旅してマドモアゼル

Heart of Yogaを人生のコンパスに
ときどき旅、いつでも変わらぬジャニーズ愛

短編集「Loving YOU~It Might Be You~(前編)」

2010-12-09 | 管理人著・短編集(旧・妄想劇場)

ケンカした。


初めて、彼とケンカした。


ううん、違う。
ケンカじゃない。
あれは私の一方的な八つ当たり。
私が勝手に苛々して、無防備な彼に怒りの矛先を向けただけ。

そう、彼は悪くない。
彼は何も悪くなかった。


あの日。

仕事で外を駆け回っていた私は、かなり遅い時間に帰宅した。

化粧直しをして帰るような気持ちの余裕もなくて、その日1日の疲れをべっとりと顔に貼り付けたまま、部屋のドアを開けた。
玄関で靴を脱ぎ捨てた私は、隅にあった見慣れたスニーカーにも、室内に灯りが点いていることにも気づかないほど疲れきっていた。

「おかえり」

きっと、そう、きっと、いつもの私なら、その声を聞いて、笑顔で彼に駆け寄ったはず。

でも、あの日の私は、駆け寄るどころか、彼の姿を見た途端、凍りついたように棒立ちになった。

「なんでいるの?」

私の口から出たのは、嬉しさの欠片もない棘のある言葉だった。
私の口調に、彼が一瞬、戸惑った表情を見せたが、すぐに笑顔で返してきた。

「なんでってなんやねん。ここ来るのに理由いるか?」
「…弟さん、大阪から来てるって言ってたから。だから、しばらく来ないと思ってた」

そう。

君が来るかもって、部屋にいるかもって、わかってたら。
こんなひどい疲れた顔で帰ってきたりしなかったのに。

「そんなん別に関係あらへんやろ。俺は来たなったら来るよ」

いつも私を癒やしてくれる彼の笑顔がそこにある。
でも、今の私はその笑顔に素直に応えられない。
私は彼から顔を背けた。

「おまえ大丈夫か?疲れとんのか?」

私を心配して気遣う声。
その優しさに素直に甘えたい。
でも気持ちとは裏腹に、口をついて出るのは、可愛げのない言葉。

「疲れた顔して帰ってきて悪かったわね」
「悪うないよ。なに怒っとるん?」
「来るなら来るって連絡くらいしたっていいでしょ。ちょっと…無神経すぎない?」

知らず声が尖る。
彼が顔を強ばらせ、何か言いかけて、でも口をつぐんだ。
ぎくしゃくとした沈黙が私たちの間に澱みのように漂う。

「そやな、ゴメンな」

ぽつりとこぼした彼の言葉に胸が痛んだ。
彼が謝らなきゃいけない理由なんて何一つない。
理不尽な怒りを、都合よく目の前にいる彼にぶつけている自分が、嫌で嫌でたまらない。
私の方が謝らなくちゃいけないのに。
いま、たった一言でいい、ゴメンと謝れば…

「帰って」

待って。
私は何を言ってるの?
謝らなくちゃダメじゃん。

「むちゃくちゃ疲れてるの。だからあなたとも話したくないし。帰って。一人っきりにさせてよ」

心にもない酷い言葉が出てくるのを止められない。
ここで涙ひとつでも零れ落ちてくれたら、言葉とは違う私の気持ちが彼に伝わるのに。
心と一緒に涙腺までカサカサに乾いてしまったのだろうか。
泣き出したいほど胸は強く痛んでるのに涙が出ない。

彼は何か言ってただろうか。
私の耳が覚えてるのは、ドアが閉まる硬い音と、その後の恐ろしいほどの静寂だ。

一段と重くなった足を引きずるように、マフラーを取りながら部屋の奥へと向かう。
バッグをダイニングテーブルの椅子に置こうとして、テーブルの上で目が止まった。

ラップのかかった皿が一枚。
冷める前にラップをかけたのか、蒸気で曇っている。
私は何も考えず緩慢な動作でラップをめくった。

それは、後頭部を叩かれたようなショックだった。
目の前のものを呆然と眺めていたら、行方知れずだった記憶のピースが戻ってきた。
私は、最後に彼が残していった言葉を思い出した。

