りんりんブロ具

更新は不定期です。書きたくなったらぼちぼち書きます。

観点の違い

2006-06-17 | ベジタリアン
今でもはっきり覚えていることがある。
 
もう10年も前になるのだろうか。
まだ日本に住んでいた頃のこと。
 
友人から暑中見舞いがきた。
私はそれを読んで、頭をハンマーで殴られたようにショックを受けたのだった。
そこには、
「毎日毎日暑いのに、うるさく鳴くセミの声を聞くと、うんざりしてしまいます。」
と書かれていたのだった。
 
ショックだったのは、ほぼ同時に私は彼女への暑中見舞いに、
「セミが一生懸命鳴いているのを聞いていると、はかない命の大切さを思い知らされます」
と書いていたからだった。
 
おんなじモノを見ても、こんなに受け取り方が違うのか…
 
なんかエラそーに聞こえるかもしれないが、本当の話。
もうずいぶん前から土地もほとんどがほじくり帰されて、セミもあまり鳴かなくなってきているが、その夏はとても暑く、セミもよく鳴いていた。
だからたまたまお互いセミのことを書いたのだろうが…。
 
でも、感じることは、人それぞれ。
彼女も正しい、私も正しい。
誰も間違ってはいないのだ。
 
 
 
先日、夕食の席で、こどもがうっかり口をすべらせた。
「わたし、日本のおばあちゃん大好き。マーマー(広東語のお祖母ちゃん。父親の母、の意味)はあまり好きじゃない。だって、私は痩せ過ぎだって言うんだもん。牛乳飲めって言うんだもん
 
こどもは、最近は私の影響か、牛乳も飲まなくなっている。
(アイスクリームは大好きだけど
先日、私も一緒にいたが大好きなマーマーからこれを言われて、こどもなりに相当ショックだったらしい。
私はそれは香港人の普通の感覚(子供は丸々太っているのが健康的!)だと思っていたから、何も思わずその場では逆にこどもをたしなめたのだが。
 
このこどもの一言で、普段温厚な夫が、珍しく声を荒げた。
こどもは大泣きで何度も「ごめんなさい。ごめんなさい。マーマー好きです。嫌いなんかじゃない」と謝った。
 
なにかいつもの夫と違うぞ、と詳しく聞いてみたら、なんと彼は数日前に「菜食であること、菜食でこどもを育てること」で義母と意見が食い違い、相当つらい思いをしたらしい。
 
夫にとって、義母はかけがえのない存在だ。
新婚当時、夫に「母は自分にとって一番大切な人だ」と言わしめた義母。
私は心の中で、
 
「新婚時代にそんな事言うか?このマザコン男!
 
と思ったが、その後彼の子供時代の話を聞いたり、実際義母と接しているうちに、本当に女神様のような心の広い彼女に、「それは当たり前だ」と思うようになった。
今や私も義母のことを実の母親のように尊敬し、大切に思っている。
 
そんな彼女が言うことだから、夫も相当つらかったに違いない。
そしてこどもの「マーマー嫌い」の一言が、夫の琴線に触れてしまったのだ。
 
彼女もいつも私達に合わせて、義父母宅での食事の時はいつも菜食のメニューを出してくれるし、心底理解はしてくれていたと思っていたのだが。
でもあからさまに肉を拒否するこどもをいつも見ていて、心の中では寂しいと思っていたに違いない。それで一番心を許せる息子と話をしている時に、彼女も気持ちが爆発してしまったのかもしれない。
なんたって香港は子供のおやつメニューにソーセージだの鶏腿の照り焼きなんぞが当たり前のところだから。
 
義母は彼女なりに孫の健康を思って、肉食や牛乳を飲むことが健康にいいと心から思って言ってくれていることだというのは痛いほどわかる。
でも、私達はそれにはどうしても従えないのだ。すでにこどもでさえ。
私達夫婦も、菜食をすることがいいことだと心から信じているから。じぶんの信念を曲げることはできない。
また、彼らの信念も、曲げることはできないし、するべきではないと思う。
私の実母のように、影響されてかそうでないかは解らないが、自然に肉や海老が食べられなくなってきてくれればそれは嬉しいけど…。
 
自分の子供(孫)のことを思う気持ちは同じ。
でもその方向が違う。
どちらかが変わらない限り、どうやっても交わることはできないのだ。
 
 
 
★ブログランキング★ ←参加しています。今みたら9位でびっくり!
 
