黒猫亭日乗

題名は横溝氏の「黒猫亭事件」と永井荷風氏の「断腸亭日乗」から拝借しました。尚掲示板が本宅にあります。コメント等はそちらへ

ナイチンゲールの沈黙

2010年11月05日 | 本のページ
著者・海堂尊
評価・☆☆☆

バチスタシリーズ二作目、ナイチンゲールの沈黙である。これも「バチスタ」と同様テレビドラマの視聴が先であるが、2時間くらいのスペシャルだったせいもあって、仔細を覚えていないのが幸いした気がする。モウロクもまた楽しからずや。
しかしながら、これだけ中身を変えられていればむしろ気持ちよささえ感じるものである。それほどドラマと原作とでは違いがある。なじみの無い仏教用語「がりょうびんが」なんて言葉をすっとばしてくれたのは、個人的には歓迎する。
ドラマを見る限り「ナイチンゲール」は看護師をさすものだとばかり思っていたのだが、全く違う、もっと深い意味があったのである。しかしながら、これはいかにも文学的な表現作品であって、素直に映像化するのは難しかったのだろうな、と推測される。
今回も決め手になるのはAI(死亡時画像病理診断)となる。どの事件も死亡者が出たら一応AIだけは取っておく必要があるのではないだろうか、と素人ながら思った。事故・自殺で片付けられてしまった殺人事件が沢山埋まっているのではなかろうかと感じるものである。
ただし、作品としては「バチスタ」に比べてパンチが少ないのは確か。どんなにドラマと違ってるんだろうという興味のある方はぜひご一読を。



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