素直な子どもを育てる・・・新幹線の中で、私は思わず考えてしまいました。
月一の帰省のため、私は毎月、東海道新幹線を利用します。片道2時間半の間には、大抵、1度は車内販売のコーヒーを飲みます。昔と違って、今では車内販売のコーヒーも、すてたものではありません
その車内販売。
売っているものは同じでも、売り手、つまり、ワゴンを押しながら「お弁当にお茶、サンドイッチ、ホットコーヒーはいかがですか?」と乗客に声をかけるお兄さんやお姉さんによって、かなり印象が違ってきます頻繁に乗るようになると、一人一人の「ワゴンを押すスピードや売り声」によって、その人の人柄や、その日の気分・・・なども見えてくるようになります。
ディズニーリゾートのアトラクションのキャストなどとは違い、売り子さん達のセリフ?はすでに決まっているようですから、「今日の人の売り方は面白かった」なんてことはありません。でも、言うことが決まっているからこそ、その人の個性が見えてくるのかもしれません
すこぶる愛想が良くても、ちっとも心がこもっていない人。言葉に「言霊」がないので、売り声と満面の笑顔だけがワゴンと共にむなしく通り過ぎます。
仏頂面で、声にも張りがなく、仕事だから仕方なくやってます・・・みたいな売り子さんもいます。
口を開けないで話すから、「おえんとうに、おや、あんどいっち、おっとおーいはいああ・・・」みたいに、何を言っているのかよく聞こえない、という人もいます。
まあ、誰だって新幹線の車内販売が何を売りに来ているか?は知っているので、それでも困りはしませんが・・・
もちろん、本当に気持ちの良い売り子さんも大勢いて、それがほんの一瞬でも、ワゴンが通っていく時には、「旅気分」を味わえ、心和む時もあります
今月の月初め、私は父の介護施設の方と午前中に面談のお約束があったので、いつもよりもかなり早い時間の新幹線に乗りました 駅でサンドイッチを買って乗ったので、できればすぐにコーヒーを買い、朝食を済ませたいと思っていました。
ところが、新横浜を過ぎても来ず・・・やっと来たかと思ったら、何と!あっという間に通り過ぎてしまったのです 要するに、いつもの「お弁当にお茶・・・」という声が、全く聞こえなかったうえに、通り過ぎていくワゴンのスピードも、まるで急ぎ足で歩いている人のゴロゴロのスーツケースのようでねえ・・・さすがにその速さでは、後ろ姿に声をかけることもできませんでした
何だかガッカリしてしまい・・・とにかくサンドイッチだけを食べ始め、ワゴンが戻ってくる時、待ち構えて買いましょう、と決めました。
10分ほどしたら、帰ってきました、帰ってきました。でも、やっぱり今度もスピードは新幹線並みで、売り声は「ささやき」級。
すると、彼女が通り過ぎたあと、車両の前方(ワゴンがすでに通ってきたところ)に座っていたオバサン達が彼女を追いかけてきました そして「ホットコーヒーをください」と声をかけたのです。
彼女がバックでオバサンの席まで戻っていこうとしたら、今度は、また次の人が席を立ってきて「ジュースか何かはありますか?」とたずねられました。すると彼女は「オレンジジュースがございます。ホットコーヒーとジュースですね」と答えました。
・・・と、その男性は「ちがいますよ。僕はあの人達とは違う席です」と言い、席に戻っていきました。スピードが速いのはワゴンだけではなく、お嬢さんは何に対しても慌て者のようでした。
要するに、私と同じように、「買い物をしたかったけれど、彼女に声をかけられなかったお客が複数組いた」ということでした。私もその一人、ですからね、勇気を持って彼女を呼び止めなければ、少なくとも、その車両だけでも3組の人が欲しいものが買えず、彼女自身、3組ものお客様をみすみす逃したことになります
