伊藤とし子のひとりごと

佐倉市議会議員4期目
議会、市民ネットワーク千葉県、さくら・市民ネットワークの活動あれこれ、お知らせします

県議会報告 「教師の性暴力について」予算委員会質疑から

2023-04-06 01:53:01 | 議会
県議会報告 最終章No.2

最後の県議会報告です。
県議として活動した中で、最も重く深刻なテーマで締めくくります。

〜予算委員会から 教師の性暴力について〜

毎年、教員による児童生徒のセクハラ、性暴力事件が後を絶ちません。
記憶に新しい所では、千葉市の教員が教え子7人に性暴力を行い、
有罪判決が一昨年出ました。
2021年度までの10年間で、児童生徒に対するわいせつ・セクハラ行為の懲戒処分は56件、
内免職は47件・停職処分は7件もあります。
令和4年度は1月18日現在の懲戒処分・免職は7件ですが、
残念ながら、氷山の一角でしかすぎません。

教職員による児童生徒への性暴力等に係る対策事業
約450万円の新規事業

目的は「児童生徒等の権利利益の擁護を図るとともに、教職員等に対する適正かつ厳格な
懲戒処分の実施を徹底するため、弁護士など外部専門家の協力を得た聞き取り及び
被害児童生徒等に対する必要な保護・支援並びに再発・未然防止に取り組む体制を構築する」
というものです。

被害児童生徒には、公認心理師が直接聞き取りを行います。
2次被害防止のためです。

しかし、起こってからでは遅すぎます。
未然に防ぐ事こそ、重要です。
それには「CAPワークショップ」が効果的と考え、市議時代から繰り返し提案してきました。

CAP(Child Assault Prevention)とは
CAPは子どもへの暴力防止を目指す体験型人権教育プログラムです。
専門的にトレーニングを積んだ専門家が、小学生、中学生、保護者、教員それぞれを対象に、
「安心」「自信」「自由」の3つの権利がすべての人にあること。
その3つの権利を守るため「嫌と言う事」「逃げること」「誰かに相談すること」を実際に
ワークショップを通して身に付けます。
逃げる時には「ワー!!」とお腹の底から叫び声をあげることも実際にやってみます。
私は市議時代、実際にこの叫び声を議場でやって見せたことがありました。(笑)

県内では、山武市は合併前の2003年から取り組んでおり、効果を上げています。
千葉市では教師の性暴力事件を受けて、2021年度からモデル校を指定して実施しています。
流山市教育委員会でも今年2月に起こった教師による性暴力事件を受けて、
急遽年度内で当該小学校全クラスでCAPを受けさせました。

予算委員会で
「被害が出てからでは遅い。
これ以上子どもたちが性被害を受けないため、児童生徒の人権を守るため、
千葉県としてCAPワークショップを積極的に進めていくべきと考えるがどうか」
と質問したところ、
「子供たちが自分の身を守るためには、CAPの手法でもある参加体験型の学習は
効果的であると考えており、各市町村教育委員会の担当者を対象とした研修において、
こうした学習手法を周知し、各学校で実践するよう更に促してまいります。」
という答弁があり、ちょっと驚きました。
今まで全く取り上げようともしなかった県教育委員会が大きな方針転換をしたからです。
熊谷知事になったからでしょうか。

情報提供だけでなく予算措置を行い一歩前進させるべき、と要望しました。

現在係争中の事件から
小学校5年生だった児童が、教師からセクハラを受けた事件から5年経過した現在も、
被害者は外出もできず、PTSDに苦しんでいます。
その原因は、被害直後に学校や自治体教育委員会に訴えても適切な対応を行わず、
教員を同じ学校に在職させ、被害者が登校できなくなる事態を招いたためです。
教員を他に移動させたのは半年後。
その間、学校側は「教員本人が否定している」としてかばったどころか
「不登校を正当化するためにわいせつ行為を誇張している」とまで被害者を誹謗中傷したのです。

小学校時代の教員わいせつ PTSDとの関連認めず 千葉地裁判決

裁判を傍聴していて明確になったのは、学校は教師という身内をかばい、
守るべき小学生の被害者を貶めた事実です。
「教員の性暴力防止法」があったなら、即有罪のはずです。

「教職員等による児童生徒性暴力等に関する法律」2022年4月1日施行。
対象は児童生徒等に性交等をすること。わいせつな行為をすること・させること。
児童買春や児童ポルノの販売等。迷惑行為防止条例などの対象も含まれるなど
具体的に示しています。
性暴力は魂の殺人と言われており、被害者は一生フラッシュバックが起こったりして
苦しめられます。
たとえ法律ができたとしても、学校が子どもの受けた体と心の傷をそれ以上広げないためにも、
子どもの証言をまずは受け止め、迅速に対応する必要があります。

後日談として
3月18日朝日新聞に県教育委員会懲戒処分決定の記事に、
「県北西部公立中学校で2021年10月〜12月 臨時講師の男性が校内で
女子生徒にわいせつ行為を行ったのを防げなかったとの理由で、
校長が減給1/10か月」とありました。
しかし、当の犯人である臨時講師は任期切れで退職したため処分できなかった、
というものです。

「教員の性暴力防止法」では懲戒処分に関する情報をデータベース化するとあり、
本年度4月から運用開始することになっています。

この事件の臨時講師の情報はどのように取り扱われたのか、
県教育庁に確認しました。
すると「すでに他県に転居してしまったため、千葉県の手から離れてしまった」
との事でした。
但し、千葉県から転居先の自治体に報告し、転居先の自治体が「教職員免許法第十一条3項・4項」
により教員免状を失効させることができるとの事。
さらに「失効理由をデータベースに載せることができる」との事でした。

できることは分かったけれど、千葉県は転出先の自治体にこの事実を知らせたのでしょうか?
気になるところです。

わいせつ教員・講師が懲戒免職処分前に辞職して逃げた場合でも、迅速に
教職員免許法により手続きを踏んで対処し、被害者を増やさないためにも
各自治体は心して運用するべきです。

この問題は私の後任者「川口えみ」に引き継いで取り組んでいきます。


佐倉市の湧水池 加賀清水 八重桜が満開です。
選挙での演説スポットです。
いつもは3週間後の市議選の時が満開なのに、今年は4年前よりも早い開花です。


酒々井町の酒造家 飯沼本家まがり家では大きなこいのぼりが空を泳いでました。



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