 
 
 

最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
観点の違いを気づくのは大切ですね。 (ガルベス)
2006-06-17 21:53:44
はじめまして。ブログ読ませていただきました。観点の違いって本当に大切だけど、みんなそれぞれが正しいのかもって思える気持ちが一番大切ですよね。なんか通じるものを感じたのでもし良かったら協力してください。

 僕たちのブログ(http://ameblo.jp/daityantomoki/)の内容は物々交換で100万円貯めてインドネシアに給食付の小学校を建設するというものです。元手はインテリアメーカーでデザインをしている共同開設者が制作したフリスクケースです。こちらを物々交換の品にしています。もちろんヤフオク( http://page7.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/g44001755 )( http://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/90221641 )でも販売しています。ご協力よろしくお願いします!
返信する
本当はマーマー大好き (ikura)
2006-06-18 06:01:34
だけど嫌いといっちゃったのは言葉が見つからず感情をうまく表現できなかったんですね。牛乳のんでぽちゃっとするともかぎらないですしね。いつかまーまーの方が折れるというと言葉が適切でないかもだけどそうなるような気がします。
返信する
こんにちは。 (buhibuhi4)
2006-06-18 10:13:09
家の子も痩せててよく「もっと食べなよ~」とか「ちゃんと食べさせてる?」とか栄養が偏ってるんじゃないかとか・・・ 旦那様の実家にはあまり行かないのでさほど言われることはないけど、自分の母によく言われます。って言うか(上のお姉ちゃん、小2なんですが)すごく動くしよくしゃべるし、めちゃめちゃ食べるし、よく飲むし・・・ワタシは疲れるぐらいなんだぞっていつも母に言ってるけど毎回会うたびに同じこと言われます。 「だってどんだけ食べても太らないんだもん」と言った娘に逆にワタシが怒れた・・・羨ましい



旦那様も家の旦那様もどこの旦那様も母大事ですよ 男の人っていつまでもマザコンっぽいと思います。・・・ワタシはそれも素敵なことかなって思うけど、すごすぎるのは勘弁です。 違うところから見て、私もいつまでたってもお母さん好きって言われていたいですね

言いたいことがよく分からなくなってしまいました・・・。
返信する
ありがとうございます (りんりん)
2006-06-19 08:43:51
ガルベスさん、いらっしゃいませ!

ブログ読ませていただきました。

↓ここで書きましたが、

http://blog.goo.ne.jp/lin444/e/6d1fa18d3278a784774912bea0a9201b

私の友人も数年前にアフリカに学校を作りました。うちもそこに寄付をさせていただいています。

それから、ワールドビジョンという機構を通じて、スリランカの女の子の「里親」になってます。里親といっても、これは毎月定期的に金銭援助をする、というだけですが。

ガルベスさんの夢がかないますように、心からお祈り申し上げております。



ikuraさん、ありがとうございます。私もそうだったと思うんです。

こどもがそれを言った瞬間、「あちゃー物の言い方がまずいよなぁ…」って思ったんですよ。まだこどもとはいえ、これはきちんと教えていかなくてはと後で説明しました。



buhibuhi4さん、はじめまして!

子供って本当によく動きますもんね。一緒に動いてたらこっちがバテてしまいます。

「だってどんだけ食べても太らないんだもん」私も羨ましい…。そういうセリフを一度でも言ってみたい…。

>私もいつまでたってもお母さん好きって言われていたい

これはほんと、特に男の子のお子さんをお持ちの場合そうじゃないかなあって思います。

だってほとんどの場合いつかはお嫁さんがきますからね…。

これからもどうぞ宜しくお願いします。
返信する