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マックいのまたのMalt Whisky Distillery

モルト好きで株式公開/上場(IPO)の経営戦略,マーケティング,M&Aを支援する経営コンサルタントのプライベートブログ

Dalwhinnie 15yo

2015-05-12 11:11:55 | グルメ
ダルウィニーのオフィシャル15年です。

dalwhinnie.jpg

「ハイランドのバーボン樽熟成を」と言って頼んだ一杯だったと
思います。ハイランドは大好きですが、じつはダルウィニーは
初めてでした。

日本語のカタカナ表記で書くと、ダルウィニーとバルヴィニーが
似通っているので、バーで頼むときにも混同しやすい銘柄のひとつ
ですが、これまでどちらかひとつという場面になると、どうしても
バルヴィニーを頼んでしまって、ご縁がなかった蒸留所でした。

それが、今回はバーテンダーさんのおすすめで出てきたので、飲む
ご縁を頂いた次第です。

オフィシャルだからということもあるのでしょうが、非常にまろ
やかで角が取れたブレンドに仕上がっており、丸い口当たりの後で
レンゲや水仙を思わせるような淡いフラワリーな風味が爽やかに
流れていく優しいモルト・ウィスキーです。

昨今は、スモーキーやらハイ・ボールやら、パンチの強いタイプの
ウィスキーが流行していますけれども、本当はこういうタイプこそ
初めての方や、ウィスキーに興味を持った女性の方などに、トゥ
ワイスアップで飲んでいただきたい一本です。

私個人の好みとしては家飲み用の常備酒ではありませんが、バー
で見かけてリラックスしたいときには、ぜひ進んで頼みたい一本
ですね。


ダルウィニー15年
 

感謝!
 

CHIVAS REGAL MIZUNARA

2015-05-11 11:38:35 | グルメ
先日来、新聞などで大々的に宣伝広告されている「シーバス・
リーガルのミズナラ」を飲みました。

chivasregal-mizunara.jpg

飲んだファースト・インプレッションは、オリジナルのシーバスの
ブレンドのうち、シェリー樽原酒の部分をミズナラ樽原酒に置換え
つつ、バランスを取った味わいというものでした。

ミズナラ樽原酒といえば、サントリーの山崎が有名ですけれども、
梅酒のような甘さと華やかさの両方の特徴を具備したウィスキーに
なるので、ブレンデッド・ウィスキーを作るときのベースモルト
としては使い勝手がいいのではないかと思います。

とはいえ、歴史と伝統(と格式)のあるシーバスが、突然ミズナラを
新製品としてバーンと出すと、既存製品のイメージとのコンフリ
クトや愛好者からの反発も想定されるからか、広告宣伝のクリエイ
ティヴは「ミズナラ原酒でブレンドを作ってみました」というもの
になっています。

chivasregal-mizunara01.jpg

実際にもウィスキーを口に含んでみると、ミズナラ原酒の熟成年
数は10年前後と思われますので、ベースとして使われている他は、
味を決めたり個性を出すためのスパイス的な使われ方はしていない
ようですので、それ以上古い原酒は持ち合わせていないのでしょう。

ということでしたら、もしこの商品が売れるようならば、今後の
看板商品として育てていき、ミズナラ原酒も増やしていきたい、と
そういうことではないでしょうか。

なぜなら、ウィスキー商品とは製品ポートフォリオにおける収益の
最大化プロジェクトに他ならないからです。

UKの老舗の新しい挑戦が、上首尾に発展することを祈っています。
 

感謝!
 

