弓道修行日記

このブログに、弓道修行する中で、学んだこと、考えたこと、試行したこと等を書き残し弓道修行の友とする。

中国高速鉄道事故で国民が鉄道部に怒り狂う背景には・・・中国国民は真の責任者を明らかに

2011-07-30 | 意見発表
【第63回】 2011年7月28日 莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
ダイアモンドオンライン
中国高速鉄道事故で国民が鉄道部に怒り狂う背景には、これだけの伏線がある

「起こるべくして起きた中国版新幹線事件だと思う。日本をはじめ世界の高速鉄道の技術と管理に、中国はもっと謙虚に学ぶべきです」。

 これは中国版新幹線が衝突事故を起こした第一報を受けてから、私がフェイスブックに書きこんだ言葉である。

 実は、中国の高速鉄道の安全問題に対して、中国でも多くの人が不安を抱いている。私もその一人である。7月16日、私がNHKの番組「週刊ニュース深読み」に出演した時、「中国の高速鉄道の安全性は?」と聞かれ、スタートしたばかりの中国の高速鉄道だが、その安全性はこれから検証されなければならない、ソフトの面はまだまだだと答えた。

 なぜこのようにコメントをしたのかというと、心のどこかでやはり中国の高速鉄道に対して不安をもっていたからだ。 
中国の中央官庁の中でも鉄道部(部は日本の省に相当する)は一番体質が古い。実は2008年、中国政府が中央官庁の合併・縮小を検討していた頃、現在の鉄道部をなくして、交通、鉄道、航空、自動車道、水運、郵政を統括する主管官庁の大交通部案が議論されていた。しかし、半軍事化した存在の鉄道部が激しい抵抗を見せ、この大交通部案はつい日の目を見ずに終わった。

 米国でも、日本でも、航空、鉄道、自動車道、水運などを管轄する中央官庁は同じところなのに、米国や日本の政府機構をよく研究した中国はいまだに鉄道部を独立した中央官庁にしている。これまでも中国政府は鉄道部の吸収合併を数度試みていた。1970年7月、交通部、鉄道部と郵便・電信を管轄する郵電部の郵政ブロックを合併して統一した交通部を設立したが、4年あまり経った1975年1月に、その行政改革が失敗に終わり、交通部と鉄道部はまた分かれ、郵政ブロックも分離され、郵電部となった。

 1980年代末にもう一度鉄道部の吸収合併を議論したが、それも失敗に終わった。

 巨額の予算を使え、公安警察までもつ同部は、中国では「鉄老大(中国読み:ティエラオダー)」と呼ばれる。ちなみに黒社会の組織の頭が「黒老大」と呼ばれるのを考えると、鉄道部の存在が中国でどんなに特異なものなのかをご理解いただけると思う。

 今回の中国版新幹線の追突事故に中国の国民が激怒した理由は、事故の処理に見られる鉄道部の人命軽視の専横な振る舞いだけに向けたものではない。普段からの鉄道部に対する不満が触発され、火山のように爆発したのである

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鉄道部のこうした行動には、日本の311原発事故が発生した後、東電が見せた隠ぺい体質と「原子力村」と呼ばれる産官学からなる利権集団の行動パターンに似通ったものがあったが、ただその特徴はより乱暴的で、より赤裸々で、より貪欲なものだといえるだろう。その意味では、中国に「鉄道村」のような利権集団が存在していると思ってもおかしくない。
 中国のメディアの報道によれば、北京~天津の高速鉄道の建設予算は123.4億元(1元=約12円)だったが、実際は215億元もかかった。広州南駅の建設コストも十数億元だった最初の予算から10倍の148億元になった。しかも、プロジェクトというプロジェクトが予算を大幅にオーバーしている。なぜそこまで予算をオーバーしたのかというと、鉄道部の高官をメインとするその「鉄道村」の構成メンバーがこれらのプロジェクトからいろいろな手段を講じて不法所得やわいろ金を貪ったからだ

 今年の2月に、鉄道村の最頂点に立つ鉄道部長(大臣)の劉志軍が汚職で解任された。汚職で得た金額は10億元にのぼると言われている。その金額を聞いて、死刑は免れないだろうと人々がささやいている。劉志軍の逮捕により、部下の局長クラスの幹部も数名失脚した。

 新しい鉄道部部長になった盛光祖氏はもともと鉄道部の副部長(次官)だった。2001年、中国税関総署の副署長に異動したが、劉志軍の後任として古巣の鉄道部に返り咲き、赴任早々、350キロで走っていた高速鉄道の速度を300キロに落とした。その意味では、大躍進を好む前任の路線を修正し始めた。同時に、安全への重視を呼び掛けた。しかし、時すでに遅し。今度の事故は、中国の高速鉄道のあり方に大きく警鐘を鳴らした。

 中国向けの私のコラムとブログで、「中国の高速鉄道が、安全かつ正確で迅速な日本の新幹線に謙虚に学ぶべきだ」と書いた。別に日本を持ち上げるためのリップサービスではなく、たとえ日本嫌いだとしても、半世紀近くも安全に新幹線を運行してきたこの実績にはやはり謙虚に目を向けるべきだと思う。

 高速鉄道の分野においては、中国はまだよちよち歩きの赤ちゃんのようなもので、日本やフランス、ドイツなどは中国の遥か先を走っている大先輩である。こうした先輩たちに謙虚に学ぼうという姿勢をやはり中国の高速鉄道にはもってもらいたい。謙虚に学び、懸命に努力していけば、ひょっとしたらある時点でこうした高速鉄道の先輩国に肩を並べることができる日が訪れるかもしれない。

 ただ、一つ言えるのは、中国の国民はあの専横な鉄道部の存在をもうこれ以上認めなくなるだろう。監督官庁としての鉄道部と、監督対象である鉄道事業を運営する企業としての鉄道部をやはり早く分離させるべきだ。どんなに早くて先進的な交通システムであっても、人間の命を預かっている以上、その第一条件は安全であることだ。今度の事故を通して、鉄道部も、中国政府も、多くの関連企業もそのことを大きく反省して、その教訓を肝に銘じるべきである。


1.劉志軍は早く辞めていれば死刑になることもなかったろうに劉志軍は貪ったな。
2.共産党より鉄道部の方が上なのでしょうか?
3.でも劉志軍が首にされた。その責任者は共産党だったと言うべきです。
4.いまは国民の怒りを鉄道省に向けていますが、中国国民は真の責任者を、明らかにすべきである。
5.中国国民の皆さん、建設費は10倍になっているものもあります。その資金はだれが負担するのでしょう。乗車料金となって国民負担ですが、お客は乗っているのでしょうか、黒字ですか、もし、赤字となれば・・・・それは中国国民の負担ですね・・・事故の補償料わずかの間に2倍近くに・・・、もっと粘れば3倍になるかもね。外人さんが妥結するまで待った方が良いですよ。

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