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リハビリ+鍼灸治療法が有効な脳卒中(脳溢血.脳梗塞)後遺症

2012-07-17 18:55:23 | 脳.神経~麻痺.頭痛
6月24日は「世界脳卒中の日」だそうですが、10月29日も「世界脳卒中の日」だそうです。どちらでもよいですが、この時期というか6月7月は脳梗塞が多発する時期でもあり、後遺症に悩んでおられる方は体が重くなったり痺れたりと調子をくずす時期です。

「卒中」とは卒中風の略で、「卒」は、「□にわか。突然。また、あわてるさま。」という意味があり、「中風」とは、半身の不随、腕または脚の麻痺する状態のことです。なので突然のマヒを「卒中」と言い、その中でも急性の脳血液の循環障害によるものを「脳卒中」と言うことができます。
昔は脳溢血(脳出血)で卒中になる方が多かったので、脳卒中=脳溢血と思われる方が多かったと思いますが、今は脳出血は減ったかわりに脳梗塞のほうが10倍以上と増えています。

 ネット上ではこれで治った、治したという話がたくさんありますが、"治る"、"治らない"は脳の出血や梗塞の部位、範囲、程度によって違うので、何をやったというわけでもないのに、「普通に生活できるようになった」とか、「自転車に乗れるようになった」ということもあります。しかしこれらは結果論であって軽症でもずっと治らない場合もあるので、先行きどうなるかわからない後遺症に対してリハビリは最大限にやっておく必要があります。
 さらにリハビリの効果を上げているのが鍼灸による神経への刺激です。

 ちょっと前には、卒中を起こした場合、状態が安定してからリハビリを行なってましたが最近では早期からリハビリが行われます。しかし東洋医学では14日以内に鍼灸治療を行わないと効果が期待できないと教科書には既に書かれてました。やはり経験医学はそのへんのブレはなく感心します。

鍼灸治療での刺激点は古典の「中風七穴」というものが臨床で未だに使われてます。中風を経絡の変動として見なさないので、証「東洋医学的診察名」をたてず、積極的にこの七穴を使っている経絡の専門家もおられます。この「中風七穴」は手足にもあり、大半のツボは左右対象に存在するので患側にとるのか健側にとるのか古典でも諸説あります。両側に取るのなら七つ以上となるので「七穴」とは言わないはずです。また中風予防にも使われるというので、患側も健側もないのにどちらに取るのかという疑問もわきましたが、多分、再発予防ということでしょう。
健側にとるという理由として、患側への刺激は神経障害が存在することから局所および後位中枢への反応が起こりいという理由だそうです。そういうことから自分も健側に鍼をしてました。ところが鹿児島大学の川平先生は、患側の反復運動によりマヒが改善されるという臨床結果を出されて反響を呼んでおりました。ようするにその反復運動による刺激が脳に新たな情報として再構築されるということです。それから刺激部位は患側にとるように治療を始めました。
マヒの程度にもよりますが、日常生活ができるくらいのマヒであれば比較的よい結果が出始めました。ただしリハビリテーションは絶対に必要で、鍼灸をしてじっとしていてもマヒは治りません。

実際の臨床ではこの七穴のみでは不十分なので他の反応点を徹底的に調べ治療します。刺激量もマヒの程度や皮膚の反応の強さなどで換えてます。
マヒだけではなく、味覚異常や足の冷えや火照りの改善という成果も出ていますので、鍼灸の効果の可能性は予想ができません。

鍼灸治療は脳の血流を促進させますので、降圧剤を常用し、血圧を低く安定させている方の効果は若干落ちる印象です。このへんは循環器の専門医に調節してもらう必要があると思います。
また睡眠薬の中でも軽くて一般的なものとして[マイスリー]がありますが、副作用として"ふらつき、けん怠感、脱力感等"の可能性が明記されてます。こういう理由かもしれませんが睡眠薬を服用されている方は、軽いものでも常用されていると鍼灸の効果に今ひとつのものを感じます。

中風7穴を含めよく使うツボは以下の通りです。
百会.肩井.曲池.足三里.曲鬢.風市.懸鐘.風池.大椎.間使

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