Caol Ila 1992

2015-05-08 10:00:09 | グルメ

もう随分と古いウィスキーです。かれこれ10年ほど前のものに
なるでしょうか。

カリラのシングルカスク、1992年のヴィンテージです。

caol_ila1992.jpg

当時は、高値の花だった花と動物シリーズが流通在庫から消え、
「カリラ」の名前が幻だった時期でした。

そのなかで忽然と現れたヴィンテージ物。

それまで知っていた15年物とは違い、ピートに加えて焦げ臭い
風味も加わった、カリラのなかの真打ちのような味わいに、想像を
越えたノックアウトを受けたものです。

わずか200mlしか入っていないものでしたので、確か何かの
記念日に開封し、その後も極々限られたタイミングで味わって
きました。それが、今回最後の一滴となったものです。

さすがに時間が経過していますので、52.9%のカスク・ストレン
グスは失われて45度前後になっていたと思われますが、アイラの
大地と風を髣髴とさせるピートが前面に出てきて強調され、ソル
ティでオイリーなミドルがボディの大半を占めるなど、いかにも
アイラ島のウィスキーであることを主張するかのような、王者の
風格を表していました。

もう、このようなカリラは樽買いでもしない限り再会できない
でしょう。

ふたたび幻に戻る時がきたようです。

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82 ALE HOUSE

2015-04-21 10:25:27 | グルメ

先日、渋谷の商工会議所で経営相談員を務めた折に、隣のビルの
看板に、非常に興味深い文字が躍っているのを発見しました。

82alehouse.jpg

相談は日中の早い時間に終えてしまったので、あいにくお邪魔
することができなかったのですが、近いですし、また機会を
みつけて寄ってみようと思います。

ちなみに、非常に興味深い文字というのは、店名ではなくて、
その下に羅列しているものであることは、いうまでもあり
ません(笑)。

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祝!復活 青エビス

2015-04-01 10:40:32 | グルメ
昨年の秋だったと思いますが、コンビニ限定で流通したエビス・
ビールの青いヤツが、またまた復活しました!

今回は近所のファミマには500mlもありました。

ebisu-royal-selection500.jpg

このエビスは麦芽もホップも厳選素材を使用しており、エビス
ビールというだけでも他とは一線を画するクオリティの高級
ビールですが、この青エビスはさらに一頭群を抜く味わいで、
ひと口飲んだときから大ファンになりました。

今回も数量限定販売のようですが、できれば流通を限定して
通年商品に格上げをお願いしたいところです。

感謝!

 


スーパーニッカ原酒復刻プロジェクト~続々編

2015-03-05 12:12:18 | グルメ

いよいよ、かつての愛酒の味を再現するプロジェクトが佳境に近づ
いてきました。

スーパーニッカ原酒

前回はベースモルトをフルーティ原酒にして5~6回テストした
のですが、大きな方向性は合っているものの、細かいテイストは
かなり散らばっており、ここから精度を詰める作業が必要です。

そこで、今回はこんなテストをしました。


       1回目 2回目 3回目 4回目 5回目
Peaty&Salty   0   0   5   0   0  
Woody&Vanillic 5   10   10   0   3 
Sherry&Sweet  30   30   30   30   30 
Fruity&Rich   60   50   50   65   62
Soft&Dry    5   10   5   5   5  

計5回のブレンドテストです。

結果、もっとも近かったのは1回目と5回目。1回目はいいところ
まで近づいていると思うのですが、アルコール辛さが早く現れて
しまい、全体のテイストがかなり違います。

そこを修正しようと試みた2~5回のうち、最後が一番近かった
というわけですが、フルーティを2%増やし同量だけウッディを
減らしてみたら、今度は甘過ぎて味が転んでしまいました。

ここでテイスティング・セットの原酒切れで終了。

しかしながら、かなり近いところまできていますので、もう次の
機会にはチェックメイトできると思います。

それはそれとして、キーモルトの味の幅(公差)が大きいので、
原酒の誤差を修正する腕を身につけなければいけない、という
新しい戦略目標も見えてきました(笑)

さて、どこまでいくのでしょう?