ホットコーヒーをオバサン達に、オレンジジュースをオジサンに販売した彼女は、私の席あたりまで進んできましたが、またまた勢いよく通り過ぎて行きそうだったので、私は大きな声で「お願いします」と叫びました。彼女は、ハッとしてワゴンを止めました。
ホットコーヒーを注文し、彼女が紙コップに入れて私の前に差し出した時、私がコーヒーの回数券で払おうとパスモの入ったカードケースを取り出したとたん、彼女はすかさず「現金のみとなっております」と言うではありませんか。
私は、「いえいえ、私はパスモを出そうとしたんじゃないのですよ。回数券をお出ししますね」と声をかけると、彼女は真っ赤になり、失礼しました、と言って、回数券を受け取り、1回分をちぎってくれました。
私は、意地悪を言うつもりは毛頭ありません。文句を言いたいわけでもない・・・
彼女が仕事に慣れていない新米さんで、羞恥心も克服できず、余裕を持って車内販売に臨めていないことはよくわかりました。だからこそ、一日でも早く、立派な車内販売員さんになってもらいたい と心から思ったのです。
とにかく、現時点では最低限、「お客様を相手に仕事をするなら、客を立ってこさせて、注文を受けないといけないような仕事の仕方」は改めるべきですし、回数券の時も然り、焦らず、心の中で深呼吸でもして、お客様に相対することを覚えないといけない、とも思いました。
何だかね、私は、彼女の手を握り、「大変なお仕事よね。きっと揺れている車内ではコーヒーを入れるもの大変でしょう?横柄なお客様もいるかもしれない・・・でも、がんばって あなたはもう、このお仕事のプロなんだから、がんばらないと!応援してるわ」と言いたい気分になってしまったんですよねえ・・・
もちろん、お仕事中の彼女に、そんなことは言いませんし、手も握りませんでしたよ。ただ、彼女がコーヒーの回数券を返してくれる時、言ったのです。
「私ね、あなたが先頭車両のほうに向かって通っていらした時、本当はコーヒーをお願いしたかったのよ。でもね、お声がかけられなかったの。私が思うには、きっと、あなたがワゴンを押すスピードが、ちょっと速いんじゃないかしら。お声も少し小さいし・・・ね、だから、さっきの女性も男性も、あなたをわざわざ追いかけていらしたでしょう?ちょうどあなたが席の横を通られた時には、お声をかけられなかったのだと思うのよ、速すぎて。私もそうだったもの。」と言いました。
私は、彼女がどんな反応をするのか?は、想像できませんでした。ただ、お節介であったとしても、どうしても言っておきたい、と思ったのでした。
すると・・・です。
彼女は私に残りの回数券を返してくれたその後、しっかりと私の顔を見て、「すみませんでした」と言ったのです。
注意されたことがきっと恥ずかしかったのでしょう、耳まで真っ赤にして・・・でも、その声のトーンと彼女の眼差しが、決して拗ねたり、適当な受け答えをしているのではなく、ということが伝わってきました そして、その後は、「教えていただいた、ありがとうございました」と言って、頭を下げられたのです。
正直、その行動は「意外」でした。そう、嬉しい「意外」でしたねえ・・・
『ああ、このお嬢さんは、まっすぐに育てられたのだろうなあ』と思いました。
親や、先生や、周りの人の言葉に素直に耳を傾け、それを受け止め、かけられた言葉に感謝をする・・・なかなか出来ることではありません。
世の中、老若男女を問わず、大抵、人は「誉められる、賞賛される」ことは嬉しいことで、日頃は仏頂面をした人でも、評価されれば口元がほころびます
でもその一方で「注意を受ける、叱られる」ということに対しては身構え、顔がこわばり、多くの場合には「ムカッとする」ものです。親の場合は、それが自分の子どものことであれば、その「ムカッ」は一層つのるようで、ほとんど心の中では「でも」と言い訳を考えるものでしょう。
けれど・・・
「注意を受ける、叱責される」ということは、本当は人として成長できる大きなチャンス、なのですよね・・・その場では、当然、気持ちは良くありませんし、もし周りに人がいたならば、恥ずかしいという強い思いも湧いてきます。
