リニア談合事件の捜査、裁判で、大成建設は工事予定地の土地を先に取得して、それをJR東海に譲渡。鹿島建設は落札候補がJR東海側で決められていたと証言し、大林組と清水建設は、「誘われて談合を断れなかった」と自白。断言はしないが、公共工事の談合は存在し続けていて、その多くが官製談合である。
熊本県の市町村は自治労の弱体化とともに市町村の指名権者である副長が、県OBで占められるようになった。
「権力の県集中化が進んでいる」(建設業者談)
「県警も全て県議会側を向き、極めて異常」
元国県議員の重鎮らも懸念して語る。
さて、該当の宇城広域連合の案件であるが、八代市、菊池環境保全組合と連続して大型ごみ焼却施設の受注を成し遂げた日立造船には、熊本県元三役のY氏が顧問として在籍し、同業界のコンサルタント会社・日本環境衛生センターにも同じく県OBが熊本支所長としてT氏が存在。
この二人が該当の宇城広域連合の次、その計画自治体にコンビで営業という情報からも今回、該当の宇城広域連合のごみ焼却施設の建設、そして運営における入札に強い関心を持った。
今回の宇城広域連合では、全アドバイザー業務を日本環境衛生センターが受託しており、情報の提供は在って当然と予想していると、結果は「技術的には劣るが、金額が予算を浮かせる形で安かった」と日立造船が落札。
これでは「総合評価方式」とは何なのか、そんな皮肉も吐きたくなるが、環境議員である福田議員の「住民には負担から安価は条件」にも一理ある。
ところが、だ。この入札に参加する上での資格企業の基本ルールとし、「アドバイザリー業務を受託する日本環境衛生センターと提携関係、資本もしくは人事面で関連がない者(企業)」としながら、該当の日本環境衛生センターそのものが日立造船グループに参加していたのだ。
当然、審査会では問題となる。
ところが事務局、執行部側は弁護士にも相談(事務局談)。
そこまでしてでも「日立造船に受注させたかった」ということになるが、その理由は何んだったのか。
また弁護士まで相談した、この問題を議会側に提出しなかった(隠蔽)理由を考えると、執行部側が極めて重大視していたのは確か。
議決の議員ら関係者の中で、執行部に極めて近い人物には「事前に打診」という情報もあるが、執行部と談合した議員とは誰なのか。外された議員には「住民参加」、「透明性」の上で、怒らないとなると、逆に議員資格が問われる。
「一部の議員に相談は絶対にない」と同事務局の山口課長は否定するが、審議委員会の議事録開示に対し、企業への守秘義務を盾にして拒否するようでは、その体質が問われる。
子どもや孫に簡単に説明すると当然、「白紙に戻せ」と言うだろうが、利害の絡む大人の社会では、確立した強固な権力の相手は容易ではない。それでも正義を掲げて立ち向かう者が居るか、どうか…。