伊藤とし子のひとりごと

佐倉市議会議員4期目
議会、市民ネットワーク千葉県、さくら・市民ネットワークの活動あれこれ、お知らせします

7月16日 ファソン市議会との懇談 

2023-08-21 12:46:59 | 政治
韓国視察3日目の続き。
今回のメインイベントの一つ、ファソン市議会との懇談についてです。
ファソン市の先進的取り組みとして親環境農業と給食、給食の無償化について話を伺いました。

ファソン市議会のキム議長をはじめ経済環境委員長、副委員長他 計5名の議員が参加してくださいました。
さらに、行政側も事務局長と経済環境局長、担当課長をはじめ職員数名と市の幹部職員が参加されたため、
日曜日の午後なのに、会場の配送センターは大変なことになりました。

私たちは今回のメンバー13人中9人が県議、市議、議員経験者という構成です。

ファソン市は100万人都市で、平均年齢が36歳。
驚くとともに、うらやましい。

キム議長のあいさつから
「子どもたちに安心安全な給食を食べさせるために、いくつかの学校から決めてやってきた。
児童センターや保育園にも広げてほしいと議会からも声が上がった。
子どもの食べるものなので、議会も頑張っている、
議会と行政が一致した考え方を持っている。
無償給食の予算はファソン市として440億ウォン、市の補助金は45億ウォン。
慣行農業から親環境農業への移行が増えている。」

経済環境委員長からは
「給食常任委員会で新環境農業の条例を作った。」
「共同発議での条例づくりは、本当に大変だった」

こちら側から「補助金が高くなって大変ではないか」と聞いたところ、
答弁を振られた市の職員から、
「経済的側面を言ってはダメ」との回答が来たことに驚くやら、
更に、行政職員から出た答弁だったのに感激!!
当たり前のように、「いいことは進める」と職員の言葉が返ってきたことに、モラルの高さを実感。

「親環境農業の農産物の値段をどう決めるか?」との問いには、
「価格決定委員会で決定。差額はファソン市が持つ。まだ足りないとは思うが、予算的なものがある。」

最後にキム議長から
「市議会は市民の安全・安心を考えている。
食べ物で安心・安全を実現していく。
未来のための投資と考えたらいいというのが、議員の考えである」

議会も行政サイドも、子どもたちの未来を作るための投資として親環境農業を取り入れていること、
それがすでに当たり前の事になっていることに、私たちも頑張らなければと、決意も新たにしたのでした。


ファソン市議会キム議長。
他の参加議員も女性。
「経済的側面と言ってはダメ」と答えたのも女性職員



視察団代表としてあいさつ。
日曜日にもかかわらず大勢の議員、職員に対応してもらったお礼を述べました。

7月16日 ファソン市視察3日目 メロン農家ときのこ農家を訪問

2023-08-20 10:16:42 | 政治
韓国視察3日目報告。
午前中はメロン農家のペクさんときのこ生産者のパクさんを訪問。

学校給食用にマスクメロン、キュウリ、トマトを納入してい70歳のペクさんは夫婦2人で栽培しています。
マスクメロン作りは5年目。
きっかけは、給食に市販品を使っていると聞いて、取り組みを開始しました。



マスクメロンが給食に出ます。



きれいにマルチングされた畝。
9月収穫苗が蔓を伸ばし始めています。

500坪のビニールハウスで6~7月と9月に収穫できるように作付けします。
連作障害を防ぐためトマト、キュウリも栽培しています。
土には藁をすき込み、肥料は畜糞と胡麻搾りかす、
親環境農業では化学肥料は3分の1までは使用は可です。
補助金は親環境農業用の薬剤には出ます。
果物の補助金は5割、野菜は3割です。

親環境農業のメロンは1kg当たり8500ウォンで、通常のメロンの2倍です。
学校給食用に1日当たり500kg納入しています。





坪当たりの所得は高いのですが、それでも後継者がいません。
京畿道で親環境農業でメロン栽培しているのは30人。
内5人が親環境農業連合会メンバーとなって学校に納めています。

キノコ生産者パクさんは18歳からキノコ栽培始めて50年。
キノコに魅せられて、楽しそうに話してくれました。



LEDに照らされたキノコ。





親環境栽培の学校給食用だけでなく、キノコパッケージ販売、直売も行っています。
市場で2倍の価格で取引されている高額所得者です。
日本で農業研修を受け、中国からも学び、1974年から栽培開始しました。

親環境農業キノコは農薬を使わない培地で育てる必要があるため韓国でのキノコ栽培は難しい、とのこと。
培地の材料はオーガニックのインド製コットンシードの油カス、ウクライナとうもろこしとビートのパルプ、
韓国のポプラのおがくず、などです。



平茸、シメジ、山伏茸や変わったキノコも栽培しています。



まじめにメモメモ

後継者問題は課題で、ベトナムからの人材を育てています。



沢山のお土産をいただき、早速昼食の「部隊鍋」に入れていただきました。
部隊鍋とは朝鮮戦争の時、米軍の残飯を鍋にして食べてしのいだという曰くのある鍋。
現在は、ソーセージなどが主でマカロニサラダまで入った、どちらかというと肉体を使う若い人たちが好む、
カロリーの高そうな鍋で、マッチョな客で満席でした。



