世間では多くの嘘がはびこっている。真実と同じ数だけの嘘が。いや、それ以上かも知れない。
嘘が嘘を生む。
僕もうそををつく。 最後に嘘をついたのは何時の頃だったか。
そう、昨日の事だ。
昨日の朝、彼女と一緒にいる時、
一晩彼女と過した翌朝。
二人とロッタで散歩している時にだ。
「ねー、私との、これから先の事、考えている?」
「先の事って、どう言う事、もしかして...。」と僕
「私を愛してる?」
「もちろんだよ、君がロッタを好きなくらい、君を大好きだし、愛している。」
「今、直ぐじゃないけど 私と結婚したい?」
「直ぐじゃないけどね、もっとさきにならね、結婚したい。」
「こどもは?」
「勿論欲しいよ」
「何人、?」
「2人。」
「男の子が先で次は女の子。」
「ほんとうに?」と彼女は嬉しそうに言いながら、ロッタの頭を優しく撫でた。
しばらく歩いて、彼女はほほえみながら僕の方に振り返り
「大嘘つき」と彼女は大きな声で言った。
彼女は勘違いしている。
僕は一つだけしか嘘をつかなかっただけだ。