だに私のことを「しっかり者の、優しい子供。絶対にいじわるをしたり、いたずらをするような子供ではない」と心から信じています
 しかし、それは間違いです。母の勘違いです
 なぜなら、私が母の前では、絶対にヘマをしなかったから・・・それだけに過ぎません


 さまざまな条件が、幸か不幸かピタリと揃ってしまうと、どんな子供達も、とんでもなく悪人になり得る「種」を持っているのだ、ということを、親はしっかりと理解、認識しなくてはいけないでしょう
 「うちの子に限って・・・」そんなありふれた言葉は口にはされないでしょうが、「うちの子も、となりの子も」みんな同じ要素を持っているのですよね・・・


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