ジャンク風の鍋なのに、雑穀のごはんに海苔がかかり、キムチなどのサイドディッシュがお替り可で出てくるところがいいなあ。
何回か韓国を訪問していますが、初めて食べたもので、そこに大量のキノコを投入。
おいしかった。



ラーメンが〆。クロレラ入りの緑の麺を選択。


7月15日 ファソン市無農薬給食視察 親環境農家 梨生産者キムさんとの懇談 

2023-08-13 18:23:58 | 政治
韓国視察では農家の方々と懇談の機会をいただきました。

果物を農薬無しで作ることは、不可能と言われています(日本では)
青森県の木村秋則さんが無農薬でリンゴづくりをして「奇跡のリンゴ」という映画になるくらいです。

梨を作って20年の梨農家 キム・サンウォンさん。
ちょうど私たちが訪問した時は、韓国は梅雨入り。
韓国と秋田県を線状降水帯が降雨被害を起こしていた時でした。
キムさんの梨農場を訪問する予定でしたが、作業場が水に浸かってしまったため、
かないませんでした。

韓国では梨は料理にも使うニーズの高い果物です。
キムさんは、もともとは農家ではなかったとの事。
ファソンで梨作りを1人から始めて、現在は27人。
その内 若い人は12人との事でした。
親環境農業で学校給食に食材を提供すれば、補助金が出ます。
補助金が出ることで、農家の所得が保障され、生活が安定します。
現在、韓国全体では親環境農業の梨農家は70人になっているそうです。

親環境農業での梨栽培にはノウハウがあります。
雑草を残しているのもその一つです。


DVD「希望の給食」キム・サンウォンさんの農場から

また、親環境農業の基準に沿った薬剤があります。
例えばニームオイルのような油です。
昆虫の呼吸は皮膚からなので、油を使うと呼吸できなくなります。
無農薬で栽培する技術を欧米から取り入れ、
技術を伝えながら、新規就農者を育成して増やしてきたとの事でした。

同じことは、私が長年野菜をいただいている佐倉市の有機生産農家 林重孝さんも、
自宅に研修生を受け入れて技術を教えていらっしゃいます。

有機農家は国は違えど同じ哲学で実践している事を実感しました。

7月14日〜17日 韓国ファソン市視察報告 

2023-08-01 09:34:29 | 政治
韓国視察報告 7月14日〜20日。
facebookにはリアルタイムで報告済みですが、備忘録として残します。

14日〜17日はファソン市で親環境農産物(農薬ゼロの農産物)農家と学校給食の現場を。
17日〜20日はソウル市で福祉政策について、意見交換も交え視察をしてきました。

視察団団長は白石孝さん。(昨年9月 DVD「希望の給食」を制作。PARCで販売)
韓国サイドはカン・ネヨンさんがファソン市を、鈴木明さんがソウル市の各所と交渉。
綿密に視察先を組んでくださいました。
いつもながら、内容の濃いものとなりました。

まずは京畿道 ファソン(華城)市。
まず、京畿道はソウル市を取り巻くように位置しています。
ファソン市はソウル市の南に位置し、高速を1時間以上走ったところにあります。
海に面しており、
サムソンの城下町という事で、人口が驚異的に増加中の市です。
人口100万人(2015年の資料には56.5万人とあります)。平均年齢36歳、には驚きました。



親環境農業とは農薬はゼロ、化学肥料3分の1まで使用できる農法です。
学校給食の食材に取り入れ、無償給食とセットで推進してきたため、取り組む農家が増えてきました。

親環境無償給食運動の中心人物 イ・ビンパさん(ファソン市フード統合支援センター 前センター長)から話を聞きました。
きっかけは学校給食の食中毒事件。
保護者だったイ・ビンパさんは
原因の豆腐はどうやって作られ運ばれてくるのか、工場を見に行ったところ、
7時間もかかる田舎の工場から運んできたことがわかりました。

民間委託の学校給食は時々食中毒事件を起こし、不幸な事態を引き起こしていました。
全国のネットワークを立ち上げ、義務教育は無償となるのだから給食も無償にと
給食法の改正と各自治体での条例制定運動をにまでこぎつけた、というからそのバイタリティはすごいものです。



ファソンフード市民ネットワークの皆さんと



今回のファソン視察のコーディネートしていただいた3人さん。
ファソンフード市民ネットワーク常任代表のアン・ヨンジョンさん、通訳のカン・ネヨンさん、白石孝さん



左から3番目がイ・ビンパさん、その隣がファソン市フード委員会のハン・サンヨップ委員長




現在、韓国の学校給食は小・中・高校全部で11,743校の内98%が直営で運営されてます。
2021年現在年間予算は円換算で6500億円。
国が68%、自治体24% との事。

国が学校給食法を改正しながら、無償化、親環境農業にと進めてこれたのは、
キム・デジュン大統領、ノ・ムヒョン大統領、パク・ウォンスン ソウル市長、ムン・ジェイン大統領 の政策によること
を実感しました。

それには保護者の運動の力が大きく働いています。

歓迎の参鶏湯をいただきました。



それもノウタケという茸入り。聞けばマツタケよりも上位の茸とか。美味しかったです。
真夏の暑い時期にサムゲタンを食べます。
日本で言えば土用のウナギのようなものとか。
これは、前回来た時の白石さんから聞いた豆知識。