2012年12月12日(水)記
積雪があって、日の光が燦燦と降り注ぐ。こうなると温度計が示す数値は低いけれど体感温度はずっと温かい…やっとそんな長野の冬らしくなってきました。
昨年の今頃は、9日に-6℃を記録しただけで、今年のように厳冬期のような低温がずっと続くようなことはありませんでしたし、パイプ類の防寒や冬タイヤの交換、樹木のワラ巻きなども10日過ぎからで畑では大根抜きのピーク、と去年の記録にあります。
こんな気候ですから1日中ストーブは欠かせません。でも幸いなことに、燃料になる薪は充分備蓄しているのでその点は安心です。
9日の日曜日、裏山の整備も日が暮れてきたので途中で止め、ストーブ用の薪をリンゴ箱山盛りに入れて家の中に運んでいる途中、ほんのわずかの段差、そう1.5cmか2cmの段差に足を置いてしまって捻挫してしまいました。激痛が走りました。
ま、捻挫だから1日2日程度で痛みは治まるだろう、それに足への力の入れ具合では痛みも感じないし、ということで様子見することにしました。
そして10日の長時間の除雪。
くるぶしも関節も痛みが感じられなくなってきているのに、足の甲の側面がどんどん痛くなり、歩行が困難になってきている。
11日の午後には農家民泊の安全管理研修会があって、これには是非参加したい。でも痛みが続き車を運転できないのでやむなく欠席の連絡をしました。
そして今日。
かなり我慢強い人間と自分でも思っているのですが、とうとう病院に連れて行ってもらうことにしました。
結果はやはり骨折。レントゲンには小指の骨の根元(と言っても、外から見れば甲の中)に見事に綺麗に破断の跡が写っています。完治に1ヶ月半から2ヶ月。
昔はこういう骨折が多かったそうです。
下駄をはいた足をねじって骨折ということなので、名付けて「下駄骨折」。
治療費は国民健康保険を使って9,000円弱。3割負担なので、もし全額自己負担とすれば約30,000円。9,000円でもこの出費は痛いのに、もしこの健康保険が無ければ大変だ。
今アメリカでは数千万人の無保険者がおり、オバマが4年前に大統領になれた大きな理由の一つとして、健康保険の創設の公約だった(もちろん米国内では大反対でいまだに実現不能)。
また、昔われわれの憧れだったアメリカ中産階級が没落した大きな原因の一つが、病気(怪我)の治療費だということも知っている。
人の一生には予期せぬ病気、思わぬ怪我を必ず負う。そしてこの治療費のために極端に貧しくなってしまうということは、はたして社会のありかたとして正しいことなのだろうか。健康保険とは私たちのセフティーネットそのものなのです。
TPPはそれを壊してしまう。
年がら年中TVCMを流しているアフラックやアリコ、アメリカンファミリーの米系保険会社はアメリカにはない日本の国民健康保険が邪魔で仕方ない。現にアフラックの会長(社長?)はTPP推進団体の会長か何かをやっている。
日本の政府や各政党のTPP推進派、財界そしてマスコミは農業vs輸出産業にすり替えているが、オバマはハッキリと牛肉・自動車・保険金融と繰り返している。なぜこんなにも違うのだろう。普通、外国がわれわれを騙すと思いがちだが、日本の指導部が私たちを騙しているのがありありだ。
選挙が近い。
争点はTPP、原発、消費税と思っていたら最近は憲法改正(徴兵制、集団的自衛権)まで言い出す政党も出てきた。
あなたはどのような基準で投票するのか知らないけれど、私は自分の今の経済的豊かさより、幼い子供たちの未来の命を守りたい。だから私はTPP、原発、消費税に反対する。もちろん某政党が言っている内容の憲法改正も反対する。
http://www.jiji.com/jc/v?p=ve_pol_election-syugiin20121130j-06-w490
ちょっと余談。
あなたはすでに見てるかもしれませんが、私の良く見るNHK『BS世界のドキュメンタリー』を紹介します。
変則的な放送で、通常は月曜~木曜の24:00~24:50、再放送は原則1週間遅れの18:00~18:50。
特に『シリーズ 世界の貧困』は有益だった。
http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/201212.html
ちなみに11月29日の「パークアベニュー 格差社会アメリカ」を見て、アメリカのようになってはならないと切に思ったものでした。ベストセラーになった堤未果さんの『ルポ 貧困大国アメリカ Ⅰ・Ⅱ』(岩波新書)でも書かれていた。この書でショックだったのは奨学資金を返すために軍隊に入らざるを得ない若者が多い、ということでした。どこまで命を食い物にするか!
(なおこの番組は国際共同製作です。NHK単独だったら紹介しなかったでしょうね。悲しいことに、日本のメディアが信用できない。世論調査も、ロイターでは
http://jp.reuters.com/news/globalcoverage/politics 日本の新聞、NHKが発表しているのとえらい違い)
じゃ、また。