やさしい芸術論

冬が来たなら、春はそう遠くない

美しい一瞬はいつまでも続く

2021年01月15日 | 邦楽

小沢健二さんはシンガーソングライターであり、

東大出身のインテリで、世界の小澤征爾を親戚に持ちます。

 

小沢健二さんが書いた名曲「さよならなんて云えないよ」の

歌詞に注目したいと思います。

 

「さよならなんて云えないよ」(歌詞抜粋)

 

青い空が輝く 太陽と海のあいだ

”オッケーよ”なんて強がりばかりの君をみているよ

サクソフォーンの響く教会通りの坂降りながら

 

美しさ Oh baby ポケットの中で魔法をかけて

心から Oh baby 優しさだけがあふれてくるね

くだらないことばっかみんな喋りあい

嫌になるほど続く教会通りの坂降りて行く

 

日なたで眠る猫が 背中丸めて並ぶよ

”オッケーよ”なんて強がりばかりをぼくも言いながら

本当は思ってる 心にいつか安らぐ時は来るか?と

 

左へカーブを曲がると 光る海が見えてくる

僕は思う!この瞬間は続くと!いつまでも

 

 

この曲はマイケルジャクソンのようなイントロで始まりますが、

何といっても、人生を歌っているこの歌詞がいいです。

 

特にタモリさんもお気に入りな歌詞がこちら。

 

「左へカーブを曲がると 光る海が見えてくる

 僕は思う!この瞬間は続くと!いつまでも」

 

この部分についてタモリさんは、次のような事を述べています。

 

「カーブを曲がって、光る海が見えてきて、

すごいきれいな風景だね、と普通の人は書くけれど

「この瞬間は永遠に続く」と書く事がすごい。」

 

 

ここからはぼくの解釈ですが、

例えば子供の頃の何でもない一日を

大人になっても覚えている事があります。

 

家の中で、家族と一緒に楽しく話した事とか、

旅行へ行って、楽しくて、その時の風景を覚えてる事があります。

もしくは、人生の大変な時に助けてもらった時や、

自分がいいなと感じた一瞬の場面などなど。

 

その時は一瞬で、過ぎてしまえば過去の思い出となります。

 

しかし、ふと、頭の中でその光景を思い返すと

頭の中でその時の感動が再現される訳です。

 

子供の頃の家族で楽しく食事した時などを思い返すと、

しみじみと、今でもその時に戻ったように、

その時の感動がよみがえってきます。

 

つまり、自分のこころに刻まれた美しい一瞬は、

記憶に刻まれている以上は、いつでも思い返す事が出来、

いつまでも続いている事になります。

 

ドイツの哲学者ショーペンハウアーは次の言葉を残しています。

 

「永遠は一瞬の中にある」

 

ショーペンハウアーも小沢健二さんのような考えを

持っていたのかも知れません。

 

「左へカーブを曲がると 光る海が見えてくる

 僕は思う!この瞬間は続くと!いつまでも」

 

この歌詞を書いた小沢さんは、

光る海が見えた瞬間の、その美しい風景や、

風景を見れた喜びがこころに刻まれて

永遠に続いていくんだ!と思われたのかもしれません。

 

とてもロマン的で、子供のような純粋さが

とても人間らしいなと感じました。

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