やさしい芸術論

冬が来たなら、春はそう遠くない

「愛は藍色」

2021年06月14日 | 小曽根俊子

小曽根俊子さんはとても素晴らしい詩人です。

 

小曽根さんは重度の脳性麻痺により、

両手両足が不自由で、言語障害もありました。

 

全国の障害を持つ方たちが詩を書き、

その詩を曲にして歌う「全国わたぼうし音楽祭」というイベントがあり、

小曽根さんは「第五回全国わたぼうし音楽祭」で

わたぼうし大賞という賞を受賞されています。

 

小曽根さんは、障害の苦しみから自殺未遂をしたり

絶望状態となりますが、

詩を書く事で、自分自身を表現し、芸術に触れることで

こころが救われていきます。

 

やなせたかしさんが編集長を務めた「詩とメルヘン」という雑誌にて

度々取り上げられ、雑誌内にて小曽根俊子さんを以下のように賞賛しています。

 

「心の中で鐘が鳴り響き言葉を失った。」

 

「絶望の隣は希望です」というやなせさんの詩がありますが、

小曽根さんはまさに、絶望の淵に立たされながら、

詩を書くことで、詩を読む人に希望を与えている人だと思います。

 

人生とは何か、生きる意味はなんなのか。

小曽根俊子さんは多くの人に、いのちについて伝えています。

 

「愛は藍色」の詩の特に4番が素晴らしいです。

障害により歪んでしまった体と、歪んだ文字を重ねています。

 

 

「愛は藍色」(1番と2番と4番)

1.

星は夜空を飾ります

海は生命を育てます

夢は未来を築きます

愛は愛から生まれます

 

2.
鳥みれば鳥になりたいわたしです

魚みれば魚になりたいわたしです

花みれば花になりたいわたしです

天よ 地よ 教えてください

わたしは何をするために

この世に生をうけたのですか

 

4.
息をいっぱいすいこんで

愛という字を書きました

墨をいっぱいふくませた

筆を握って書きました

すべての音が消えました

すべての事を忘れました

ふるえてゆがんだひと文字は

精一杯のわたしです

今 あることのしるしです

 

 

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