シネブログ

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『ウォーリー』

2008年12月06日 12時08分48秒 | 映画レビュー
原題: WALL・E
製作年度: 2008年
別題:-
製作国・地域: アメリカ 上映時間: 103分
監督:アンドリュー・スタントン
製作:ジム・モリス
製作総指揮:
ジョン・ラセター
ピーター・ドクター
原案:
アンドリュー・スタントン
ピート・ドクター
脚本:
アンドリュー・スタントン
ジム・リアドン
プロダクションデザイン:ラルフ・エグルストン
音楽:トーマス・ニューマン
サウンドデザイン: ベン・バート
声の出演:
ベン・バート ウォーリー
エリサ・ナイト イヴ
ジェフ・ガーリン
フレッド・ウィラード
ジョン・ラッツェンバーガー
キャシー・ナジミー
シガーニー・ウィーヴァー
オススメ度:★★★★★

ストーリー:
人類が新たな入植地を求め宇宙へと去ってから長い年月が経つ29世紀の地球。そこでは700年間、一体のゴミ処理ロボットが人間たちの残したゴミを独り黙々と片付けている。そのロボットの名はウォーリー。長い年月の中で、次第に感情が芽生えていった彼は、ゴミの中から宝物を見つけてはコレクションすることをささやかな楽しみにしていた。そんなウォーリーの前にある日、ピカピカのロボット“イヴ”が現われる。彼女の気を惹こうとコレクションの1つ“ヒョロっとした植物”を見せるウォーリー。だがその瞬間、イヴは動かなくなり、宇宙船にさらわれてしまう。実は、彼女には地球の運命を左右する重大な秘密が隠されていた。ウォーリーはイヴを救うため、未知なる宇宙へ旅立つのだが…。

コメント:
『夢』いつか誰かと”手をつなぐ”こと…

ミュージカル映画『ハロー・ドーリー』のVHSを観ることが日課のウォーリーは、映画の主人公のように”手をつなぐ”ことを夢見ているお掃除ロボット。700年もの間、ただそれだけを夢見て地球の掃除をしているという設定だけでも切ない。そこに突如現れるクール・ビューティロボット”イヴ”の存在がウォーリーの心を更に切なくさせ、そしてやがてその感情は”恋”に変わっていく…。

ロボットという”鉄の塊”に、完璧なまでの感情と息吹を吹き込んだディズニー/ピクサー製作の感動ファンタジー・アニメ。”手をつなぎたい”というウォーリーの純粋な気持ちが、イヴの心の壁を越えると共に二人揃って地球の生命を守るビッグ・プロジェクトへと展開する内容には感動せずにはいられなかった。そして最後には、大切なものを守らないといけないという貴重なメッセージが、人間の心にもひしひしと語りかける。なんとも不思議な恋の1ページを見せられた気分で一杯だ。

『モンスターズ・インク』では子どもが大のニガ手のモンスター
『ファインディング・ニモ』ではサンゴ礁の海を舞台に描く魚の親子
『カーズ』ではクルマの世界でNo.1を目指す人気スポーツカー

特異なキャラを使って感動の作品を世に送り出しているディズニー/ピクサー。技術・アイディア・ストーリーが作品を増す毎に品質を上げ、もうこれ以上の感動は臨めないのではないかと思わせるほどの感動を毎回味わわせてくれる。

そして今回ディズニー/ピクサーが選んだ設定が700年後の地球というものだ。人間がいない地球でたった一人暮らすウォーリーはもちろん言葉を話すことのできないロボット。映画開始20分間はセリフのないままウォーリーの日課とイヴとの交流が坦々と描かれる。正直、この地点で「失敗したな」という気持ちに苛まれそうになっていた。言葉なしで感動なんてできるはずがないのだと…。

ところがここで本作初の第一声が飛び交う

「ウォ~リィィ~」

「イヴ」

「イヴァ?」

「イヴ」

「イヴァ~!!」

この瞬間僕の体に”ビビビ”と電撃が走ったようだった。
会話ができないと思っていたキャラが、ドギマギとした口調で名前を交換するシーン。
そうだ!生き物は言葉ではない、心で会話するものなのだと気付かせてくれる瞬間だ。

”手をつなぎたい”と言えなくても、心があればいつか相手に気持ちが届く。
たとえ小さな”夢”でもそこには大きな障害が立ちはだかる。
だけど”夢”が叶ったとき、それは”希望”へと変わる第一歩なのだと。

人間が忘れかけている大切な温もりを、無機質なロボットを使って気付かせてくれた。
「ディズニー/ピクサー」やはり侮れない。


・余談
パンフレットはまるでウォーリーを模ったような小さめの四角い仕様で、1ページ目にはなんとウォーリー特製シールがついている!これだけでも買う価値あり!!