大変久々になりましたが、BSおよびCS各チャンネルの解像度とビットレートの調査を行いました。キッカケは最近追加されたBSの新チャンネルを加えた記事を作りたいというのがまず一つ。もう一つ、もっと大きいのが先日某"企画者が変態としか思えないほど奥の奥までかゆいところを搔きまくる特集"見たさにスターチャンネルに加入した際、ちょっと気が向いてビットレート見てみたら何か変。特に5.1chの放送と2chの放送で映像のビットレートに案外差が出てくることに気づき、「そういえば過去の調査は毎回音声と映像の組み合わせは無視していた。実はそこまで注意して調査しないと意味がなかったのかも」と思い立ち、複数の音声パターンがあるチャンネルにおいて映像のビットレートに対してどれほど影響があるのか、調べてみたくなったので実行しました。正直言って音声パターンが複数確認できないチャンネルはついででしかありません。そしてすっかり忘れていたNHK BS1の音声パターンの変態ぶりに大いに振り回されることになってしまったのですが。
そして、一応誤差の範囲と呼べなくもない程度の差ではありますが、全体的に5.1ch放送になると映像のビットレートは下がる傾向にありますね。ほぼ影響なしなのは余裕のあるWOWOWくらいなものです。その逆に案の定一番影響が大きいと思われるのがスターチャンネル、特に1です。スターチャンネル1はなぜか2や3と異なり、下方向にのみ変化のあるVBRという、昔よく見られたタイプを採用(確認できた中ではスターチャンネル1だけ)しており、比較的動きのある映像だと上限に貼り付き続けるほとんどCBRビットレートになりますがそうでないと極端に下がり、サンプルに見られた平均5Mbpsなんていう映像もあるのです。上限を大きくとれないエンコーダーを採用という点で、5.1chを使うのは正直肝心の画質においてちょっと影響が出てしまいます。まして今のスターチャンネル1の放送内容の大半は5.1chですから比較的価格の高いチャンネルとしてはマイナス要因かと。正直変態企画の特集でもなければ今のスターチャンネルはあまり契約したくないチャンネルになってるなぁと感じてしまいます。
ただ、それは衛星放送全体に言えます。今の人、特に一人暮らしの人など家にテレビを置かなくなり、レコーダーも魅力のない製品ばかりになってしまった昨今、映像サービスはネット経由の配信で見るのが主流となってしまい、有料衛星放送は加入者減少が徐々に進みつつあります。WOWOWも危機感を持っているのか加入しやすいようにスカパー経由の申し込みも可能になっていたり、配信を単独でも加入できるようにしたり、といろいろやってはいます。ただ、わたしもWOWOWの配信はなんとなく見ることもあるのですが、正直あのラインナップじゃ単独契約する価値薄いなぁ。完全に放送中のコンテンツの補助的なものにしかなってないし、録画できないから放送同時の配信とかだけじゃ使いづらいし。ただ、あくまで放送がメインですからあれで精いっぱいなんでしょう。全てはテレビ業界の自己満足優先思想が招いた結果ですから今のテレビ界を擁護する気にはなりませんが、有料の衛星放送はもうちょっと救いたいなぁ。なんとかひかりTVみたいに録画もできる形でネットから配信できるようになりませんかねぇ。勝負は画質じゃなくて便利さと面白さなんですから。
ちなみに本当はもっと早くこの調査、あげたかったのですが、遅れた最大の原因もやはりスターチャンネルでして。番組表から探す限りは1chのモノクロ番組がかなりあるのですが、実際録画して調べてみると2chのステレオ放送となっています。1ch廃止の境目にあたったんでしょうか。この事実に気が付くまでかなり時間がかかり、おかげで契約を延長するはめに・・・。正直今回少しお金が掛かりました。が、それだけの価値はあったかと思います。ただ、最近CM部分とかが放送部分より容量が大きめ(ビットレートが大きいではない)になる傾向があるので容量計算にはあまり役に立たないんですけどね。
ビットレート調査ですがやはり誰得感が強い4K、8K放送が始まった影響でBS各局のビットレートが大変低く(地デジ並)になってしまいましたね。
実際BS4K対応レコーダーとチューナーを所有しているのですが見る番組がほぼ無いため朝ドラ録画と一部のドラマの4K放送しか録画視聴していません。
BSプレミアムとの同時放送も多いのでわざわざ4Kチャンネルを選局するのも面倒なのと、選局したとて画質の違いもそんなにわからないので、想像以上に見ていません。
CSのチャンネルはもっと低いビットレートで地上波のUHFチャンネルでHD2ストリーム編成をやっているものよりは多少マシという数値になっておりますね。
ちなみにフレッツテレビ、地デジ11チャンネルで配信されているチャンネルはHD2ストリーム編成になっていますがメインが7Mbps前後、サブが5Mbps前後で行っていたのを目にしました(TVTestの目視による簡易的な測定で、現在はPT3も故障したのでPCでのTS録画はやっておりません)
BS4Kについてはデータはほぼ無いと思われますが自分が提供できる範囲でコメントに残しておきます。
Bitrate ViewerではなくMPC-BCやVLCのビットレート表示の目測で確認
NHK BS4K
2021年12月31日 NHK紅白歌合戦
映像:3840x2160 HEVC SDR 25Mbps(たぶんVBR)
音声:MPEG4 AAC 5.1ch 320Kbps(VBR)
2022年2月4日 北京冬期オリンピック開幕式
映像:3840x2160 HEVC HDR(HLG) 25Mbps(たぶんVBR)
音声:MPEG4 AAC 5.1ch 320Kbps(VBR)
2022年1月16日 ニュース(フンガ・トンガ火山噴火による津波警報に関するニュース)
午前6時頃
映像:3840x2160 HEVC SDR 25Mbps前後
音声:失念したため情報なし
5.1ch放送の番組は両者とも2chステレオ音声があったものの情報取得はできませんでした。
また、今年の夏の高校野球大会のBS朝日での中継はBS4Kでのみの放送となりました。
こちらは実際の放送を見た限りの感想ですが映像は地上波・ABCテレビのものと同じですが音質が非常に悪く、おそらく低ビットレートで放送されていたのかなと思います(2000年代後半にBS朝日の高校野球のビットレートは5.1ch 192Kbps前後)
画質が4Kということもあって音の酷さが際立っていて今時の4K映像配信でもありえない不快なノイズだらけの音声となっておりました。
地上波のABCテレビでは非常に良好な音質で5.1ch放送が行われていました(5.1ch 320Kbps)
BSはうんざりするほど削られてしまいましたね。おかげで以前はビットレート面で他より不利だったBS11が相対的に無料放送最高画質にのし上がるという珍現象が起こってしまいました。
CSはもともと最高画質の追求より多チャンネルという方針で経営してきてますから、まぁビットレート的にはあんなもんだと思います。ただ、エンコーダーは若干改良が見られますので多くのチャンネルがそこそこみられるものになっていると思います。
BS4K、想像していたよりビットレート低めですね。いくら圧縮率の高いHEVCとは言え、4倍の解像度と60pですから余裕はなさそう。ただ、だれでもできるお手軽手段が出るまで導入する気なしです。
音声がひどいのは謎ですね。逆に調べてみたい。