伊藤とし子のひとりごと

佐倉市議会議員4期目
議会、市民ネットワーク千葉県、さくら・市民ネットワークの活動あれこれ、お知らせします

議会質問から「環境過敏症(香害・化学物質・電磁波過敏症)対策について」

2024-06-28 08:31:52 | 議会
議会質問第2弾 「環境過敏症対策について」です。
化学物質過敏症問題は私が市議1期目から取り組んできたテーマです。
公共施設、学校、街路樹などすべての公有地で農薬、殺虫剤、化学物質を極力使用しない方法での管理(総合防除)を佐倉市は2011年から行ってきました。
各担当課、教育委員会も大変理解があり、今回も手ごたえのある答弁がありました。
・「香り」がなくても柔軟剤等の成分で深刻な被害が出ていることの広報について
・「化学物質過敏症」を「障害者差別解消法」の対象であること
・学校の給食用エプロンは個別対応も可能なこと
・教室に入れない場合、オンライン授業での対応も可能なこと

環境過敏症対策について***************************

1)深刻化する環境過敏症(香害・化学物質・電磁波過敏症)対策について
 香料過敏症、化学物質過敏症、電磁波過敏症、シックハウス症候群を総称して環境過敏症と呼びます。
柔軟剤や抗菌洗剤等で起こる深刻な健康被害が続出しています。
隣家の柔軟剤から化学物質過敏症を発症した体験談です。
マンションでは近隣から洗濯物の香りが充満し、呼吸困難、頭痛、目や鼻の炎症、吐き気など次々に症状が出るようになりました。
化学物質過敏症の症状は徐々にきつくなり、時に命の危険すら感じるほど苦しい症状が出ます。
しかし、マンションの管理組合に申し出ても「わがまま」と片付けられ、非難の的になり、呼吸が苦しいという事実さえ、他人には理解してもらえません。
やっとの思いで引っ越せたものの、ご近所からは柔軟剤や抗菌剤、夜は入浴剤で、多種の香りが流れてきて具合が悪くなります。
当たり前に息ができる日はなく、全身の肌も灼熱間でずきずき痛みます。
現在の柔軟剤や抗菌洗剤類は、キャップ1杯に1億個以上のマイクロカプセルに化学物質を入れて、空中に飛ばす仕組みです。
この徐放技術が格段に進歩したため、どんなに窓を閉め切っていても、隙間から入り込んで、あらゆるものに付着して汚染します。
また、香害問題が周知されるようになり、香りをなくし代わりに除菌・殺菌剤をマイクロカプセルに詰めたものが出回っています。
その被害の方がもっとひどいという体験談も寄せられています。
この環境過敏症の被害者は潜在的に多いと思われ、日本では約930万人いると推察されています。


(日用品で様々な症状が出ることを、患者本人が書いたポスターです。)

質問① 佐倉市として、香害だけでなく、無香料であっても柔軟剤や抗菌洗剤類で重篤な被害が出ていることを周知する必要があると考えます。
「香害 香りがなくても除菌・抗菌剤でも被害が出ています」のような内容の新しいバージョンのポスターや広報などで知らせる必要があります。

健康推進部長答弁
佐倉市におきましては、化学物質過敏症に関する周知のため、香料の使用を控えていただくよう、配慮を求めるポスターを作成し、市内の保育園や幼稚園、小中学校等公共施設に掲示依頼をするとともに、こうほう佐倉やホームページに啓発記事を掲載しております。
また、その内容につきましては、必要に応じて見直しを行ってきたところでございます。
引き続き、香料やその他の化学物質等の影響により、深刻な症状が出る可能性があることについて、周知に努めてまいります

質問② 消費生活センターへも相談が寄せられていると思います。
どのように対応していますか。伺います。

市民部長答弁
消費生活センターは年に数回、においや症状等に関する相談が寄せられており、相談内容に応じまして、全国消費生活情報ネットワークシステムを通じた国民生活センターへの情報提供や医療機関の受診勧奨、NPO法人、化学物質過敏症支援センター等の専門窓口を紹介するなどの対応を行っております。
またあわせて香料に関する配慮を流すポスターを掲示し、環境過敏症の方に対する理解を求める周知も行っています。

質問③ 化学物質過敏症患者や香害被害者などは様々な場面で生きづらさを抱えており、「障害者差別解消法」の対象になります。
茨城県、水戸市、ひたちなか市のHPには、
「化学物質過敏症等でも、それを原因とする心身の機能の障害が生じており、かつ、当該障害及び社会的障壁により継続的に日常生活または社会生活に相当な制限を受ける状態にあると認められる場合は、障害者差別解消法で定める障害者の対象になり得ます。」と明記されています。

