録画人間の末路 -

人は記録をしながらじゃないと生きていけない

今年もやってました デジタル放送の日式典

2014-12-01 22:15:14 | 次世代ビデオへの懸念
いまさら放送の形式を気にする人もいないでしょうが、アナログ放送の方がメインだったときにアピールのため「デジタル放送の日」が制定されました。それが12月1日なんですが、もはやアナログ放送がラジオを残して消え去った現在、存在価値はなくなって名前だけが残る日になったと思っていましたが、まだ式典を続けていたようです。

12月1日は「デジタル放送の日」、DpaとNexTV-Fが式典。難視聴世帯ゼロへ。4K、8Kへ貢献

大きく取り上げられた話は「アナデジの終了」と「4K8Kの推進」。見ている人はもう少ないと思いますが、ケーブルテレビが引かれている地区に住んでいる人は今でもデジアナ変換でアナログ配信された映像を旧型テレビで受信視聴することができます。これは来年3月までしか行ってはいけないと定められているため、イヤでも終了させられるものです。ちなみに我が家ではいまだ一台アナログのテレビを残しているんですが、最近上下の黒い部分のテロップがうざいほど派手になってきています。当初は控えめだった上部のデジアナ変換のグレーの文字が白く濃くなり、その横には「2015年4月でデジアナ変換は終了」の告知、さらに下部空欄には常時横に流れるデジタルテレビへの買い替えもしくはケーブルテレビへの加入を促すテロップとかなりうざく感じるようになってきいています。それに加えて最近文字の色が白から黄色に変更になり、注意の警告っぽくなってきました。そのうちに点滅するようになりそうだし、変化を見守るのも楽しいかと最後までアナログテレビは外さない予定です。

ちなみにケーブルのデジアナ終了と同時に例のBS再送信も終了となり、そのスペースはUHDTVの実験や試験放送などに明け渡されます。この式典でもそれに伴い4K8K放送のアピールも行われています。2020年までに日本中に普及させるべく2016年にBSで本格的な放送が開始されるようですが、いくら「オールジャパン」体制でUHDTVを普及させようとしてももはやそういう時代でもないでしょう。録画をつぶされ、せっかくの番組を自分で好きなように見ることことができなくなりつつある現在、それなら番組はネット配信でいつでも最初から見られる方が時間や機材にしばられない分望まれるようになっていくのではないでしょうか。日本では配信のかじ取りもキー局が行うため、配信は配信でもテレビを見ながらスマホを弄るための連動アプリによる情報配信を中心に添えるようですが、たぶん時代に逆行したやり方。配信はおそらく地上波ばかりの対応になるでしょうが、スマホをいじりながら文字通り片手間で見るような番組のノウハウばかり蓄えると近い将来4K8Kにふさわしいまともな番組を作ることができない番組制作者しかいなくなってしまうように思うのですが、どんなものでしょうか。まぁすでに地上波ではテロップとイライラCM入れの構成でしか番組を作ることができない制作者が増えているようなのでもう危惧しても遅いかも知れませんが、どうしても現在の放送の進み方に矛盾を感じてしまいます。

個人的には4Kは放送にこだわらず配信やソフト再生を中心とした映像表示用とし、8Kは医療やパブリックビューイングのような業務用とすべきと考えています。もちろん大して普及しないでしょうが、放送に対してなら解像度を上げるより新圧縮方式で現在の2Kの圧縮ノイズを軽減してくれる方が多くの人は喜ぶと思うんですよねぇ。もちろん録画規制が撤廃されればさらにいいのは言うまでもありません。一応あるんですよね、UHDTVにはオプションで2K規格が。ただ、現在のデジタル放送での三分割SD放送が使われず、せいぜいHD+SDがたまにあるだけであるようにUHDTVの2Kもあまり使われない規格になるのでしょう。売りたい規格より使いたい規格が優先されるようにならない限り、2020年までの普及(確か目標は全世帯の50%)は無理です。4K対応テレビ(4Kチューナーが内蔵されていないテレビは"対応"の字を入れないとダメなんだそうです)はそれなりに知名度を上げましたが、量販店が4Kテレビの売り場を拡大し、目立つようにしたことが大きいと思います。売れないテレビの売り場拡大は多分かなり無理をしてやっているんだと思いますが、4K対応テレビくらいしか高額でこれから売れるかも知れない商品はこの増税不況/円安物価高状況では他にありませんからね。おそらく現状の経済政策で唯一国内景気を伸ばす可能性のあるUHDTV。ヘタの打てないこの製品の普及のための手をどう売ってくるかがこの数年最大の見ものになることは間違いないでしょう。ただ個人的にはすでに4Kに対して冷め始めているんですが。録画できないんだもん。

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3 コメント

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4Kは放送局の自死を招くのでは? (GUN☆TA)
2014-12-02 06:56:25
>ただ個人的にはすでに4Kに対して冷め始めているんですが。録画できないんだもん。

正にその通りで、4K普及後は、自宅からテレビが無くなること大ですね。
まぁ、その頃まで親が生きていればテレビを買い換えるだろうけど、そうでない場合、自宅からテレビが一掃され、晴れてこの録画人生も終焉を迎えることになるのでしょう。

その時には、放送局とネット配信の力配分が逆転していると面白いですね。
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Unknown (Unknown)
2014-12-02 11:27:37
4KTVは現状では録画できませんが、4Kチューナーは現状でも録画できますよ。
返信する
Unknown (krmmk3)
2014-12-03 23:42:42
>2014-12-02 06:56:25さん
多分あらゆる手段を使ってネット配信が絶対テレビよりも上に来ないようにするでしょう。テレビ局が言う「ネットと放送の融合」もオールジャパン体制で挑む「スマートテレビ」もその策の一つです。最終的には法律を作るかも。

>2014-12-02 11:27:37さん
別の機械につないで視聴こともできない状態での一時保管ができないタイムシフト視聴のための保存をわたしは昔から録画とみなさないことにしているのです。最低でもメディアに移して互換性のある機械ならどれでも視聴できるのが録画扱いにする絶対条件です。
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