懐かしいような、そして妙に落ち着くような不思議な空間である。
隠れ家的なイタリア料理があるらしい、と聞いてさっそく行ってみた。
入り口がかなり奥まっているので少しわかりにくかったが、
赤い「La Barrique」の看板を目当てにしてようやく玄関にたどり着く。
築60年の純日本家屋を改装して作った店とのことで、
玄関は昭和の頃の家の玄関を思わせる、落ち着いた趣がある。
引き戸を開けて中に入ると、オーナーソムリエ自らが迎えてくれる。
「どうぞ、靴のままで」と言われるが、日本家屋に靴であがるというのは、
ちょっと申し訳ないような、気の引ける思いがする。
洋間のウェイティング・ルームを脇に見て中に入ると、
じゅうたんの敷き詰められた空間に、ゆったりとしつらえた客席が広がる。
以前、住宅として使われていたまま残してある床の間や、
欄間の木彫りなど日本家屋そのままの静かな雰囲気が伝わってくる。
少し時間も遅かったので、すすめられるままにメニューから料理を選べるコースを選ぶ。
ワインは料理に合わせて選びたかったので、数あるイタリアワインの中から、
こちらの希望を述べて適当なワインをいくつか選んでもらう。
いくつかの地方のワインを並べてもらい、それぞれについてかなり詳しく説明していただいて
結局、イタリアの土着品種を使ったという1本を飲むことにした。
メインには、この時期が最後、と言われたエゾ鹿を頼んでみた。
ジビエの時期はかなり過ぎてしまったのでどうか・・・と思ったが、
しっかりと野性味の残る「濃い」味わいに大満足。
また、店から出してもらった、鹿から作ったというコンソメが絶品!
再度、いただきにあがりたいと思った次第である。
イタリア・トリノの一つ星リストランテ「La Ristorante」で働いていたオーナーシェフが
実家を改装して4ヶ月前にオープンしたという
この「Ristorante La Barrique TOKYO」。
2階には個室もあるということなので、落ち着いた雰囲気でゆっくりと食事をしたい日に
ぜひまた訪れてみたい1軒である。
ちなみにアップした写真は前菜のマグロ。
南イタリアで取れるガルム(魚醤)をソースに使っているということで
興味を覚えて撮った一枚。
Ristorante La Barrique TOKYO
文京区水道2-12-2
03-3943-4928
11:30-13:30(L.O.)
18:00-22:00(L.O.)
定休日:水曜日