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スーパーニッカ原酒復刻プロジェクト~続編

2015-03-04 11:19:53 | グルメ
もはや、誰も知らないであろう幻となってしまった「スーパー
ニッカ原酒」の復刻プロジェクトが、こうして突然チャンスが
まわってきました。

前回までで大きな方向性を打ち出すことができ、ベースモルトを
余市シェリーから、宮城峡のフルーティに変更。改めてテスト
してみると、ニッカのブレンド製品の多くは、このフルーティ
原酒をベースにしていることが多いのに気づきますし、ブレン
ダーズ・バーでのスペシャル・ブレンドも同じ傾向が看て取れ
ます。

また、今回はひとつの仮説をもってブレンドに挑んでみました。

それは、フルーティ原酒とソフト原酒だけを1:1で混ぜたら
そうなるか?というもので、予想通りバーボン樽熟成のような
樽香ある甘みを生み出すことができる、という発見もありまし
た。

そういう、大阪冬の陣よろしく用意周到にブレンドに着手して
いったのですが、かなりいい線を出せていることに気づき、
「あともう少し」というところまで近づいているのが、自分でも
分かります。

レシピは、今回は非公開ということでお許しいただくとして、
次回にご期待ください!(笑)

my-brend-whisky.jpg
 

感謝!

 


ニッカ・テイスティングセット

2015-03-03 10:51:02 | グルメ
考えてみたら、ニッカ・ブレンダーズ・バーで初めてテイスティング
セットを頼みました。

nikka-tastingset.jpg

かつて行われていたマイ・ブレンド・ウィスキーには何度も参加
しましたし、余市の工場でシングルカスクだったころのキー・
モルト・シリーズに感銘を受けていたクチですので、メーカの
ウェブサイトで販売されている小瓶のセットには食指が動かなかっ
たためです。

しかし、久しぶりに訪れて聞いてみたら、ブレンドしたかったら
どうぞ、と仰っていただけたので、ならばこれが一番いいじゃな
いかと思って意気揚々に頼むことにしました。

久しぶりついでに触れておくと、以前はソフト&ドライと呼ばれ
ていたシリーズが名称変更となっており、名前は失念しましたが
中身は同じだそうです。

そうして、あの道がやってくることになりました。
 

感謝!

 


追悼 竹鶴威さん

2015-03-02 17:10:22 | グルメ
ニッカ・ウヰスキーの相談役だった竹鶴威氏が、昨年末にお亡く
なりになられたと報ぜられました。

マッサンで大人気となっている竹鶴政孝ですが、テレビドラマで
は養女をもらっている設定のところ、本当は女の子ではなく男の
子であり、またいわゆる他所の子ではなく、実家の竹鶴酒造の方
でしたので、書類上の手続きで親子関係となられた人でした。

竹鶴政孝亡き後はニッカのマスターブレンダーを務められ、晩年
は会社の相談役を務めておられました。高齢だったはずですので、
体調が気になっていたところですが、マッサンの放送をご覧に
なってから逝かれたので、あちらで政孝親父と21世紀の日本
ではスモーキーフレーバーの強いウィスキーが好まれている、
という話で盛り上がっていることでしょう。

さて、ニッカ本社にあるブレンダーズ・バーに行くと、同社の
キーモルト・シリーズを使って、各ブレンダーがブレンドした
十数種類のオリジナル・ウィスキーが楽しめますが、そのなかの
筆頭に挙げられているのが、竹鶴威スペシャルブレンドです。

taketsurutakeshi-brend.jpg

メニューにある説明を引用しておきますと「テーマは"Harmony:
ブレンドによる新たな調和創造と発見"。ニッカウヰスキー
第2代マスターブレンダーを務めた竹鶴 威が、自ら理想とする
「まろやかさ、飲みやすさ」を表現したブレンデッド・ウィス
キーです。

nose[香り]:すっきりとした華やかさと気品あるやさしい香り立ち。
      甘く芳ばしい樽熟成香と果実香の調和。
palate[味わい]:柔らかで上品なシルクのようなやさしい口当たり、
finish[余韻]:軽やかで滑らかなコクの調和。
    甘酸っぱい芳香と穏やかなピートの余韻、ドライなキレ。」

とあります。

その名であるスペシャルブレンドに恥じない、他のブレンドと
一線を画するスムーズできめ細かくまろやかな味わいは、ご本
人のお人柄が現れているようで、感慨深いものがありました。

故人のご冥福を衷心よりお祈り申し上げます。
 

感謝!

