録画人間の末路 -

人は記録をしながらじゃないと生きていけない

アキバコンピューター使ってみた 視聴用

2016-02-29 22:58:30 | 意味なしレビュー
たびたびブログの「メッセージ」欄から情報をいただくことがあります。基本的にいただいたメッセージは全て検討の対象としていますが、ちょっとこれは書けないなぁ、あるいは他は書いているけどちょっとまずいんじゃないか、と思う系統のものにはリアクションを起こせないため、大半の情報に応えることはできません(メッセージ送ったけど無視された、と思っている方、本当にすみません)。ただ、今回は「ちょっと面白いらしい」話をいただき、かつ高い興味を覚えたため、久々に裏ものデジタル機に手を出してみることにしました。この製品、出てしばらく立つにも関わらず、ネット上の評価が極端に少ないようです。誰も書かないのならわたしが書きましょう。



アキバコンピューター 商品ページ
http://www.akiba-garage.com/shopdetail/000000001904/


秋葉原でちょっとイカしたアビカ製オリジナル商品を展開する店、アキバガレージより販売されているアキバコンピューターことABC-o33です。略称は「アキバコ」このちょっと抜けた感じが好感度高めです。
この製品の珍しいところは、「録画」と「再生視聴」を両立させているところにあります。もちろん市販の大手メーカー製レコーダーなら当たり前のことですが、裏モノデジタル家電の世界ではたいてい片方だけで、録画専用機は録画するだけ、再生できても自己録のもののみ、が普通ですよね。アキバコンピューターはその「自己録以外の動画ファイルの再生」と「複数の素材の録画」の二機能を一台で行っているところが従来になかった点です。それゆえにちょっと一回では書ききれないため、視聴と録画、二回に分けて紹介させてただきます。
販売はショップですが、取扱いそのものはアマゾンをはじめ、いくつかの通販サイトでも取り扱っています。ただ、ひょっとしたらパスワードとか本店直じゃないと教えてもらえないかも、という余計な気を回したため、アキバガレージで直接注文して取り寄せています。事前の予想ではSTBのような外部チューナーくらいかと思っていましたが、予想より小さ目でした。



ちょうど手元にあったカップうどんが大きさ比較にピッタリ(^^;)

まずはなんと言っても視聴。出力はHDMIとCVBS(映像と音声のコンポジットをさらにまとめたもの)の二つですが、いまさらコンポジットもないでしょう。CVBSはテスト用と考え、解像度の高いHDMI出力一択です。ただし、例によって我が部屋で使う場合はHDMI→コンポーネント変換を行ってアナログテレビにつないでますが・・・。

視聴ソフトはホーム画面の「ケーブルTV」。他にもホーム画面には「メディアセンター」というソフトが貼られていますが、なぜか何度やっても「問題が発生したため、VideoPlayerを終了します。」のメッセージとともに落ちてしまうので、使ってません。「ケーブルTV」と銘打ってはいますが、中身はWindows版も存在するKodi。なかなか汎用性の高い視聴ソフトです。ちなみにアキバコにおける表題通り、ケーブルTVの視聴もB-CASカードさえ差し込めば(半分以上はみ出ますが)受信視聴も可能です。と、言っても我が家で視聴できたのはBS11の再送信のみ。あとは地上波すら映りませんでした。有料チャンネルの一部も検索はできましたがB-CASカードではお試し視聴すらできません。おそらく周波数が対応してません。ケーブルのBS無料放送だけでも全部視聴できれば便利さは格段に増したでしょうに、なんとか調整したいものですが、難しそうです。
基本的に再生できるのはUSBもしくはeSATAに接続されたHDDに収録されているローカルファイル。ただし、そのHDDに外部のPCからLAN経由で動画ファイルを書き込んだりすることはできないようです。そのため、見たい動画ファイルをローカルディスクに置きたい場合は、いちいちPCとつなぎなおす必要があります。配置がPCから離れている場合、ケース入りの外付けHDDを使うより裸のHDDを交換できる差し込み型HDDアダプタを使うか、電源を必要としないモバイルタイプの方が便利そう。HDDフォーマットはFAT32でもNTFSでも読み込めるため、この機種に合わせてフォーマットしなおす必要がないのは便利。なお、DLNA経由で再生も可能ですがなぜか初期設定では無効になっており、使うにはKodiのシステムからサービスを選び、uPnP/DLNAの項目を全部有効にしてやる必要があります。一回やってしまえば終わりなので大した手間でもないですが。
現状、ローカルディスクおよびDLNA経由で再生が確認できた動画ファイルは
・拡張子mpg、tsのMPEG2
・拡張子mp4、tsのH.264/AVC
・BDMV/DVD-Video準拠のISOファイル(ローカルのみ、DLNA不可)
と、普通の利用には困らない程度に一通り再生できます。なお、今回用意したISOファイルは以前FluidMotionVideoのテスト用に作った自前ISOであり、市販ソフトなどをリッピングしたISOが再生できるかどうかまでは確認できていません。理屈で言えばできるでしょうが、やらないでおきます。ちなみにUSBのDVDドライブをつなげて市販DVD-Videoの再生ができないか試しましたが認識されず。これ以外にH.265/HEVCの動画も一応再生できますが、1440x1080くらいの解像度になるとガクガクトビトビになってまともに再生できません。おそらく搭載GPUの再生機能がH.265/HEVCに対応していない可能性が高いです。ここはちょっと期待していただけに残念。
再生画質は、解像感にちょっと欠けるハッキリ系のもの。人によってはキレイに見えるでしょうが、個人的にはちょっと物足りなく感じるところもあります。少しノイズ多めですが、画質はおおむね素直、可もなく不可もないラインをあえて選んでいるように見えます。ただ、インターレースの解除の精度はイマイチなのか、映像によってはカクカクとしたものを感じます。もっとも残念だったのは60fpsでエンコードした動画がH.265/HEVC同様カクカクでまともに再生できなかったこと。わたし、エンコードは割と当たり前に60fpsを選んでいる分野があるので、それが再生できないというのは残念でなりません。インターレース保持派に転向しようかいな。
再生ソフトのKodiは少々クセのある仕様です。他のソフトはあらかじめインストールしてあるものも後で追加するものも含め、リモコンの「取り消し」で終わらせるのですが、このKodiだけ一度Kodiのホーム画面に出た後、左下の電源ボタンにカーソルを移動させて「終了を実行しないとアキバコホームに戻れません。さらに、リモコンの一時停止ボタンはKodiでは有効にならず、再生ボタンもしくは「決定」ボタンで一時停止をおこなうなど、慣れないと戸惑います。ただ、操作が分からなくなってホーム画面に戻ることに関して言えばKodiを含むすべてのソフトがリモコンのホームボタン(家のアイコンのボタン)で行えるようになっているため、それに慣れれば問題ないかもしれません。ただ、裏で直前まで使っていたソフトは実行中なので、その点だけ注意しておきましょう。

