吉村京花☆歌う門には福来る

Jazz, Bossa Nova, Sambaを愛するシンガー、吉村京花のブログです。

近江八幡の旅 その2

2023年06月28日 | 紀行
その1からつづく。
八幡山のロープウェイを降りたところで
午前中に資料館で見た「長命寺参詣曼荼羅」の記憶がふとよぎりました。
長命寺(ちょうめいじ)は、西国31番札所でかの聖徳太子が命名したとされる名刹。
その名のとおり、参拝すると長生きするという言い伝えがあるそう。
戦国時代に荒廃した寺社が、平和な江戸時代になると札所の巡礼が人気となり、
各お寺が復興を目当てに観光案内図的な曼荼羅を制作し、
それを携えて各地を回って参詣や寄付を呼び掛けていたそうです。
展示されていた「長命寺参詣曼荼羅」に描かれた
参詣する人々の様子がとても生き生きして楽しそうだったので
強く印象に残っていたのです。

はて、ここから行けるのか?
と思い立ち、近くのバス停の時刻表を見るとなんと
ちょうどいい具合に「長命寺行」
があるではないですか。
これは「行けぃ!!」というお告げだな
なんて勝手に解釈して、バスに乗ってみました。

といってもよく調べもせずに出来心で乗ったバス。
標高330mほどの長命山の中腹に建てられた伽藍まで
808段の石段を登らなければならないということは、
バスの中で検索してわかったことでした。
何と言う行き当たりばったり旅(笑)
終点は琵琶湖のほとり。
なんと気持ち良いことか。


到着した時点ですでに16時40分くらい。
入り口の看板には17時閉門と書かれている。
あちゃ~、甘かった!
どう考えても20分以内に808段の石段を登り切るのは無理。
でも、ここまで来たからには行けるところまで行ってみるか
と石段を登り始める。
といっても一段の高さが通常よりかなりあるうえに
段の面がデコボコで、滑りにくそうなところを選びながらの
思った以上の難所。


それでも150段くらいは登ったでしょうか?
ちょっとした踊り場に着いたところで休憩。
今回はここで諦めて降りる踏ん切りをつけました。
しばし踊り場で森の音に耳を澄ますと、
鶯の声、風にざわめく葉擦れ。
自然の音と空気に身体の芯から洗われる思いでした。
その体験だけでも来た価値があったと思います。

下りは滑らないように気を付けながら
一段一段降りて行くと
だんだん膝ががくがくに……

てなわけで長命寺詣では次回のおあずけとなりました。
この石段を登り切るのは熱中症リスク高いので、
真夏はやめておいたほうがよさそう。
秋以降タイミング見てだな。

帰りのバスを待つ間、琵琶湖にそった道を少し歩き
湖岸からの眺めを楽しむ。
夕陽に映えるシラサギが美しい。
波の音にも癒される。
やはり来てよかった。


バス停に着くと
出発待機中の運転手さんが
ベンチでタバコを吸っていました。

「もうすぐ出発しますんで、乗って待っとってくださいね」
とバリバリの関西弁で親し気に声をかけてくれます。
その気さくさに誘われて、こちらもつい
「いや~下調べもせずにここまで来ちゃって、
結局途中で諦めて帰って来たんですよ~。
でも琵琶湖が近くで見れてよかったです」

というやりとりを皮切りに、なんか初対面とは思えないほど、
会話がはずんでしまって
最前列座席にご案内され、
出発してからもずっと楽しい会話が続きます。
次のバス停で買い物カートを押したおばあさんが待っているのが見えると
「ちょっと待っとってな。おばあが乗るの手伝うけな」
と言って運転席から乗り口へ行き、お婆さんが乗り込むのを手伝う。
常連客のようです。
「おばあ、どこまで行くんか?」と行先を聞いて、
まるで乗り合いタクシー。

運転手さんがノリテツだってこととか
奥さんがディズニー好きだからよく東京には自家用車で出かけてるとか
いろんな場所を旅した話とか
私が山口県出身だと話すと、「ガードレールがオレンジ色なのはなんでなん?」
とさすが目の付け所が運転手さんって質問が飛んできたりと、
途切れることなく、ずっと楽しいおしゃべり。
途中で下校時の高校生集団が乗車してきたけど
きっちり仕事しながら、うまいこと雰囲気を壊さない会話術。
いや~プロやな~と思いました。

2週間ほどまえに、伊勢でチャーターした観光タクシーの運転手さんも
さすがだったけど、今回は路線バスで予期せぬ出会い。
ここのところ運転手さん運がついてますな。

駅前でバスを降りてから、運転手さんに教えてもらった
有名な和洋菓子の「たねや」さんの本店まで
歩いて4~5分だったので行ってみて、商品を物色。
コインロッカーに預けた荷物を回収してホテルに向かっていると
ちょうど車庫から出てきたバスとすれ違った瞬間
そのバスが止まって「お~い」との声。
先ほどの運転手さんだ。
こんな偶然ある?
最近、面白い偶然が重なることが多くて
ちょっと怖くなるほどでした。

夜は「ひさご寿し」で。
地元酒蔵の純米吟醸「権座」と「ちらし膳」を。
琵琶ます、赤こんにゃく、丁字麩など地元の食材を使った品々が
酒の肴にぴったり、かつリーズナブルで大満足でした。

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近江八幡の旅 その1

2023年06月26日 | 紀行
少々前のことになりますが、
ゴールデンウイークに羽を伸ばした思い出をつづります。

5月3日に富田ジャズストリートと高槻ジャズストリートに出演するので
せっかくなら行きたかった近隣の土地を訪れようってことで
4月30日のことですが、まずは滋賀県近江八幡市にやって来ました。

