録画人間の末路 -

人は記録をしながらじゃないと生きていけない

うちの母親が鍼灸医に行った話

2020-07-14 15:39:51 | Weblog
わたしはちょっと前まで足が痛くて困っていましたが、今はその痕跡が少し残る程度まで回復し、日常生活では全く困らないくらいになりました。ところが、それと入れ替わるように我が母が「足が痛い」と言い出し始めたのです。特に朝痛いとか。直前まで似たような症状だったわたしにはどうしても自分の時と同じように坐骨神経痛が原因ではないか、と思えたので余った薬(市販薬です)を飲むよう勧めたのですが、改善しません。もっとも、わたしのように「横になるとかえって痛い」ではなく「横になると楽になる」だったので、根本は違ったのですが。
らちが明かないので、普段よく言っている整形外科の医院で相談。調べてもらったものの「軟骨がすり減った様子もないし、年齢のせいでは」と痛み止めの注射と、同じく痛み止めの飲み薬の定番、ロキソニンを処方してもらったそうなのですがそれほど効果はなく、二度目の注射の翌日などかえって痛くなったほど、だったのです。
そこでわたしが「その先生の治療で改善しないなら別の、もっと大きな病院で診察してもらったらどうだ」と提案し、地元では比較的大きな総合病院に行きました。そこで検査を受け、「痛みの原因は変形性関節症。完全には治らない。どうしても痛いのなら手術するしかない」と言われ、人工関節のパンフレットとか持たされて帰ってきて、母はしばらく落ち込んでいました。一応ロキソニン以外の痛み止めが処方されたようですが、多少効いて痛みが軽くなる時もありましたが概ね効果は薄いようです。杖をつきつきちょっと近所に行くのも難儀、という状態でした。
そんなヨタヨタした様子を見た母の友人が、「自分の旦那も以前足が痛く、松葉づえをついてやっと少し歩ける、くらいの症状だった時に鍼灸の治療を受けて歩けるようになった。一度行ってみるといい」と提案してきました。うーん、まぁわたしが受けるわけじゃないですが、個人的には鍼灸に対してそれほどの効果が本当にあるのか? という疑問があります。なんというか、日々進歩する現代医学に比べて何十年も同じことやっている治療というよりマッサージの変形みたいな、そういうイメージがあったんです。おまけにその紹介された鍼灸院の先生、ほとんど目が見えないらしいので新しい知識を会得するのも難しいと思われます。結局痛いところに軽い麻酔みたいなものをやって、凝りをほぐす、その程度になるのではないだろうか・・・。そんな感じでした。ただ、少なくとも今より悪くなることはないだろうし、もしかすると少しはよくなるかも知れない、藁をもつかむ、の心境で母は昨日、朝一でその鍼灸へ向かいました。
そしてその日の夕方近く、ようやく母は戻ってきました。さすがにまだ杖は突いていますし、見た目には大きな改善があったという気もしません。帰ってくるなり一言、「痛かった~」。
鍼灸先生は母の痛い足だけでなく全身をマッサージしながら触診し、「変形性関節症もあるけどそれは原因じゃない。あなたの足が痛いのは靭帯の損傷。おまけにここ最近運動不足だったでしょう、太ももの肉が筋肉でなくなった部分が結構ある。だから体重を支えられなくて負担が大きくなって痛いんだよ。もう何キロか体重を落としたほうがいい」
ただ触って痛いところを聞いて、それだけでズバズバと症状を指摘する先生。なんかすげー。母もほかの病院で聞いた話より説得力を感じたそうです。母はほぼ半日たっぷりと全身をグイグイマッサージされ、針とお灸で足の治療を受けてきたようです。「お灸をすえる」なんて言葉があるようにお灸と言えば耐えるのがつらいほど熱いイメージがありますが、針のほうが痛くて熱さのほうは大して感じなかったそうです。ただ、今朝膝の下に水膨れができていたので、少し火傷は負ったようですが。
「普通の人は一回でいいんだけどあなたはちょっと重症なので近いうちにもう一回来てください」と言われ、土曜日に予約。来客側の都合に合わせるため、土日でも予約があればやるそうです。さらに「保険が効かないので高くてすいませんねぇ」と言われて請求された治療費は約7000円・・・。ほぼ数時間かかりっきりでマッサージと治療して、保険が効かないということはこの治療に対してこれ以上の収入はないということなので、むしろ安くない? こんな収入でこの先生の生活大丈夫なんだろうか? と心配になります。一度に何人も来客を見られる体制じゃないですし。
果たしてこの鍼灸の先生の診断が正しかったかどうかはまだわかりません。現在の母の状況ですが、マッサージが効いたせいでかなり脱力感を味わっており、起きた瞬間一度グラリときたとか。その代わりに足の痛みは、少なくとも今までの痛み止めの注射のあとよりは痛みが引いている、とのことです。引きずりながらではありますが、家の中なら杖なしで歩けるくらいにはなってるので、傍から見ても改善の様子は見られます。あと一回の治療でどこまで痛みが引くか・・・はわかりませんし、ケガを根本から治すというのは考えづらいです。が、先の大型病院(予約入ってます)で靭帯を見てもらい、それが原因なら治療も効率的になることが期待できます。
母の養護をしておきますと、運動不足になったのは(母が出不精であるのもありますが)「おこもり自粛」が大きな原因です。解除されて久々に遊びに行って、で足が痛いと言い出しましたから、緩んで縮んでいた筋を急に動かしたから、というのは多少あるかと思います。最近また感染者が増えているにも関わらず世間も報道もすっかり解禁ムードですが、それは置いておいて。この数か月の在宅による体力低下が原因でケガをする人が増えたりしなければいいんですけどね。体が痛くなったら鍼灸院を使ってみるのも一つの手でしょう。