 


ニッカ「鶴」終売のニュース

2015-02-27 17:12:34 | グルメ
ニッカ・ウヰスキーの最高峰「鶴」が終売になるというニュースに
接しました。訃報と書いてよいでしょう。

なぜならば、竹鶴政孝がブレンドを決定した最後のウィスキー
だからです。

nikka-tsuru.jpg

NHK朝の連続テレビ小説「マッサン」の好評と高視聴率が波及
して、製品の製造が追いつかなくなっていると報道され絶好調の
ニッカ・ウヰスキーですが、その裏側で経営戦略の組みなおしが
進行しているようです。その余波と思われます。

テレビドラマのなかの台詞にも出てくることですが、ウィスキー
は仕込みから出荷までの期間が数年から数十年もかかる特殊な
商品のため、需要を予測して製品を製造することが難しい、と
いうか殆ど無理に近いものです。商売や経営としては無茶苦茶と
いえなくもないでしょう。

だからこそ、経営理念とかアイデンティティが重要になる。サン
トリーでいう「日本人の舌に合ったウィスキー」。ニッカでいう
「本場スコットランドのウィスキー」というものです。

その竹鶴政孝が目指した最高のブレンドが、皮肉にも自身をモ
チーフとしたテレビドラマの好調とブランド認知向上のタイミ
ングで廃止となりました。

ニッカ・ウヰスキーは、ウィスキーが売れなかった90年代から
余市をコンテストに出展したり、一般客がウィスキー作りを実
体験できるイベントを開催したり、顧客作りに取り組んできま
した。

製品ポートフォリオとしても、竹鶴の名前を使用したり、高
評価の余市をブレンドに使用する割合を高めたりして、市場の
動向へ適合する努力も行われてきました。

しかし、今回のテレビドラマの効果はそれらを遥かに上回る
宣伝効果によって、一気に市場の地合いが高まったとみること
もできます。

このウィスキーとブランドにとって追い風が吹いている今こそ、
全速力でアクセルを踏むべきタイミングであることは、経営上
間違いのない意思決定といえるでしょう。こうして「ザ・ニッカ」
という新しい看板商品をリリースして、幅・奥行き・価格帯
ともに新しいインフレ時代に適合しようとしています。それ
こそが、ニッカ・ウヰスキーの新しい社史になるでしょう。

だから、もし今あなたがマッサンで竹鶴政孝に共感したとする
ならば、記憶に刻むべきは新しい時代に豊富に入手できる、
新時代のブレンドではなくて、日本中の流通在庫を当たり尽く
して手に入るかどうかギリギリのところにある、この終売と
なった「鶴」なのです。
 

感謝!

 


THE NIKKA 12yo

2015-02-26 11:07:55 | グルメ
ニッカ・ウヰスキーが新たに発売したブレンデッド・ウィスキーの
ザ・ニッカを試してきました。

thenikka12yo.jpg

発売当初のプレスリリースでは、最高級品の40年超熟成の製品が
50万円とされていて、腰が引けてしまったのですが(笑)、何と
いいますか良くも悪くもニッカが新時代に脱皮しようとしているな
と感じたものでした。

メーカがメーカの名前を冠した商品をリリースする。それは当然に
メーカとしての自信とプライドを掛けた商品であることは間違い
ないでしょう。

ウィスキーという素材を考えるときに、樽のポテンシャルによって
20年が限界だったり、30年だったりと幅があるわけですが、
40年以上もひとつの樽に原酒が貯蔵され続けるということは、
その樽の実力がいかに優れているかということを示している
ことを意味しますから、ただ単に歴史があればよいということで
はなく、長く樽を管理する技術も大切だということです。