合理的配慮がなされるよう、佐倉市でもHPに明記し、周知を図るべきと考えます。見解を伺います。

福祉部長答弁
障害者差別解消法における障害者は、身体障害、知的障害、精神障害による障害手帳をお持ちの方や、難病やその他を原因とする障害により、継続的に日常生活や社会生活に制限を受ける状態にある方とされています。
外見からは分からない、または周囲に伝わりにくい、化学物質過敏症、聴覚障害、心臓や腎臓などの内部障害、発達障害などのある方に対しましても、適切な合理的配慮の提供が行われるよう、ホームページにおいて、市民及び事業者に向けて周知を図ってまいります。

2)学校での対応について
 文科省、環境省、消費者庁、厚労省、経産省の5省庁連名で健康被害を周知する「香害」のポスターを作成しています。
それでも改善とは程遠く、教室内には化学物質が充満し、電子機器が身の回りに存在しているため、子どもたちが体調不良を起こしていることや、起こしていても原因に気づかないで悪化してしまうことが懸念されます。

質問① 昨年8月議会質問で、学校における香害問題を取り上げました。
教育委員会では昨年6月に化学物質過敏症や香りへの配慮が必要な児童生徒に対する対応について、またポスター掲示についても通知をした、とのことでした。
また、白衣の対応も周知していただくとのご答弁がありました。
今年度も引き続き、対応をお願いしたいと思います。

教育長答弁
化学物質過敏症や香りへの配慮につきましては、今後も、国県からの情報提供がありましたら、担当課より、各学校へ周知し、家庭への働きかけを行ってまいります。

質問② これまで申し上げた通り、状況はさらに厳しいものになっております。
驚くことに新品の給食用白衣にはО-157対応制菌加工として除菌・抗菌成分の第4級アンモニウム塩が使われていますが、この第4級アンモニウム塩の毒性が高いとする研究が昨年発表されました。(配布資料裏面番号2)




これまで病院などで使用されていた薬剤ですが、コロナ下で家庭でも大量使用されるようになり、米国などでは健康被害が注目されるようになりました。
子どもが新品の給食用エプロンで具合が悪くなることは十分考えられます。
給食用エプロンにこだわることなく、柔軟な対応が必要です。
学校によっては、各家庭のエプロンで対応しています。
それでよろしいのではないでしょうか。

教育長答弁
給食用白衣の取扱いにつきましては、御家庭より要望がありましたら、各学校において丁寧にお話を伺った上で、個別対応するなど、柔軟な対応に努めているところでございます。

質問③ 香害などの環境過敏症の影響で教室に入れなかったり、不登校の児童生徒を対象に、タブレットを利用してのオンライン授業も可能かと考えます。

教育長答弁
現在、各学校でタブレットを利用したオンライン授業が可能となっております。
香料の影響などで教室に入れないとの御要望があった際には、各学校において、保護者と十分相談をしながら、オンライン授業を含めて、対象の児童生徒にとって、可能な限り適切な環境を提供できるよう努めてまいります。

3)全国調査協力について
新潟県立看護大学の永吉雅人准教授を中心に、子どもの「香害」および環境過敏症状に関する実態調査への協力についてです。
調査目的は、
「近年、世界的に環境過敏症および中枢神経感作症候群と呼ばれる新しい健康障害を訴える人の急増が報告され、小中学校の児童生徒の不登校問題との関連が指摘されています。
また、2005年、2010年、2017年に上越市の全小中学校児童生徒を対象に、化学物質過敏様症状を訴える児童生徒に関する調査を実施した結果(配布資料番号1)、年齢とともに増加傾向があると報告しているが、上越市以外の地域の実態は不明です。



幼少期に環境過敏症を発症した場合は、行動障害・発達障害を合併する率が高いとの報告があり、世界的に環境過敏症問題は早急に社会全体で取り組むべき課題の一つに挙げられています。
これらの健康障害は種々の要因が複雑に絡み合って発症するため、発症要因などは未解明であり、早期の病態解明および発症予防法の確立が急がれています。
本研究の目的は「香害」および環境過敏症の発生予防対策を考えるために、国際共通調査票を用いて、環境過敏症患者、関連疾患患者、および健常者を対象に発症予防対策の提案、診断基準の確立、治療法・予防法の確立などを目指しています。」
との事です。
全国の小中学校を対象とした、各家庭でできる匿名のオンラインアンケート協力の依頼です。
生活するのも困難な状況の陥っている患者さんのためにも、早期に治療方法等の研究が進むことを願い、協力をお願いしたいと思います。見解を伺います。

教育長答弁
学校における化学物質過敏症への対応につきましては、千葉県教育委員会や文部科学省が作成したマニュアルに基づき、ここの状態や重症度に応じた適切な対応が必要であると認識しております。
さらなる取組を進めるに当たりましても、国、県の取組と歩調を合わせて進めることが適切であり、佐倉市教育委員会としましては、国、県の動向を見ながら対応していきたいと考えております。


最新の画像もっと見る