うすら寒いお家の・・・うすら寒い縁側を寝ぼけながら・・・
口に手を当てて窓に目を通せば・・・歪んだ景色の明るい空が目に入る・・・
歪んだ景色が美しいと思えるのは、まだ半ボケでツラツラと歩いているから・・・?
それとも・・・自分よりも歳を重ねて、歪むガラスが諭すように景色を写すから・・・?
隙間風も・・・ガタゴトと建付けの悪さも、すり減った敷居の溝も・・・
繁く眺めれば・・・ぶっきらぼうな姿に、心地よさを運んでいる事に気付く・・・。
シャリンと機械の切れ味は清々しく・・・テキパキと仕事をこなして行く・・・
人よりも間違いは無く・・・10本の手と目と耳が襲い掛かっても、それ以上の成果を積み上げて行く・・・
だとしても・・・今はまだ使われる側で、人が居ないとままならないようで・・・
のっぺりと美しさが・・・目立っている・・・。
古民家の美しさや・・・手仕事の温かさは、歪んだガラスのようにホワリと包み込む丸さがあり・・・
キチリとした正確さもあるけれど・・・同じものが一つとして仕上がらない危うさにもあるような気がして・・・
うねる梁の手斧の痕は・・・子供のいたずらのようで、アンバランスな規則に美しさがある・・・
轆轤の茶碗も・・・竹の籠も、少し違うカタチに魅力を感じるように・・・
歪んで眺める365日の朝が・・・素晴らしく贅沢になるんだと思う。