さて、私が頼んだのは12年物のレギュラー商品ですが、実際に
試してみてどうか、ということになると、ニッカ・ウヰスキー全体
の製品ポートフォリオがウッディな方向にシフトしているのかな、
という印象を受けました。

すなわち、スーパーニッカに変わって竹鶴が看板商品になった際、
そのテイストが余市の新樽原酒を強調するものになったこと。
また、そのスーパーニッカが2009年にリニューアルした際に
やはり余市の新樽原酒を強調するものになったことと符合します。

詳細は次の記事に譲りますが、今回ブレンデッドの最高峰であった
鶴が終売になり、ザ・ニッカが新発売となったのは、「ニッカ・
ウヰスキー」の味わいが、そのメインラインを張る商品において
余市の新樽が強調されることになったことで整合されます。

もちろん、これは90年代に余市が高く評価されて、ヘヴィピー
テッドの新樽原酒を作り続けてきたことで、供給できる原酒に
一定程度の目処が立ったことも推測できます。

こうして、これから新しいニッカ・ウヰスキーが始まることに
なる。その看板商品が「ザ・ニッカ」なのでしょう。
 

感謝!

 


アイラ島のジン発見

2015-02-25 11:51:20 | グルメ

まるでポートエレンだった「夢」というウィスキーをいただいた
日比谷バーで面白いボトルをみつけました。

islay-gin-botanist.jpg

THE BOTANISTと名づけられたジンですが、同じくラベルには22年
熟成と印字されていて、非常に興味をそそられます。

ジンというお酒は、大麦やライ麦、じゃがいもなどを原料に作られる
蒸留酒ですが、アイラ島でジンを製造しているジンの蒸留所などと
いうのは聞いたことがありませんから、おそらくはウィスキー蒸留
所のどこかが22年前にジンを蒸留したというのが十中八九の真相
でしょう。

私は、普段はジンをあまり飲まないので、ジンをそのままニートで
飲んでも、何も分からないのですが、原材料がウィスキーと一部共
通していて、製造設備を共有しているのならば、どこの蒸留所で作
られたものなのか、ある程度の推測ができるかもしれません。

それも、このボトルが想像力を掻き立ててくれる面白さです。

と思っていたのですが、改めて調べてみるとブルックラディのジム・
マッキューワンが企画したものだそうですが、ローモンド・スティル
で蒸留されたということになると、製造したのはブルックラディ
ではなく、オークニーのスキャパなのでしょうか?さらに謎が深まり
ました(笑)

今回は眺めるだけで帰ってきてしまったのですが、次の機会にはぜひ
チャレンジしてみたいと思います。

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日比谷バー - 夢ウィスキー

2015-02-24 11:19:53 | グルメ

日比谷バーというバー・チェーンがあります。「BAR」あるいは
「バー」という固いイメージを打ち砕き、もっとカジュアルに
お酒を楽しんでもらいたい、というオーナーの気概が伝わってくる
楽しいお店で、銀座にはウィスキーが専門の店舗の2ヶ所あります。

その日比谷バーが、モルト専門バーで提携しているサントリーと
開発したオリジナルボトルが「夢」と名づけられたウィスキー。
中身は、ボウモアとレダイグだそうです。

hibiyabar-dream.jpg

裏面のラベルには、「夢の味

潮の香る暗い部屋で
原酒達の見る夢は
天使と共に天に昇る夢
それともマリッジを想う甘い夢
静かに静かに時を刻み
眠りにつく・・・」と書かれています。

ウィスキー作りをテーマにしたドラマが、毎朝放送されている今は
きっと竹鶴政孝やスコットランドやスモーキーフレーバーといった
ものが、ウィスキーを通して想像する一般的な夢であろうと思い
ますが、私自身が感じたものは、もう少しリアルなものでした。