けれど、人は単純に「知らないから、間違ったことをしたり言ったりしている」場合も多いですし、「まあいっかの精神で、画竜点睛を欠く残念な行為を自分に許していること」もありますよね。
しっかりとマイナスを指摘されることで、「そうだったのか」や「やっぱり、詰めの甘いことはやめよう」などなど、自分がちょっと上等になれる・・・ステキなことだと思います。
人から評価を受けたいため、人から誉められたいためにがんばることも大事なことですが、自分自身が常に向上心を持って生きていく、ということは、人間としての値打ち、品格を上げる尊い行為だと思います
きっと、このワゴン販売のおねえさんは、幼い頃から「きちんと叱ってもらい、そのつど、成長してきた」素敵な女性なのだろうな、としみじみと思いました。だからこそ、受け入れがたいかもしれなかった私からのアドバイスに、至極素直に反応してくれたのだろう、と実感したのです。
最近の子ども達は、グダグダと母親にうるさく言われることは多くでも、ピシャリとお父さんやお母さん、おじいちゃんやおばあちゃんに叱られた経験が少ないようで、自分が今、「注意されている」「叱責されている」ということにさえ気づかず、平気で笑っていたり、ほとんど堪える様子もない・・・ということが多いです
白紙で生まれてきた子達が、叱られることもなく、ちょっとしたプラスの行為だけで大層に誉められ、ご満悦で育っていくとしたら・・・行きつく先は「傲慢で、我がまま。学習意欲のない、成長できない人間」になっていくのは目に見えています
次にワゴンが回ってきたのは、あと数分で新大阪に到着する、という時でした。
降りるための身支度をしている私に、笑顔で会釈し、「ゆっくりと」ワゴンを押していく彼女を見た時、私は本当に嬉しい気持ちになりました。
ガンバレ 応援しています 彼女の後姿に静かに声をかけました。
月一の帰省のため、私は毎月、東海道新幹線を利用します。片道2時間半の間には、大抵、1度は車内販売のコーヒーを飲みます。昔と違って、今では車内販売のコーヒーも、すてたものではありません
その車内販売。
売っているものは同じでも、売り手、つまり、ワゴンを押しながら「お弁当にお茶、サンドイッチ、ホットコーヒーはいかがですか?」と乗客に声をかけるお兄さんやお姉さんによって、かなり印象が違ってきます頻繁に乗るようになると、一人一人の「ワゴンを押すスピードや売り声」によって、その人の人柄や、その日の気分・・・なども見えてくるようになります。
ディズニーリゾートのアトラクションのキャストなどとは違い、売り子さん達のセリフ?はすでに決まっているようですから、「今日の人の売り方は面白かった」なんてことはありません。でも、言うことが決まっているからこそ、その人の個性が見えてくるのかもしれません
すこぶる愛想が良くても、ちっとも心がこもっていない人。言葉に「言霊」がないので、売り声と満面の笑顔だけがワゴンと共にむなしく通り過ぎます。
仏頂面で、声にも張りがなく、仕事だから仕方なくやってます・・・みたいな売り子さんもいます。
口を開けないで話すから、「おえんとうに、おや、あんどいっち、おっとおーいはいああ・・・」みたいに、何を言っているのかよく聞こえない、という人もいます。
まあ、誰だって新幹線の車内販売が何を売りに来ているか?は知っているので、それでも困りはしませんが・・・
もちろん、本当に気持ちの良い売り子さんも大勢いて、それがほんの一瞬でも、ワゴンが通っていく時には、「旅気分」を味わえ、心和む時もあります
今月の月初め、私は父の介護施設の方と午前中に面談のお約束があったので、いつもよりもかなり早い時間の新幹線に乗りました 駅でサンドイッチを買って乗ったので、できればすぐにコーヒーを買い、朝食を済ませたいと思っていました。
