熊本レポート

文字の裏に事件あり

詐欺被害の多い熊本県は平均的に裕福なのか、それとも一発屋が多いだけの県民性か?

2015-05-24 | ブログ

 国の施策もあって弁護士の数が増えた。そこで、そこには大きな格差が生じて「任意整理、自己破産、民事再生等の相談を承ります」と謳っている法律事務所が破産したり、詐欺行為を働き自ら弁護士資格を失うというのも決して珍しい話ではなくなった。
 平成25年2月、ユニヴァーサル法律事務所(東京)という弁護士法人が倒産して、その3ヶ月後には同代表の弁護士が自殺。同法律事務所は、英国スポーツ賭博への投資で高配当、そして同出資者の紹介者には別に高額の謝礼を支払うと謳って出資金、出資者を集めていたスピーシー(大阪市)の顧問弁護士で、最終的には全国に被害者6000人、被害総額約450億円を生んだ投資詐欺事件での被告代理人。
 現在も同スピーシー側は全国何ヵ所で被告の立場にあるが、熊本の被害者8人は県外の被害者と合わせて43人で返済請求の訴訟中(あおい法律事務所)。5月18日、投資で配当金などを隠して約2億円を脱税したとして、熊本地裁で所得税法違反の罪に問われた松下某は同被告の1人。
 彼女は配当金何千万円を現金でと大阪まで受け取りに行ったほどの猛女だが、脱税を念頭に銀行支払いを避けたと考えると違反行為は悪質。それより同じ熊本県民8人に対して、被害(1人平均請求額677万円)を発生させた被告となると当然、その責任が問われることにはなる。
 株や先物取引の名目で熊本の出資者8人、1法人から計9800万円(全国被害額約6億円)を騙し取ったと熊本県警に逮捕された「プレシャスインベストメント」の代表は、東京六本木ヒルズ内に本社を偽装設置し、高島宗一郎福岡市長の主催する政治資金パーティー(年3回の未来塾)にも参加していたが、これでは純朴な市民が騙されるのも不思議ではない。
 最近は太陽光発電など再生エネルギーに絡んだ投資詐欺が多発している傾向にあるが、ジオサーマルという会社の元社長とオーナーとによる損害賠償訴訟では、被告の席についた元代表が「実際は消費者から結果的に不可能な高額の配当を餌に投資を募り、現実の発電、売電は行わず、投資された金員をもって配当するという『投資詐欺』を行っている」と、同社の業務を証言で暴露。
 ところで詐欺事件での被害者は福岡、熊本が抜けて出て九州に多く、特に熊本の場合はその80%が投資詐欺。ネズミ講など種々の経済事件が語る通り県民性、また結果的に原告と被告とが同居するという社会環境などを考えると、被害は自己責任というのも否定は出来ないが、高齢者の1000万円超という被害額を思うとやはり地域社会問題。
 スピーシーの損害賠償訴訟のように「返済弁明」が再々に繰り返されて延長(現在は28年4月期限)となっては、「民事不介入」の警察も摘発の難しいことは確か。現在、国税が全国各地で調査中だが、被害の全額救済までは代理弁護士事務所でも困難となると、結論はやはり熊本県民一人ひとりの自己責任で、それが日本の詐欺被害を大幅に減らすという見解には実に情けない・・・。


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