地図のいろいろ

半世紀も地図作りに携わっていましたので、この辺で振り返って地図を見直してみようかな~・・・。

沿岸の海の基本図

2008-02-04 10:34:38 | Weblog
海の基本図には「大陸棚の海の基本図」(08.2.3ブログ)と「沿岸の海の基本図」がありますが
今日は「沿岸の海の基本図」をとりあげてみます。

海上保安庁水路部は「海底地形図」と「海底地質構造図」の2図面とその報告書を一組セットにし、「沿岸の海の基本図」として刊行しています。
我が国の領海基線を明確にするための基礎資料であり、また、沿岸海域の 利用・開発、環境保全、防災、海洋レクリェーション等につかわれています。
縮尺は1:50,000又は1:10,000(1:10,000図は特定の海域のみ)で、日本の沿岸海域を刊行しています。

「海底地形図」は距岸12km以内の海域の図で、水深100mまでは1m間隔で、100mから200mまでは5m間隔、200m以深は10m間隔で等深線を記載しています。

海図の海岸線は、陸図の平均海面と違い、干潮時の海岸線です。また水深100mまでは1m毎の等深線にしているのも、船の航行上の安全を期してのことです。
船が座礁しては大変ですからね・・・

その他、海洋の利用に必要な、港湾・漁港、マリーナ、漁業権区域、国立・国定公園等の社会情報も記載しています。

「海底地質構造図」には、堆積物の種類や厚さ、地層の分布状況、海底下の断層等を記載しています。