ウツウツ記

毎日の生活で感じたことを書いています。

子離れ。

2010-10-05 08:47:42 | 日常
先週娘が遅い夏休みで帰省していた。
一年に10日間の休みが2回取れるが、
どうしても既婚者、子持ちの人優先に休暇を取るので
気楽な独身者はこんな時期になるらしい。
特にこれという予定もなく、中学・高校の親友と会っただけで
娘の軸足はすっかり東京にあるということを今更ながらに実感する。
一日は神戸のアウトレットに出かけ、
一日は郊外のランチに出かけた。
あとは、退屈凌ぎにと編み物を教えてみた。
極々初歩の鈎針編み。
鎖編み、細編み、長編みと教えたら
案外と熱中してモチーフを編んでいた。

娘が、私の憧れだったときがある。
一心同体とか、一卵性親子というのとは違う。
私とは全然違う娘に、単純に憧れていたのだ。
土壇場で頑張れる根性とか、考えても仕方のないことは考えずに寝てしまう諦めのよさとか。
一番憧れたのは他人との距離のとり方で
自然に振舞いながら着実に人脈を広げてゆくところだ。
どうしても限られたごく小数の人としか付き合えない私とは、正反対で
いつも羨ましく感じていた。
そんな私の大切な憧れを大事にし過ぎて、
娘との関係にある時、溝が出来た。
今なら、よくわかる。
憧れ過ぎて、いつしか私は娘に自分を重ねていたのだと思う。
娘は重たいと言い、私は大切に思う気持ちがどうして伝わらないのだろうと悲しかった。
衝突し、それからはお互いに相手を見失い手探りで付き合う関係になってしまった。
出来てしまった溝は簡単には埋まらない。
埋めようと躍起に考えた時もあったけれど、
いつしか仕方ないか、と思うようになった。

以前は少しぎこちなかった関係も、時間が徐々に修復してくれている。
今の私の眼で娘を見れば、もう完全な憧れではない。
職場の人間関係に悩んだり、少ない給料に不満を持ったり
それでも自分なりに落ちどころを見つけて、
毎日を過ごし一人で暮らしている娘はやっぱりタフだな、と尊敬するけれど
ちょっと図太かったり、几帳面ではないところも眼に入る。
人間長所もあれば短所もあって、それは表裏一体で
という至極当たり前のことに今更気付いたりしたわけだ。
勿論、大切な娘であることに全く変わりはない。
やっと私とは別の、個性をもった大人として認められるようになって
完全な子離れが近いのかな、と思う。

憧れは淋しさの裏返しだったのかもしれない。
今なら、そう思える。
子離れは淋しい作業なのだろう。
結局は、親自身が一回り余裕をもって考え直すことなのかもしれない。
一朝一夕には出来ない。
時間、ただただ愚直に時間に任せるしかないのかもしれない。
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