黒猫亭日乗

題名は横溝氏の「黒猫亭事件」と永井荷風氏の「断腸亭日乗」から拝借しました。尚掲示板が本宅にあります。コメント等はそちらへ

スクラップ・アンド・ビルド

2015年08月17日 | 本のページ
著者:羽田 圭介

評価:☆☆

本年のもう一つの芥川賞受賞作である。火花よりは読みやすかったので少し安心した。火花の影に隠れて少しお気の毒だが、こちらとて新進気鋭の作家さんが介護を軸にとりあげた意欲作である。
介護といえば、身につまされる話の筈なのだが、息苦しさはあまり無い。しかしながらそんなに響きもしなかったのは何故だろう。介護って、もっとシンドイ。もう少し陰惨だったほうが、感情移入できたかもしれない。スクラップしきれてなく、そしてビルドしきれてもいない。健斗のめざしたどれもが中途半端のまま不安感という余韻を残して物語は終わる。

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