暮らしと古民家

折々の暮らしの中気が付く大切なこと

あんばらんす

2022年02月23日 | 古民家
 うすら寒いお家の・・・うすら寒い縁側を寝ぼけながら・・・
口に手を当てて窓に目を通せば・・・歪んだ景色の明るい空が目に入る・・・
歪んだ景色が美しいと思えるのは、まだ半ボケでツラツラと歩いているから・・・?
それとも・・・自分よりも歳を重ねて、歪むガラスが諭すように景色を写すから・・・?
隙間風も・・・ガタゴトと建付けの悪さも、すり減った敷居の溝も・・・
繁く眺めれば・・・ぶっきらぼうな姿に、心地よさを運んでいる事に気付く・・・。

シャリンと機械の切れ味は清々しく・・・テキパキと仕事をこなして行く・・・
人よりも間違いは無く・・・10本の手と目と耳が襲い掛かっても、それ以上の成果を積み上げて行く・・・
だとしても・・・今はまだ使われる側で、人が居ないとままならないようで・・・
のっぺりと美しさが・・・目立っている・・・。

古民家の美しさや・・・手仕事の温かさは、歪んだガラスのようにホワリと包み込む丸さがあり・・・
キチリとした正確さもあるけれど・・・同じものが一つとして仕上がらない危うさにもあるような気がして・・・
うねる梁の手斧の痕は・・・子供のいたずらのようで、アンバランスな規則に美しさがある・・・
轆轤の茶碗も・・・竹の籠も、少し違うカタチに魅力を感じるように・・・
歪んで眺める365日の朝が・・・素晴らしく贅沢になるんだと思う。



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呼吸

2022年02月22日 | 古民家
 木は呼吸をしています・・・土も呼吸をしています・・・
石は呼吸していなくても、何かと丈夫で・・・長い間力持ちです・・・。
暮らしの中に呼吸は大切で・・・天気の良い日、窓を開けて風を通して深呼吸・・・
木で造られた住まいには必要な毎日の仕草で・・・住む人にも欠かせない、暮らしのやり取りです・・・。

ホツホツと湯気が立つ台所・・・川の字で並んだ布団が転がり・・・
人の暮らしにさまようたくさんの空気は・・・香りも湿気も煙も漂って・・・
寒さに暑さに、雨や風にさらされる自然から・・・家族を守る大切な住処を心地よくしてくれて・・・
身近にあるモノで住まいが造られて来たのは・・・身近な人達でお手入れが出来るように・・・
身近で採れる素材で、すぐにお手入れが出来るように造られて来ました・・・。

伝統の技術が必要な手仕事もあれば・・・力を合わせないと造れない手仕事もあって・・・
地域で守る住まい造りがあるから・・・地域が元気で豊かな場所になったんだと思います・・・。
箱だけ作って住むだけでは・・・風が抜けない静かな地域になってしまい・・・
住み継がれる住処も守れなくなると・・・人の住まない箱だけが残ってしまう・・・。
大きく息を吸い込み、呼吸する住まい造りが・・・人も地域も元気にするのかも知れません。


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森に

2022年02月21日 | 古民家
 グイっと飲み込む空気の中に・・・いつもとは違う心地よさを感じるのは・・・
いつもとは違う場所で・・・いつもとは違う時間に、何かを感じている時に・・・。
水が美味しいと、感じるのと同じように・・・空気をうまいと思える時間は少ないような気がして・・・
毎日の暮らしの中には、ぐうたらと過ごす呼吸は繰り返しても・・・
心して飲み込むように息を吸う時間は少ないと思う・・・。

古民家の中に入り込むと・・・空気が変わる・・・
それは木の香りか・・・湿気た土のニオイなのか・・・
家庭がそれぞれ持つ・・・生活の匂いなのか・・・
時間が育ててくれた・・・歴史が漂っているのかも・・・。

森の中に入れば・・・体から受け取る感情もあるけれど・・・自然の創る景色が目に入り・・・
木々が生んだ一番搾りの空気が・・・体の中から、その違いに気づいて・・・
おいしい空気と感じて・・・五感で受け取って・・・毎日とは違う呼吸になる・・・
森の中に住んでいるような住い造りは難しくても・・・
森に囲まれたような住まい造りは出来るような気がします。

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重なる時間

2022年02月20日 | 古民家
 波打ち際にフワフワと、浮かんで打ち寄せる流木は・・・
川に落ちた木材が・・・ツラツラと流れに流されて、自然に任せるままの姿でたどり着く・・・
古木の風合いが、年を重ねて見せてくれる色つやと同じような顔を見せて・・・
巡り巡って目にするその姿に・・・素敵な時間を貰った気がします・・・。

トラックもクレーンも無い・・・人の力に牛や馬の力を借りて・・・
数百キロを超える丸太を山から運び・・・人の力で加工して棟上げして行くその手仕事・・・
細かな仕上げの加工にも、素晴らしい技術はあるけれど・・・
果てしない時間と・・・人の成す技には、今では思いもつかない力が潜んでいる気がします・・・。

バラりと葉音を奏でて・・・波紋を広げながら流れに乗れば・・・
どこかでまた出会うような気がして・・・
地球一周廻って出かける旅は・・・ほんの一瞬なのかも・・・。
一人が出来る限界を超えるその始まりは・・・聞き取れない瞬きのような音なのか・・・
何度も重なる少しの時間が・・・他には無い特別な時間を造るような気がします。



 


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2022年02月19日 | 古民家
 おのぼりさんがお山の上から夜景を見ている・・・
高い塔の上から、ガタゴトとひしめき合う工場を見ている・・・
暗いお空の上から、まあるい空を見下ろしている・・・。

人が造る美しさに、目を奪われて・・・不規則に並んだり、整理整頓されていたりと・・・
そんなものがダラダラと並んで・・・美しく見えて、だらしなくも見えて・・・
それがまた・・・なんだか目を奪われるのは、自然の中では探せない怪しさがあるからかも・・・。

照葉樹林は・・・いくつもの木々が重なり合い、幻を見るかのような景色を見せてくれます・・・。
そうしようと並べられた訳でも無く・・・無作為に育った訳でも無く・・・
木々が生きる為に選び・・・頭が痛くなるほどの時間の中で育ち・・・淘汰されながら生き延びて来た・・・
自然の強さと・危うさの中で生まれて来た森です・・・。
永遠の森は・・・自然と更新される森・・・
人の住まいも・・・暮らしの中で、自然と更新される住まい造りであってほしいと思います。
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