信州山里だより

大阪弁しか話せないの信州人10年目。限界集落から発信している「山里からのたより」です。

久しぶりです。再開します。まずは『おやき』から。

2010年01月30日 10時46分43秒 | Weblog
このブログを休んで、早いものでもう2年。申し訳ありません。そろそろ復活です。

この2年間、変化の少ない信州の山里にも、いろんなことが起こったり発見したことがあって、このブログに書き残せなかったことに忸怩(じくじ)たる思いをずっと抱えていました。
ですが、仕事の契約も3月末まで。これからは以前のように時間に縛られることもなくなりますので、そろそろ復活を、というわけで、これからは気長にゆったりと続けていくつもりです。どうか以前に変わらずご愛読下さい。

さて復刊第1号の話題は、信州の郷土食の代表『おやき』。皆さんご存知ですか。
『おやき』とは野沢菜やナスなどの野菜、切干大根の煮たもの、おから(卯の花)、あんこ等を小麦粉で包んで、焼いたり、蒸したり、最近では揚げたりしたものもでてきています。なかなか美味しいもので、私は大好きです。コンビニでもスーパーでも普通にどこにでも売っています。信州に来なさったら、ぜひ食べてみてください。

さてこの「焼く」と「蒸す」の違いは地域の違いによります。地域とは、つまり囲炉裏があるかないかの違いになります。囲炉裏のある地域は「焼く」、無い地域は「蒸す」。
人は皆、里(さと)と呼ぶ善光寺平(ぜんこうじたいら)の平野部は「蒸しおやき」。
人は皆、山(やま)と呼ぶわが山里は、当然「焼きおやき」。
この「蒸しおやき」も笹の葉で包んで蒸すところもあれば、何も包まずにそのまま蒸すところもあります。
「焼きおやき」も、囲炉裏にぶら下がっている『ほうろく鍋』(底の平たい鉄鍋。関西のすき焼き鍋を大きくしたようなもの)でジックリ焼いたものと、おやきの表面を軽く焼いたのち、灰の中に入れて蒸し焼きにするものがあります。
わが山里は後者。

ムラ人の知人など、昔は夕飯といえばおやきを2個~3個。囲炉裏の中から取り出して灰を払いながら食った、と話しておられる。
この話を聞いて、ここの人は少食だなと、ず~っと1月24日の今日の今日まで思っていました。
ところが今日、過疎のムラの中でひっそりと出している「おやきの店」で、昔のままの「灰焼きおやき」を買ってびっくりしました。写真がそれです(切ったのは、野沢菜とタマネギ)。
一般的におやきは直径10cm位まで、厚さは2~3cm、半円球のいちばん厚いところでせいぜい5cmもあれば大きいほうでしょうか。皆さんは『炭団(たどん)』てご存知ですか。野球のボールといってもいいかな、丁度それくらいの大きさでした。これでは2個程度で満腹になるはず。
ストーブの上の土鍋からうどんをすくい上げつつ、このおやきで夕食にしたのですが1個がせいぜいでした。
ちなみに皮の固かったこと。上の歯ならともかく、下の歯を食い込ませようとしたら歯がおかしくなるくらい固かった。でも、でもですよ。噛んでいるとこれが味がでてくるんです。

この『おやき』については、まだまだ語りつくせない話がたくさんあります。また機会があれば紹介します。では、また。