ところが、新横浜を過ぎても来ず・・・やっと来たかと思ったら、何と!あっという間に通り過ぎてしまったのです 要するに、いつもの「お弁当にお茶・・・」という声が、全く聞こえなかったうえに、通り過ぎていくワゴンのスピードも、まるで急ぎ足で歩いている人のゴロゴロのスーツケースのようでねえ・・・さすがにその速さでは、後ろ姿に声をかけることもできませんでした
何だかガッカリしてしまい・・・とにかくサンドイッチだけを食べ始め、ワゴンが戻ってくる時、待ち構えて買いましょう、と決めました。
10分ほどしたら、帰ってきました、帰ってきました。でも、やっぱり今度もスピードは新幹線並みで、売り声は「ささやき」級。
すると、彼女が通り過ぎたあと、車両の前方(ワゴンがすでに通ってきたところ)に座っていたオバサン達が彼女を追いかけてきました そして「ホットコーヒーをください」と声をかけたのです。
彼女がバックでオバサンの席まで戻っていこうとしたら、今度は、また次の人が席を立ってきて「ジュースか何かはありますか?」とたずねられました。すると彼女は「オレンジジュースがございます。ホットコーヒーとジュースですね」と答えました。
・・・と、その男性は「ちがいますよ。僕はあの人達とは違う席です」と言い、席に戻っていきました。スピードが速いのはワゴンだけではなく、お嬢さんは何に対しても慌て者のようでした。
要するに、私と同じように、「買い物をしたかったけれど、彼女に声をかけられなかったお客が複数組いた」ということでした。私もその一人、ですからね、勇気を持って彼女を呼び止めなければ、少なくとも、その車両だけでも3組の人が欲しいものが買えず、彼女自身、3組ものお客様をみすみす逃したことになります
ホットコーヒーをオバサン達に、オレンジジュースをオジサンに販売した彼女は、私の席あたりまで進んできましたが、またまた勢いよく通り過ぎて行きそうだったので、私は大きな声で「お願いします」と叫びました。彼女は、ハッとしてワゴンを止めました。
ホットコーヒーを注文し、彼女が紙コップに入れて私の前に差し出した時、私がコーヒーの回数券で払おうとパスモの入ったカードケースを取り出したとたん、彼女はすかさず「現金のみとなっております」と言うではありませんか。
私は、「いえいえ、私はパスモを出そうとしたんじゃないのですよ。回数券をお出ししますね」と声をかけると、彼女は真っ赤になり、失礼しました、と言って、回数券を受け取り、1回分をちぎってくれました。
私は、意地悪を言うつもりは毛頭ありません。文句を言いたいわけでもない・・・
彼女が仕事に慣れていない新米さんで、羞恥心も克服できず、余裕を持って車内販売に臨めていないことはよくわかりました。だからこそ、一日でも早く、立派な車内販売員さんになってもらいたい と心から思ったのです。
とにかく、現時点では最低限、「お客様を相手に仕事をするなら、客を立ってこさせて、注文を受けないといけないような仕事の仕方」は改めるべきですし、回数券の時も然り、焦らず、心の中で深呼吸でもして、お客様に相対することを覚えないといけない、とも思いました。
何だかね、私は、彼女の手を握り、「大変なお仕事よね。きっと揺れている車内ではコーヒーを入れるもの大変でしょう?横柄なお客様もいるかもしれない・・・でも、がんばって あなたはもう、このお仕事のプロなんだから、がんばらないと!応援してるわ」と言いたい気分になってしまったんですよねえ・・・
もちろん、お仕事中の彼女に、そんなことは言いませんし、手も握りませんでしたよ。ただ、彼女がコーヒーの回数券を返してくれる時、言ったのです。
