弓道修行日記

このブログに、弓道修行する中で、学んだこと、考えたこと、試行したこと等を書き残し弓道修行の友とする。

「尖閣危機」中国の挑発に踊らされるなー国際世論を味方に、先に手を出さず、備えは怠らず

2013-01-24 | 意見発表

「尖閣危機」中国の挑発に踊らされるな

(2013年1月24日 読売新聞)

調査研究本部主任研究員 勝股秀通

 「目も耳も心も、大きくひらいて世界を見なさい」――。

 先ごろ、テレビで放送された映画「山本五十六」(2011年12月公開作品)で、連合艦隊司令長官の山本が、若い新聞記者に向かってそう諭す場面があった。戦争はマスコミが先導した、という一面を描いた映画でもあるが、「尖閣危機」という中国の脅威に直面する今、新聞やテレビが果たす役割と責任は極めて大きい。

国際世論を味方にすること

 尖閣諸島を巡って、日本も中国も国際世論を味方にすることが何よりも重要だ。とりわけ、自国領と主張する根拠に乏しい中国にとって、それは喫緊の課題に違いない。だからこそ、領海にとどまらず領空まで侵犯し、日本に対する挑発を次第にエスカレートさせているのだ。彼らが虎視眈々と狙っているのは、そうした挑発に乗って日本が勇み足する時だ。日本の失策を「いまか、いまか」と待ち望んでいるといっていい。

 例えば、ある新聞に『政府が警告射撃を検討』というような記事が載った翌日、中国は"待ってました"とばかりに、多くの戦闘機を日本の防空識別圏の内側にまで飛行させてきた。日本の怒りを増幅させて1日も早く警告射撃させるためだ。間違いなくこれから何度も繰り返されるだろう。

先に手を出してはいけない

 主権国家として、領空を侵犯されれば、信号弾などを使って警告射撃することは当然の権利だが、防空識別圏の中に入ってきただけでは、そこは公海の上空であり、決して先に手を出してはいけない。手を出した瞬間に、中国は「我々は行動を抑制しているのに、先に軍事行動したのは日本だ」と、得意の世論戦で国際社会にアピールするのは明らかだ。中国はそれを主張したいがために、挑発しても自ら先に手を出す愚は犯さないはずだ。

 腹立たしい限りだが、中国が次々と仕掛けてくるわなに陥ってはならない。今は「忍」一字ではないが、彼らの執拗な挑発に踊らされず、じっと我慢する時だ。マスコミはもとより責任ある政治家は、そのことをきちんと認識しなければならない。海では海上保安庁が、そして空では航空自衛隊が、淡々と警戒行動を繰り返すだけだ。

備えは怠らず

 もちろん、日中が衝突する事態への備えだけは決して怠ってはならない現行法には様々な制約と欠陥があり、領土や領海、領空を守り抜くために必要な法整備は急がなければならない。と同時に、自衛隊と海保、警察が組織の垣根を越えて、すきのない防衛警備態勢を構築し、訓練に取り組む必要がある。今はその備えを充実させる時だ。

 われわれにとって、勇ましさのほかに伝えるべきことは山ほどある。


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