――ご飯、炊いてあるから

普段は料理なんてぜったいしない人なのに。
ゲスト出演した料理番組の時みたいに、慣れない手つきで材料と格闘していたんだ、きっと。

君は何を思いながら、これを作っていたのかな。
出来上がった料理を前に、帰りの遅い私をどんな気持ちで待ってたのかな。

不意に体の奥で堪えていたものが決壊した。
口から嗚咽がもれる。
そして、目から溢れ出した涙が、雨の雫のようにぽたぽたと、冷めきった鯖の味噌煮の上に落ちた。


****************************


翌日からの仕事は、何かの連鎖反応のようにトラブルが立て続けに起きた。

伝票の数字を1桁間違えて提出したり…
クライアントから企画を全面的に変更させられたり…
刷り上がった印刷物の校正ミスが見つかったり…
手配したバンケットの内容が違っていたり…

毎日、東奔西走してやっと仕事を終えた時はいつも深夜を回っていた。

そして、あの日以来、彼からの連絡はまったくない。
そのことも私をひどく落ち込ませた。
この負のループは、いったいいつになったら途切れるんだろう。

そんな中で、やっと迎えた休日に私は正直ホッとした。

冬の澄んだ青空と窓ガラス越しのポカポカした太陽の光が、今日は洗濯日和だと告げていた。
溜まった洗濯物を回している最中に、メールの着信が鳴った。

彼からだった。

彼はいつも電話をかけてくる。
メールより電話。
なのに、久しぶりの連絡がメールだなんて。
嬉しさよりも不安が胸をよぎる。

私と電話で話したくないとか?
それとも電話じゃ話しにくいこと?

ネガティブなことしか頭に浮かばない。
しばらく躊躇してから、私は覚悟を決めてメールを開いた。



∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞



なんとですね、今回は前後編に分かれています
とりあえずの前編、いかがでしたでしょうか?

まあ、ね、男女の付き合いは甘いだけじゃないぞ、と(笑)
お互い好き言うてても、そこはやっぱり他人ですから、衝突一つない方がおかしいと思うんですよ

あとは、甘い話ばかり読んでたら、みんな飽きるんちゃう?少し目先を変えることも必要ちゃうん?と思いまして。

さて、次回、後編につながって完結なわけですけども、この話、いったいどう終わるんでしょうかね

自分としても、こんな後味悪いところで保留にして仙台行きたくないので(笑)、後編は早くアップします。

お楽しみに
(楽しみにしてる方は数えるほどかもしれませんが


断捨離、というブームが来ているようですが

2010-12-09 | ジャニーズ雑記
POTATOさん…

買っちゃいました

Myojoさんとwink upさん以外は買わないように我慢してきたのに…


神がかり的に美しいグラビアの横山さんは、早速に撮って、待ち受けの仲間入り

横山さんが手にしてる花びらになりたい…

そして、アラサーが語る恋愛観は、将来を見据えて、やたらと現実的(笑)

まだまだ先のことなんだろうけど、横山さんには素敵な女性と巡り会ってほしいなあと、思います



いいんです

私は妄想の中で楽しめれば

でも、なかなか妄想で使えそうな写真が見つからない





あ…ウチの人を撮るの忘れてた…

でも、POTATOさんではウチの人から前向き発言が飛び出してました

コヤシゲでツアーやりたいそうです

ファンの皆さんからの声が必要ですたら言ってたけど、私、前からお手紙に書いてるじゃん


あー私一人じゃ力不足なわけですね



皆さま

「コヤシゲでツアーやってください

というメッセージを各所へお寄せくださいませ