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※症例は患者様の同医済み.

良性発作性頭位眩暈症(BPPV)の東洋医学的物理療法

2012-05-06 19:47:30 | 耳の病機
まだまだめまいの季節が続きます。
めまいには良性のものもありますが、その中で比較的多いのが「良性発作性頭位眩暈症」です。良性と言えども重症の場合は入院することもあります。
原因は前庭器官の耳石器の上にある耳石がそこから剥がれて半規管に入り込み半規管を刺激してめまい発作が起こると言われてます。ですから半規管から出てしまえばめまいはなくなります。
しかしやっかいなのが再発する方もけっこうおられるということです。

鍼灸治療では耳石を出すという理学療法を行いながら、再発予防を目的に治療します。

左耳を患側として書きますが、適応側の判別で発作を繰り返されている方はどちらの耳が悪いかは耳鼻科で聞いておられるはずです。初めての方は横になった時に障害のある方を下に向けるとめまい発作が起こったり気分が悪くなったりします。

① まず座ってもらい首から肩の鍼灸治療点を探します。この時点ですでに結石を移動させる理学療法が始まってます。

② そして上向きに寝てもらいますが背中にマットを敷いて頭が下がるように寝てもらいます。だいたい25度。

③ 次に左に向いてもらいますが約45度くらいです。この時にめまいが起こりますが、すこし治まってから右頚部のリンパや血流改善、筋緊張緩和を目的に弱刺激で鍼を行います。(欠盆、人迎、翳風、扶突、肩井などの中で反応の強い経穴)

④ 次に右に向いてもらいますがこれも45度くらいです。耳周囲の反応経血と首や肩の筋緊張が強いところにこれも弱刺激で鍼をします。((翳風、角孫、耳門、聴宮、聴会、寛骨、けい脈、顱息、角孫、曲鬢、率谷、欠盆、人迎、翳風、扶突、肩井などの中で反応の強い経穴)

⑤ 本地法を行いますが経穴については最後に書きます。

右を向いたまま体も横にしてゆっくり起こしベッドに座ってもらいます。

⑥ 背部の関連経血(大椎、肩井、風門、膏肓など)に灸をして終了ですが、理学療法もこれで完了していて、うまくいけば結石は三半規管から出ているはずです。

ざっと流れだけを書きましたが急いでややってはいけません。
この治療法はBPPVのみ有効な治療法であって、中枢性やメニエル、突発性難聴では全く別の治療法となります。

高齢者や慢性疾患で常用薬がある方が多いような気がします。本地法としては関連経絡も多岐にわたり証を絞り込むことは難しい場合がほとんどです。なので難しく証を立てるより、沢田流大極両方や、脾や腎を中心とした全身調節的経穴で十分だと思います。(百会、大椎、身柱、曲池、肩井、中かん、関元、足三里、太谿)
ちなみに沢田流大極両方の経穴は、百会,身柱,肝兪,脾兪,腎兪,次りょう,澤田流京門(志室穴) 中かん,気海,曲池,左陽池 足三里,澤田流太谿(照海穴) 風池,天枢です。

実際の症例を書こうかと思い先日、治療した方にブログに書きたい旨を尋ねましたが、ブログ?何ですかそれは? 高齢者だったのでこういう了解を得るには難しいですね。

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