近江八幡は琵琶湖とつながる水運の要ゆえ
古くから栄えた近江商人の街として知られています。
江戸時代の風情を残す有名な八幡堀は
たびたび時代劇の撮影地となっています。
わが推しの伊藤健太郎くんがゲスト出演した
必殺仕事人2019でも登場しました。
てなわけで、ロケ地巡礼も兼ねての旅でございます。

早朝、東京を出発して10時ごろに到着。
まずこの街の歴史を知ろうと路線バスで市立資料館へ。

第一印象、道が真っ直ぐ!!
資料館のある新町通りは歴史的景観が保存されていて、
さながらタイムスリップしたよう。
このような景観を保存するにも相当なご苦労があることと思います。



ざっくりとした街の歴史はこう。

1582年、本能寺の変で命を落とした織田信長の居城だった安土城が
信長の死後ほどなくして焼失し、
時の天下人、豊臣秀吉が、
安土城からすぐ近くのこの地に城を築くよう甥の豊臣秀次に命じ、
1585年築城とともに城下町が開かれました。
その後、秀次は不運にも秀吉から疎まれ自害することになりますが、
秀次亡き後は水運の要衝である立地条件を生かして
商業都市として発展しました。

ということを今回初めて知った、遅れて来た歴史かじり虫です。
道が真っ直ぐなのも、城下町として開かれた際に
碁盤の目状に道路が整備されたからなのですね。

八幡堀を掘削した際に出た残土は、
もともと湿地であった街の西側の埋め立てに使われたことや、
飲むのに適した水が手に入らなかった西側に水を供給するために、
地下に竹筒が埋め込まれた「古式水道」が整備されていたことなど、
とても興味深い展示を見ることができました。


資料館の中庭にあるカフェでランチ。
地元食材を使った煮込みハンバーグ。
美味でした。


食後は徒歩で八幡堀へ。


かつて近江商人の物資輸送を支えた堀は全長約5Kmに及び、
堀端には江戸時代かと錯覚する景観が広がっています。
ドラマでは、健太郎くん演じる実直な商人の弥吉さんが
悪徳商人の上総屋清右ヱ門(西田敏行さん)にそそのかされて豹変。
武家の娘との結婚を勧められ、
将来を誓い合ったおたねちゃん(飯豊まりえさん)を
亡き者にしようとする場面で登場します。

事前確認不足で
ドラマに使われたのがどこのスポットか特定はできませんでした。
それでも、堀沿いに散策するだけで
日頃の垢を落としたような気分。
すっかり癒されました。

散策のあとは、八幡堀から近い日牟禮八幡宮(ひむれはちまんぐう)に参拝。
近江八幡の地名の由来ともなり、2世紀に創建された由緒ある神社だそう。
毎年3月に行われる華やかな左義長祭(さぎちょうまつり)が有名で、
織田信長も自ら参加したという記録があるそうです。


日牟禮八幡宮の背後にそびえる八幡山を上るロープウェイで山頂へ。
ロープウェイからは街が一望できて壮観。
やっぱり道が真っ直ぐなのがよくわかります。


頂上に到着すると、反対側に琵琶湖を臨めます。


琵琶湖の名前の由来は楽器の琵琶に形が似ているからとも、
さざ波の音が琵琶の音色に似ているからとも言われます。
八幡山頂上からの目視では、そこまではっきり形がわかるとも言い切れない?
でも航空写真もGPSもない昔むかしに、
きっとどこか高い所から見た人がいたんだろうな?
なんて想像も膨らみます。

これは西の湖

ネコもいる


戦国時代には山頂に豊臣秀次(秀吉の甥)が築城した八幡山城がありました。

眼下の美しい風景を堪能しながら
ロープウェイで下山しました。
続きはのちほど。
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8月のライブ情報

2023年06月10日 | ライブ情報
●8月10日(木) 栃木 増茂米店
Open 18:00 Live start 19:00
チャージ 予約 2,000円 当日2,500円(+税)
出演:フォッサマグナ 清水貴和子(piano, vocal) 吉村京花(vocal, percussion)
場所:CAFE & LIVE MUSIC増茂米店
https://www.mashimo-kometen.com/
栃木県栃木市柳橋町2−13
Tel: 090-8058-2819
中目黒楽屋のオーナー増茂さんのご実家の米店がカフェ&ライブスペースにリニューアルしました。舌に美味しいご飯と耳に美味しい音楽で素敵な時間を提供します。

●8月12日(土)南千住Cafe Tepui
Live Start  19:00~ 
チャージ: 投げ銭
出演:フォッサマグナ 清水貴和子(P, Vo.) 吉村京花(Vo.)
場所:Cafe Tepui
https://www.facebook.com/pages/cafe-Tepui/248857101813889
東京都 台東区日本堤2-30-7
ピザが美味しい、気楽に長居できるバー。
毎回、和気あいあいと楽しい時間になる不思議な空間です。
音楽のパワーで夏バテも解消!!


日曜昼だよ!! 歌って笑って健康増進!!
●8月20日(日)水道橋 東京俱楽部
Open 12:30 Live start 13:00(2回ステージ入れ替えなし14:30終了)
チャージ 予約:3,000円+税(1ドリンク付き)
当日:3,300円+税(ドリンク別)
出演:出演:フォッサマグナ 清水貴和子(P, Vo.) 吉村京花(Vo.)
場所:東京俱楽部 水道橋店
東京都千代田区神田駿河台2-11-16 さいかち坂ビル地下1階
TEL: 03-3293-6056
https://tokyo-club.com/about/
フォッサマグナと過ごす日曜昼。ランチがてら音楽で活力を。
予約がお得です! お店のHPにて、ぜひお早めにご予約を!

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