kuronekojijiのねじまき鳥閑話「 日々平安是好日」

愛犬ロッタ、猫jiji、趣味 等をモチーフにショート.ショートを書きます。世界のねじを「ぎーぎー」とまきながら・・

「世界のおわりと」-2のつづき

2007-01-20 19:53:37 | 「日々平安是好日」
ロッタには何が起きたのか.訳が分からなかった。
ロッタの今まで2年足らずの経験にはまったく無かった事だった。
気を失うことすら無かったのだから。
それが今自分の身に起こった事を分かれという方が無理なはずだ。
それでも、ヨシ君がそばに居てくれることで、嬉かったにちがいがない。

「世界の終わりと」ー2

2007-01-18 21:17:21 | 「日々平安是好日」
 気が付くとそこは真っ暗闇の中。
両手を自分の顔に近づけようとして動かした。右肩が痛いたかった。
 落ちた時に、・・・・・。
 たぶん、落ちたのだろう。幾分浮遊感を伴いながら底に到達した感じがした。
今でも何か底に接した尻や足がふわふわしているように感じられる。
 両足首も動かすと痛かったが何とか、立ち上れそうだ。
他に怪我は無いようだ。右肩と足首は落下中に壁にぶつけたのだろう。
僕は暫らく、じっと、そこに座っていた。
僕はここが何処なのか、分からない。
確か、ロッタと散歩をしていて土手の上を歩いていた。
僕が土手の草むらで、おもわず、大きなくしゃみをしたと同時に穴に落ちたらしい。
見上げても遥か上のほうに満月のような青い空が見えるだけだ。
やっぱり、あそこから落ちたのか。 
 空の明るさは分かるけれど、ここまでは光が届かないようで、自分の手を目の前に持っていっても良く見えない。本当の暗闇だ。
ロッタはどうしたのだろう。
落ちたのは僕一人だったのか。
ここは深い井戸の中だろうか。
 でも、何時もここの場所、土手を歩いていて、人が落ちるほどの穴が在ろうとは、どうしても思えなかった。もしあったとしても、危険個所として、柵ぐらい有ったはずだ。
 ここは何処だろう。ここから出られるのか不安が僕の内側から徐々に膨らんでいく。
それと同じくして恐怖が襲ってくる。
それでも、何かどこか、楽観している自分がいる事が分かる.
ロッタ、ロッタは何処だ。
 「ロッタ」と声を出して呼んでみる。
ロッタさえ、居ればと、両手を徐々に這わせる。見えない暗闇の中ロッタの体を探し出すのだ。
 「居た。」ロッタの毛だ。毛が指先に触れたのだ.
 「ロッタ。」
 「おい、生きているのか。」
ロッタの体をまさぐる。やわらかい腹、ふさふさとした胸、そして首と喉、とがった鼻先そして口、生きている。手のひらに温かい息が吹きかかる.
「ロッタ、よかった。」




世界の終わりと

2007-01-17 18:15:23 | 「日々平安是好日」
「ねえーロッタ。僕らの体は何処へ行ってしまったんだろう。」
「さっきくしゃみをしたら体がどこかに飛んで行ってしまったようだね。」
「ロッタ、君もくしゃみをしたのかい。あるのは僕と同じく影だけだ。」
ほら、さっきまで、小鳥や、虫の鳴き声がしていたのに何も聞こえなくなっている。人の声や車の走る音や風の音まで何も聞こえなくなっている。
僕等に感じるものといえば視覚と、自分たちの動く音のような感覚だけだ。
ロッタの影も何か吠えているように見えるだけで声は聞こえない。
今は、陽射しがあるけれど、東から流れてくる黒い雲が太陽を隠してしまうと僕等はどうなってしまうのだろう。
「ロッタ。僕らの体はいったい何処へ行ったんだ。」
「早く体が戻ってこないと。あの雲がやって来る前に戻ってこないと」
「僕等は、完全に消滅してしまうんだ。」
影が無くても体さえあれば、たとえ、暗黒の世界でも、体さえあれば消滅はしないはずだ。
「ロッタ。僕らの体はいったい何処へ行ったんだ。」
 僕は叫んだ。声にならない大きな叫びを空に向けて。

ジャケット買い

2007-01-10 18:15:25 | 「日々平安是好日」
「ザ・キャット」
 オルガン奏者ジミ-・スミスの「ザ・キャット」というジャズのアルバムがある。
 1964録音。オルガンとビック・バンドの組み合わせでブルースを気持よく聴かせてくれる。聞き飽きることなくウォークマンに何時も入っているお気に入りの1枚だ。
 僕の好きなアルバムの中でも結構上位にくるものだ。
 あのアラン・ドロン主演映画の主題曲「危険がいっぱい」(英題ジョイ・ハウス)が入っる。でもこの曲より、2曲目の「ザ・キャット」がいいんだ。
 僕はこれを買た時は、収録曲よりも、CDジャケットが気に入ったからだ。 
いわゆる「ジャケット買い」。
 黒猫が一匹歩いている姿を前方から、ロングショットで撮ったもので。、望遠撮影特有の遠近感が無く、足元には、陽炎か、濃い霧りか、どちらでもないスモーク?が漂っている。 まさに遠くで、揺れているように見える。その黒猫の目は光るわけでもなく「ぼ-」としていて、全体の雰囲気をよく表している。
  このジャケットを「ロッタ」に置き換えて・・・・・・見たらこんな感じかな

ジョニーウォーカーその3

2007-01-08 18:45:52 | 「日々平安是好日」
 その大きな部屋には、レッドツェぺリンの「トラブルド・アンダー・フット」「カシミール」が流れている.「フィジカルグラフィティDISC-1」とクレジットが映し出されたテレビ画面が、そこにあった。部屋は暗い.
 彼、ジョニーウォカーの脇には黒い犬がおとなしく座っている。
毛足の短い、足の長い大きいな犬だ.
 ほら、ジョニーウォカーの黒いシルエットと同じように、
 部屋の暗さよりもより黒さが際立った輪郭でわかる。
 そして、ジョニーウォカーの黒いシルエットは、口だけが赤く、その口元は微笑んでいる.
 僕は静かにソファーに深く沈みこんで彼らを見ている。
 彼らが何かを言い出すのを僕は待っている.
 「私は何も隠すつもりはないのだよ。」とジョニーウォカーが言った。
 かすかに傍らの黒い影が動いた。
 「僕は本当のことが知りたいだけです。」
 「何が本当で、何が本当でない、なんて、誰も解らないのだよ。」
 「それでも、ロッタがなぜ家を出たのかその理由がしりたい。」と僕は彼らの目を見つめながら言った.
  「ロッタは家を出たのではない。これだけを言っておく必ず戻ってくる。」
 「撮影が終われば必ず必ず戻ってくる。決して置き去りになんかしない。」
私はこう見えてもこの映画の影のプロデュサーなんだぞ。」
僕は大きな声で「本当に必ず戻って来てくれるですね、たとえ大スターになっても、」
 
 部屋のテレビの画面が映画「南極物語」の予告編が映し出されている。











スゥイング がなければ意味が無い

2007-01-06 14:46:12 | 「日々平安是好日」
 ジャズ、ロック、クラシック等々いろいろな音楽に魅せられて、それ以来、
 僕は人生の殆どを音楽と共に暮らしてきた。
 そんな僕の人生に中にあって忘れられない音楽は数え切れないほどある。
 今後少しずつお話をしていこうと思います。
 まず最初に紹介をする曲は、
      「犬のおまわりさん」だよ----ワン。
                             つづく