「私ね、あなたが先頭車両のほうに向かって通っていらした時、本当はコーヒーをお願いしたかったのよ。でもね、お声がかけられなかったの。私が思うには、きっと、あなたがワゴンを押すスピードが、ちょっと速いんじゃないかしら。お声も少し小さいし・・・ね、だから、さっきの女性も男性も、あなたをわざわざ追いかけていらしたでしょう?ちょうどあなたが席の横を通られた時には、お声をかけられなかったのだと思うのよ、速すぎて。私もそうだったもの。」と言いました。
私は、彼女がどんな反応をするのか?は、想像できませんでした。ただ、お節介であったとしても、どうしても言っておきたい、と思ったのでした。
すると・・・です。
彼女は私に残りの回数券を返してくれたその後、しっかりと私の顔を見て、「すみませんでした」と言ったのです。
注意されたことがきっと恥ずかしかったのでしょう、耳まで真っ赤にして・・・でも、その声のトーンと彼女の眼差しが、決して拗ねたり、適当な受け答えをしているのではなく、ということが伝わってきました そして、その後は、「教えていただいた、ありがとうございました」と言って、頭を下げられたのです。
正直、その行動は「意外」でした。そう、嬉しい「意外」でしたねえ・・・
『ああ、このお嬢さんは、まっすぐに育てられたのだろうなあ』と思いました。
親や、先生や、周りの人の言葉に素直に耳を傾け、それを受け止め、かけられた言葉に感謝をする・・・なかなか出来ることではありません。
世の中、老若男女を問わず、大抵、人は「誉められる、賞賛される」ことは嬉しいことで、日頃は仏頂面をした人でも、評価されれば口元がほころびます
でもその一方で「注意を受ける、叱られる」ということに対しては身構え、顔がこわばり、多くの場合には「ムカッとする」ものです。親の場合は、それが自分の子どものことであれば、その「ムカッ」は一層つのるようで、ほとんど心の中では「でも」と言い訳を考えるものでしょう。
けれど・・・
「注意を受ける、叱責される」ということは、本当は人として成長できる大きなチャンス、なのですよね・・・その場では、当然、気持ちは良くありませんし、もし周りに人がいたならば、恥ずかしいという強い思いも湧いてきます。
けれど、人は単純に「知らないから、間違ったことをしたり言ったりしている」場合も多いですし、「まあいっかの精神で、画竜点睛を欠く残念な行為を自分に許していること」もありますよね。
しっかりとマイナスを指摘されることで、「そうだったのか」や「やっぱり、詰めの甘いことはやめよう」などなど、自分がちょっと上等になれる・・・ステキなことだと思います。
人から評価を受けたいため、人から誉められたいためにがんばることも大事なことですが、自分自身が常に向上心を持って生きていく、ということは、人間としての値打ち、品格を上げる尊い行為だと思います
きっと、このワゴン販売のおねえさんは、幼い頃から「きちんと叱ってもらい、そのつど、成長してきた」素敵な女性なのだろうな、としみじみと思いました。だからこそ、受け入れがたいかもしれなかった私からのアドバイスに、至極素直に反応してくれたのだろう、と実感したのです。
最近の子ども達は、グダグダと母親にうるさく言われることは多くでも、ピシャリとお父さんやお母さん、おじいちゃんやおばあちゃんに叱られた経験が少ないようで、自分が今、「注意されている」「叱責されている」ということにさえ気づかず、平気で笑っていたり、ほとんど堪える様子もない・・・ということが多いです
白紙で生まれてきた子達が、叱られることもなく、ちょっとしたプラスの行為だけで大層に誉められ、ご満悦で育っていくとしたら・・・行きつく先は「傲慢で、我がまま。学習意欲のない、成長できない人間」になっていくのは目に見えています
次にワゴンが回ってきたのは、あと数分で新大阪に到着する、という時でした。
降りるための身支度をしている私に、笑顔で会釈し、「ゆっくりと」ワゴンを押していく彼女を見た時、私は本当に嬉しい気持ちになりました。
ガンバレ 応援しています 彼女の後姿に静かに声をかけました。