やさしい芸術論

冬が来たなら、春はそう遠くない

3月29日

2021年04月29日 | つぶやき

春の

穏やかな

やわらかい風にふかれて

桜は嬉しそうに揺れて

花びらがひらひらと静かに散っていく

 

公園のベンチに座って

子どもたちの遊ぶ声や

お年寄りが桜を眺めている顔が

あたたかい日を浴びている様子を見た時

ただただ平和で幸福な風景が目に映り

ニュースで流れる悪い事件や

生老病死の苦も

少しの間、頭から遠ざかって

この短い春が現実なのか

それとも長く感じた冬が現実なのか

はっきりしない

 

桜を見てふと思った

こんなに綺麗であれば一年中咲いていればいいのに、と

何故、桜はすぐに散ってしまうのか

何故、幸せはすぐに思い出に変わってしまうのか

 

春の風がぼくのこころに向かって吹いてきて

何とも言えないやさしい気持ちが伝わってきた

空っぽな、諸行無常なぼくの足に

一匹のアリが登ってきた

桜の花びらが一枚、ぼくの服にふんわり留まった

 

こういう一日を美しい一日と言うのだろう

桜の花びらが風に吹かれて散っていく様子を見て

人の一生を感じた

 

 

 


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