追記:
土曜日に再び母親はその鍼灸院を訪ね、治療を受けました。前回は主に痛い患部を中心として鍼灸を行ったので痛かったようですが、今回は患部への針は減らし、下半身全体に針を打ち込むやり方だったため、痛くなかったとのことです。翌日になって朝のうちは「体がだるい」と言って寝坊して起きてこなかった母ですが、いざ体が覚めると、壁に手を置き、少し足を引きずってはいますが、「痛いというよりだるい、力がちょっと入りにくい」という状態だそうで、ほとんどスタスタ歩けるようになっています。前回の時は、まだ杖がいつでもとれるように傍にないと不安だったようですが、今は杖を部屋に置きっぱなしにして平気みたいです。鍼灸の先生からは「一週間くらいはおとなしく様子を見るように」と言われているのに、「久々に自転車で遠出して買い物に行きたい」などと言い出したので、「もう数日は近所の散歩くらいにしとけ!」とわたしが釘を刺しているくらいです。
鍼灸を1・2回受けたくらいでケガが治るなんて都合のいい話があるわけない、と言う事前の印象は全部吹っ飛びました。まるで魔法です。ただ、前に記事を書いた後に聞いた噂話だと、この鍼灸の先生は2つ3つ離れた市から救いを求めて患者が来るほどの知る人ぞ知る凄腕の先生で、特別な存在です。必ずしも同等の効果を他の鍼灸院でも受けられるかはわかりません。そこは注意が必要です。
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4 コメント

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Unknown (megalith)
2020-07-25 17:35:58
こんにちは。
鍼治療馬鹿にできないんですよね。
自分も捻挫や骨折、腰痛等で学生時代から色々な接骨院を渡り歩きましたが、最終的に接骨・鍼灸をする所に落ち着きました。
ここも地元では結構有名な所です。
施術する先生の腕の善し悪しで治療効果に差が出るので良い所を見つけるまでが大変ですが、krmmk3さんは良い所を見つけられたようで何よりです。
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Unknown (krmmk3)
2020-07-27 14:05:48
>megalithさん
かなり遠いんで、土日に弟の運転する車でやっと行けるようなところなんですけどね。近所に鍼灸院はいくつもあるのですが、それこそマッサージの隣みたいなところばかりで。
母の様態をみるに、知っていたらわたしも歩けなくなった時に行きたかったくらいです。
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Unknown (kanayan)
2020-08-10 15:23:21
こんにちは。
昭和の頃は、視覚障害のある方が手に職として、按摩鍼灸の資格を取られる方が多かったそうです。
指先の感覚がほかの方より鋭いため、触診だけで色々なことがわかるらしいです。
施術の翌日にだるくなったりするのは、東洋医療でいう瞑眩反応だと思います。かなり腕のある鍼灸師の先生なんでしょうね。
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Unknown (krmmk3)
2020-08-12 00:59:09
>kanayanさん
なんとなく昔の劇画に出てきそうな先生を連想してます。
体がだるくなることもあって効果が出るのは2~3日後みたいですね。母はかなり楽になったようですが、おこもりと足痛の間に衰えた体力はまだ回復せず、そっちできつそうにしていますが、足は楽になったようです。
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