熊本レポート

文字の裏に事件あり

闇のAIJ投資顧問と熊本との因果関係

2012-05-01 | インポート

 約2000億円の年金運用金を預かっていながら、直近の残高は約81億円と日本の企業年金に衝撃を与えたAIJ投資顧問。

 的を得ていない国会での証人喚問など期待できない状況にあるが、警視庁捜査二課は「海外経験もない、英語も話せないAIJ投資顧問の浅川和彦代表を日本からの監視の目が届か ないケーマン諸島のブラックボックスへ誘い込んだ、その水先案内人は誰だったのか、その指南役とは誰なのか、ここに解明の糸口がある」と見ている。

 そもそも今回の事件は、野村証券の不良と旧山一証券の残党が引き起こした事件といわれるが、オリンパス事件における損失飛ばしを指南したとして金融商品取引法違反容疑で逮捕された中川昭夫は、野村証券時代には浅川氏の先輩。

 その縁でペイン・ウェバー証券時代にも一緒に仕事をし、捜査側が鍵を握る人物とするAIJの女帝こと高橋成子取締役は当時、その中川の秘書。浅川氏とAIJ投資の営業部を務めたアイティエム証券の西村秀昭代表は、この高橋取締役について「雑用係」と証言するか、東京年金経済研究所の取締役も務める同女史が果たして雑用係かどうか。

 三回の参考人質疑と証人喚問を「うつ病」の診断書を添えて欠席した同取締役は、捜査側には決してただ者ではない。

 さて浅川氏の経歴に野村証券熊本支店長時代があったことは週刊誌も字にしているが、ソキア株の鉄砲(架空取引)で 10億円の損失を抱えたアイティエム証券を買収する際、その8億円余りの買収資金を提供したのはJA熊本信連…。

 後に農林中央金庫に統合された同信連の準備期間での事実として昨年、小誌は「JA熊本信用組合連合会長の職(平成21年)にもあったJA熊本中央会の園田俊宏会長は、同時期に信用金融業務のマンション投資会社・ORISHの代表も兼務」と報じた。

 だが、それでも何ら問題視しなかったJA熊本。

 それを異常に懐が深いと見るのか、それとも意識レベルが違うと考えるべきなのかはともかく、同損失への同情などは禁物、要らん世話と分かるが、AIJ投資顧問の営業には高額の接待攻勢が図られていた…。