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※症例は患者様の同医済み.

人間はたとえどんな不幸にあろうとも命ある限りは生きようとするようにできている

2012-12-18 00:00:57 | 社会と病気
 末期ガン患者さんの「心のケア」の研修報告を聞き終えた後、以前ここで書いた「自作対策」の内容に共通することが多いのに気づきました。 それは決して聞き手がアドバイスしたり解答を出したりせず、今の気持ちや悩みを聴くという姿勢です。
 しかし死にたい方と生きたいと願う方に対してケアとしてはなぜ同様の対応になるのだろうという矛盾があります。そう考えていると一冊の本を思い出しました。[鏡の偽乙女~薄紅雪華紋様~]という小説です。
 時代は大正で、「死と生」をテーマにした超自然的な物語です。
コレクターという死神のような輩が登場するのですが、人間である主人公達がコレクターを喫茶店に呼び、いろいろと話を聞くシーンがあります。
 その中でコレクターは、人が自殺し命が絶える瞬間にその場に行き、「胸の中にしまっているものと引き替えにもう一度命をやってもよい」と、取引をしかけると言うのです。
 それを聞いた主人公の青年は、「ちょっと待ってくれよ、自ら命を絶とうとしたんだろ?!それならそんな取引に応じる必要はないんじゃないか?」と言い返すとコレクターは、「それは生きるか死ぬかの瀬戸際に落ちたことのない人の言いぐさですよ。人間はたとえどんな不幸にあろうとも命ある限りは生きようとするようにできているのです。ほんとうに死にたくて死ぬものはこの世にはありません。できることなら生きたいと誰もが思っているのです」と言い切ります。
 コレクターのこのセリフは、このブログの冒頭で述べた「矛盾」に対しての一つの解答とも言えます。
 自殺したいと思う方も、余命宣告された方同様生きたいと願うのなら、医療従事者の限られた知識と経験だけで自殺という行為を否定し説いてはならないことを肝に命じなければなりません。

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