というのは、このオリジナルブレンドウィスキーは、今はなきアイラ
島のポートエレンのウィスキーを思わせるものだったからです。

このウィスキーを構成する原酒のうち、ボウモアを思わせるのは
スモーキーなバーボン樽熟成の、どちらかといえば「甘め」の原酒。

一方レダイグを思わせるのは、ピーティーでウッディなホッグズ
ヘッド(?)熟成の、どちらかといえば「辛め」の原酒。

この二つが合わさって、ピーティーでスモーキーで溶剤臭い、あの
永遠に失われてしまった、いかにもアイラ島を表現しているポート
エレンとうり二つだったからです。

当の本家は1983年に閉鎖され、何棟か残るウェアハウスもそろ
そろ底をつくだろうといわれている昨今に、このようにカジュアル
に幻のウィスキーを感じさせてくれるのは、偶然かブレンドによる
マジックかのどちらかですが、もし後者を意図して作られたのだと
したら奇跡としか言いようがありません。

残念ながらラベルには熟成年数の表記はなく、アルコール度も40
度に加水されていますので、原酒の熟成度合いは不明ですが、飲ん
だ感じでは8年~の原酒をいくつか混ぜているものと思われます。

バーテンダーさんに、もしこれも市販したらきっと売れると思う
から、もっと作って売り出してください。僕が一本買いますよ、
とお伝えしたら、「上の者に伝えておく」との言質をいただきま
した。

こうなったら、上の者とはサントリー社長の新浪剛史氏であることを
祈るばかりです(笑)

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Cask & Thistle Glenallachie 1989

2015-02-23 10:49:39 | グルメ

どうもピンとくるものがなかったので、バーボン樽仕込みの20年
前後熟成のものを頼んで出てきたのがこれでした。これも読むのが
難解な蒸留所のひとつ。グレンアラヒーと読むそうです。

glenallachie1989.jpg

スコットランドの地名は、ケルト民族の言語であったゲール語
(つまりケルト語)に由来するものが多く、「ch」は英語読みする
と、日本語でいう「カ行」になる(cf.glenfiddich - グレン
フィディック)ことが多いのですが、ゲール語風に発音すると、
まったく発音しなくなったりすることも多いため(cf.bruich-
raddich - ブルックラディ)、いったいどう読んだらいいのか
途方にくれてしまうこともあります。

このボトルも私はまったく初めてのご縁だったのですが、グレンの
後はどう読んだらいいのか、しばらく止まってしまいました(笑)
なぜなら、これが単なるラベルの読み方だけならいいのですが、
蒸留所の名称ですから、もし重要な一本だとすると、人生の経験を
左右しかねない一大事でもあります。真面目な話として一大事
なのです。

読み方が整理できたところで、このウィスキーが素晴らしいのは、
20世紀後半を生きた人類にとって非常に重要であった1989年
蒸留の、いわゆるヴィンテージ・イヤーのウィスキーであること。

つぎに十分に熟成感を楽しめる25年熟成、アルコール度数53%
であることです。

これらのスペックからもたらされるのは、いわゆるデジタル時代
の生産管理が導入する前時代の、普通に作ったモルト原酒の最も
熟成感の成長したピークであるタイミングでいただけるという
幸運そのものでしょう。

正直申し上げれば、私自身がイメージし望んだ通りの味ではあり
ませんでしたが、そのような我侭以前に、この一本とのご縁を感謝
し、ありがたく頂戴すること。また、それを期待して私に提案して
くれたマスターの心尽くしのもてなしに、この刹那を生きることの
感謝をしなければいけません。

なぜならば、このときの、この一本の、この味は、この瞬間だけの
ものだからです。

このすべての充実感に感謝を捧げます。

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