伊藤とし子のひとりごと

佐倉市議会議員4期目
議会、市民ネットワーク千葉県、さくら・市民ネットワークの活動あれこれ、お知らせします

今福島の農業は

2011-08-28 22:34:51 | 放射能問題
8月27日 日本有機農業研究会40周年記念シンポジウムがあった。
「大震災・原発事故を乗り越える有機農業」のテーマで期待しながら参加した。

放射能の影響を新潟大学農学部土壌学教授 野中昌法さんが、
有機農業の生産現場から、福島県二本松市 大内さん、茨城県石岡市 魚住さん、
栃木県野木町 舘野さんからの報告があった。
やはり40年間、有機農業を支えてきた人たちの言葉には、
心を動かされる重みがあった。

食の安全の立場から取り組んでいる「常総生協」、
千葉県三芳村とつながって安全な食べものを会員に届けてきた「安全な食べ物をつくって食べる会」から
生産者を支え日本の農業を守っていく立場から報告、提言があった。

脱原発の活動に長年取り組んできた「京都・使い捨て時代を考える会」の槌田さん、山形高畠町の有機農業者で詩人の星さんからこれからの私たちの目指すべき社会について講演がされた。

私たちが目指してきた安心して暮らせる社会の到達点は、またずっと先になってしまった。
話を聞くうち、この地球上で営々と黙々と自然を相手に生かされている、という事を(1人の消費者であるが)実感した。

中でも、二本松の大石さんの40年間無農薬、無化学肥料で農業を続けてきた努力が一瞬で放射能で破壊された現実。
自殺者までだすほど打ちのめされ、福島県の農家は悲嘆にくれたが、また自然を相手に農作業を復活させている。

そして、肥沃な土中の有機物、土壌微生物、菌類がセシウムがとりこんで、土中に吸着・固定化させるそうだ。
有機農法と慣行農法では10倍も違うと、実際放射能検査した結果からの報告があって、明るい気持ちになった。

福島県でも高汚染地区とその周りとでは取り組み方が違う。
避難区域では、3・11から農地はそのまま放棄されている。
落ち葉、草を集めて除染したり、ナタネやヒマワリを植えて吸収させることが有効だろう。

しかし、すでに耕作している畑から、土をはぎ取ることは、地力をそぐことにもなる。
土を生かしながら、土に聞きながら、耕し、生産し、測定し、手探りでまだまだわからない放射能と植物の関係を探っていくほかない。

3月の原発爆発後、畑の野菜たちが放射能を集めてくれた。
自然に恵まれ、沢の水、落ち葉の堆肥をすきこんだ処ほど、今回ダメージが大きかった。

二本松の大石さんの言葉「牛にも人にも責任がない」と、とつとつと語る言葉に、胸がつまった。

放射能問題で生産者を加害者にしてしまうゴマカシ、
消費者と生産者は原発利権の被害者だと言う事を、
きちんと見抜いていかなければ、また原発が復活してしまう。

原発事故が再度起こったら、日本は全滅だ。

「大野ひろみのクラクラさくら」有機農業に明日はある!放射能との闘いでは具体的に深耕がなぜいいか、詳しく説明しています。