地図のいろいろ

半世紀も地図作りに携わっていましたので、この辺で振り返って地図を見直してみようかな~・・・。

沿岸海域地形図

2008-02-19 11:07:56 | Weblog
「沿岸海域地形図」は、陸域およぴこれに続く海域の地形図で、縮尺は1:25,000です。
主な海湾、内海を対象に沿岸海域の状況を示した地図です。
現在、74面が刊行されています。
「沿岸海域土地条件図」もほぼ同じ地域が刊行されています。

両者の違いは、「沿岸海域地形図」が地形を主に表現した一般図なのに対し、「沿岸海域土地条件図」は、その上に、地形や堆積物などを解析し、分類表記した主題図です。

国土地理院が発行している陸図の一部なので、等高線・等深線の基準面はともに東京湾平均海面です。(海図の干潮時基準面とは違います。)

等高線、等深線のほか、底質、透明度などの自然要素、海上・海底の構造物、各種の指定区域、規制区域など陸およぴ海にまたがる地域の基礎的な状況を図示した地図です。


これって、海上保安庁が刊行している「海の基本図」(08.23~.4ブログ)と、どう違うのでしょうか・・・?
単に、海岸基準面が違うだけなら、何とか重複費用を省略できないものでしょうか?
まさに、海と陸の界の部分の、鬩ぎ合いですね・・・

こうした、 “無駄”が、官ではまかり通っていますが、民では考えられませんね。
直ちに合理化され、淘汰されますが・・・

そのほか港湾の区域、漁場などの海の利用状況、海に関するいろいろな施設なども記号によって表示されています。

なお、「沿岸海域土地条件図」は、
ほぼ同じ地域を、音波探査などにより、
①、侵食・堆積などの営力や傾斜の緩急にもとづく海底地形分類、
②、水深、底質、海底の沖積層の厚さと構成物質、
③、海底の基盤などを
 分類し図示した地図です。