ただの動画ファイル再生だけでなく、アキバコではインターネット経由での動画再生も可能です。とりあえず試したのはもっともメジャーなYouTubeと有料配信のNetflix。いずれも専用ソフトがプリインストールされています。Youtubeソフトを立ち上げてみたところ、バージョンアップを促すメッセージが出ました。アキバコは普通のAndroidを搭載した端末として作られており、アカウントを入れればGooglePlay経由でソフトを導入したりバージョンアップが可能です。まぁバージョンアップをしろと言うので仕方ありません、手持ちのGoogleアカウントを入れて指示通りにバージョンアップしたのですが、Youtubeの動画にアクセスしても肝心の動画が再生できず、サーバーから拒否されてしまいます。先のKodiならYoutubeの再生は可能(検索に日本語が使えませんが)なのでネット接続の設定は間違ってないはずなのですが・・・。ここで数日つまづき、本気で分からなくなって仕方なくアキバコ自体を初期化。もう一度YouTubeを立ち上げてバージョンアップの指示を無視して動画にアクセスすると・・・あらら、今度は普通に再生できます。どうやらプリインストールバージョンはアキバコに最適化したカスタマイズバージョンであり、バージョンアップするとそれが上書きされてダメになってしまうみたいです。バージョンアップの指示は無視して使いましょう。
しかしまたまた問題が発生します。YouTubeからキーワード検索などで動画の一覧を出しても、リモコンでその動画を選ぶことができません。どうやったらいいのか途方に暮れてしまいましたので、面倒になって本来HDD接続用に用意されているUSBにマウスを挿してみたところ、マウスカーソルが出現したのでこれで動画を選ぶことができました。事実上マウス必須です。と、いうより、アキバコはそれなりのリモコンが付属しているのですが、ほとんどの操作がリモコンよりマウスの方が格段に快適になります。リモコンにもマウスモードはついているのですが、これは簡易的なもので快適な操作とはほど遠いものです。ただ二つしかないUSBをふさぐのもイヤだったのでBlueTooth経由でマウスが使えないかどうか試したのですが、BlueTooth機能はないらしく、ONにできませんでした。USBを多く開けるためにもHDDはUSBよりeSATAでつないだ方がよさそうです。ただそのeSATAコネクタ、フロントにUSBと並ぶように設置されているのでUSBへのアクセスがしにくくなる位置にあるのですよ。わたしならeSATAは背後、フロントはUSB二つにしたいところですが、何か不都合でもあったのでしょうか。またマウス以外にキーボードも使用可能でした。

YouTubeがバージョンアップしないほうがいいことを考えるとGoogleアカウントは登録しなくても・・・と考えるところですが、Netflixはプリインストールされているバージョンではダメで、GooglePlay経由でバージョンアップする必要があります。既存のアカウント流用だとYouTubeを勝手にバージョンアップする危険性があります(一回なった)ので、アキバコ専用に適当な新規アカウントを作るのが良いでしょう。

わたしの手元の環境では試したのは無料動画サイトのYouTube、有料のNetflixだけでしたが、先も書きましたようにAndroid機ですから他の動画サイトのソフトを導入すればアキバコで再生が可能で、テレビにフルスクリーン表示もできます。もっともそれだけではPCやタブレットの方が手軽さで優るので、アキバコを選ぶ利用にはならないのですが・・・。

と、いうところで後半に続く。

追記:使っているうちに再生機能に関する欠点を見つけました。放送波で手に入るH.264/AVCのtsファイルを再生すると、DLNA経由ローカル問わず、音声と映像が同期されなくなってしまうのです。これはTMPGEnc MPEG Smart Render 4でカットした程度では対処できず、エンコードするか多重化をやり直す(例えば先のSmart Renderの"高度なツール"を使う)必要があります。後者の場合なら再エンコードなしのファイル作成も可能ですが、アキバコのためだけに使用するには手間ですし・・・。解決方法は残念ながらこのような手間をかけるか、DLNAサーバーソフトでエンコードしながら配信するしかないようです。なお、同じ放送波入手tsファイルでもMPEG2のものなら問題ありません。

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