熊本レポート

文字の裏に事件あり

宇城広域連合に見た熊本県の強いる日造の制覇   第2回

2020-09-11 | ブログ
リニア談合事件の捜査、裁判で、大成建設は工事予定地の土地を先に取得して、それをJR東海に譲渡。鹿島建設は落札候補がJR東海側で決められていたと証言し、大林組と清水建設は、「誘われて談合を断れなかった」と自白。断言はしないが、公共工事の談合は存在し続けていて、その多くが官製談合である。
熊本県の市町村は自治労の弱体化とともに市町村の指名権者である副長が、県OBで占められるようになった。
「権力の県集中化が進んでいる」(建設業者談)
「県警も全て県議会側を向き、極めて異常」
元国県議員の重鎮らも懸念して語る。
さて、該当の宇城広域連合の案件であるが、八代市、菊池環境保全組合と連続して大型ごみ焼却施設の受注を成し遂げた日立造船には、熊本県元三役のY氏が顧問として在籍し、同業界のコンサルタント会社・日本環境衛生センターにも同じく県OBが熊本支所長としてT氏が存在。



この二人が該当の宇城広域連合の次、その計画自治体にコンビで営業という情報からも今回、該当の宇城広域連合のごみ焼却施設の建設、そして運営における入札に強い関心を持った。





今回の宇城広域連合では、全アドバイザー業務を日本環境衛生センターが受託しており、情報の提供は在って当然と予想していると、結果は「技術的には劣るが、金額が予算を浮かせる形で安かった」と日立造船が落札。
これでは「総合評価方式」とは何なのか、そんな皮肉も吐きたくなるが、環境議員である福田議員の「住民には負担から安価は条件」にも一理ある。
ところが、だ。この入札に参加する上での資格企業の基本ルールとし、「アドバイザリー業務を受託する日本環境衛生センターと提携関係、資本もしくは人事面で関連がない者(企業)」としながら、該当の日本環境衛生センターそのものが日立造船グループに参加していたのだ。



当然、審査会では問題となる。
ところが事務局、執行部側は弁護士にも相談(事務局談)。
そこまでしてでも「日立造船に受注させたかった」ということになるが、その理由は何んだったのか。
また弁護士まで相談した、この問題を議会側に提出しなかった(隠蔽)理由を考えると、執行部側が極めて重大視していたのは確か。



議決の議員ら関係者の中で、執行部に極めて近い人物には「事前に打診」という情報もあるが、執行部と談合した議員とは誰なのか。外された議員には「住民参加」、「透明性」の上で、怒らないとなると、逆に議員資格が問われる。
「一部の議員に相談は絶対にない」と同事務局の山口課長は否定するが、審議委員会の議事録開示に対し、企業への守秘義務を盾にして拒否するようでは、その体質が問われる。
子どもや孫に簡単に説明すると当然、「白紙に戻せ」と言うだろうが、利害の絡む大人の社会では、確立した強固な権力の相手は容易ではない。それでも正義を掲げて立ち向かう者が居るか、どうか…。



宇城広域連合に見た熊本県の強いる日造での制覇   第1回

2020-09-11 | ブログ
人には本来、「良心」がある。ところが言うのは簡単だが、複雑なる社会に我が身を置くと、これが意外に実行となると、決して楽で無いことも確か。
ところが7月末、
「宇城広域(連合)の入札(エネルギー回収型廃棄物処理施設の建設及び運営)結果には問題があって、その問題が伏せられて(隠蔽)議会承認を得た可能性がある」
そんな情報が寄せられた。
何んで、そうなのと思われる方には既号(令和1年5月30日号〜同年6・4、14…8・2〜26…令和2年1月15日、同6月1日)を見て頂くと、この事案のそこまでも(問題発覚)お判り頂けるだろうが、この事案では延べ40名近い関係者に取材を掛けた。匿名ながらタレ込みは、その中の1人であって、その個人まではともかく、内容から発信源の位置づけは想定出来た。
そして想定するグループの中に確認を求めると、肯定はしないが複数の人物が、それを否定はしなかったのだ。
もちろん、1ヶ月以上も前に入札は終わって、議会承認も得ている事案。
6月2日、同入札は日立造船の139億円で落札となった。



そして宇城、宇土市、美里町を代表する環境議員10名が承認議決。
問題とは、落札決定に向けて技術、価格等を評価した審査委員会で取り上げられた点で有り、その点を隠蔽して広域連合事務局、執行部側は承認議会に落札決定の承認を促した。
貴方は仮に139億円もの公的契約に「不正」を発見した時、個人的には関わりを感じないとして「放置」と諦めますか。それとも無理な労力を投じてでも「正義」を貫きますか。
新型コロナの支援金のように自らの損得に関わると認識する場合には、その10万円の権利に必至となるが、税金と公共事業との相関が実感として認識されない場合、大方はそれを批判はしても、それが仮に1000億円でも結果的に「馬耳東風」という前者になる。
それが、やがて10万円の我が身にも影響して来る訳だが、大方はそれを気にする程の余裕はない。結果、それが不正の継続を生み、「世の中にはワルも存在」という諦めの社会を続ける。
何かと論理的には面倒な話になるが、
そのために該当の広域組合には住民を代表する組合議員が存在し、その組合議員が公正、公平性が確保されているかをチェックする。
「弁護士等に相談して議会への提出は不要とした」(宇城広域連合事務局)と言うが、該当議員には「我々は何んの役割にあるのか」という疑問も浮上するはずで、それが無視されたとなると、その程度の認識しかない該当議員という事務局、執行部の見解。
しかし、これが表沙汰となれば、そうした議員はともかく、広域行政の現実性、その透明性に対する住民の「公共性への合意の原則、住民参加の原則」への不満は明らかに浮上する。
それでは議会に「隠蔽した問題点」とは何だったのかだが、入札参加資格のルール違反。それを落札、受注した日立造船側が侵していたのだ…。(次号へ続く)