昨日腰を痛めてまだ中腰の作業がつらいですが、歩けないというほど深刻ではないので多分長期化はしないと思います。細かいところでいろいろとピンチではあるんですが。
先日、「次世代スマートテレビ」(略してスマテ)についての委員会発足、な記事を書きましたが、それを含む「放送サービスの高度化」の検討内容が総務省サイトで公開されています。
「放送サービスの高度化に関する検討会 検討結果取りまとめ」の公表
PDFで公開されていますが、役所が書いたとは思えないほど平易な言葉で書いてあるのが助かります。と、いうより法案とか法律文はなんであんなに分かりにくく書いてあるんでしょうか。だから後でややこしくなるんですが。
報告書は全体を
・スーパーハイビジョン
・スマートテレビ
・ケーブルプラットフォーム
の参照に分けた上で、「オールジャパン」で取り組む、としています。悪く言えば「全放送局・全メーカーともこの方針に従うこと」という談合指南になっていると言えるでしょう。
従来、"スーパーハイビジョン"の名称は日本放送協会が8Kに対してのみ使用していましたが、総務省の検討委員会では4Kも"スーパーハイビジョン"としています。何が何でも8Kでなければならない、と言う方針では他国に対して遅れを取る可能性があるためでしょう。また、実験段階ではH.264/AVCを圧縮フォーマットとして使うこともあったようですが、4k/8kともH.265/HEVCを圧縮フォーマットとして採用する方針のようですね。放送波は ・124/128CS ・ケーブル/IPTV ・110BS ・110CS としており、どうやら地上波のSHV放送は当面見送られるようです。割と現実的ですね。4Kテレビはまた買い替え需要を引き起こすための手段ではないか、という指摘もあります。が、そういう買い替え需要は諸刃の剣に過ぎず、かえって危険であるために地上波は「高画質・高機能放送を必要としない層への放送」として切り離す考えなのかもしれません。
注目すべきは、SHVの帯域を確保するために110BS(ようするにBS放送)において「最新の技術を用いれば、使用スロット数の更なる一定の圧縮を行っても現状程度の画質・機能の確保は可能」とし、各局に割り当てられているスロットを削って空き領域をSHVに回すことを示唆している点です。現状の、特に無料BS放送のスロットを明け渡す行為に関しては賛否両論でしょう。が、地上波放送がHD化して以降、BS放送のプレミアム感がやや損なわれた~内容も地上波の補完的なものが多い~ことを考慮に入れると、そういう再編もやむをえないかも知れません。現状の1920x1080から1440x1080程度に落ちるチャンネルが出ることは十分考えられます。110CSに関しても、スロット数の圧縮がほぼ決まりとなっているかのように書かれています。以前からスカパー!のHD放送を現行の16スロットから最低12スロットあればHD可能まで水準を下げることが噂されていますが、どうやらHDチャンネルをさらに増やすよりSHVへの割り当てが優先される模様です。
第二の注目点、スマートテレビですが、この報告書でスマートテレビの定義は
・WEBにアクセスできる
・アプリの実行ができる
の2つをみたすテレビがスマートテレビである、とされました。じゃぁテレビチューナー付きパソコンは完全にスマートテレビじゃないか、と思うのですが、それを独自にやっていたテレビを「従来型スマートテレビ」とした上で、総務省主導によるスマホ・タブレット連動型の「次世代型スマートテレビ」を普及させて国際競争力をつける、とかなりの意気込みが感じられます。ところが、その連動やアプリの中身が、現状お粗末極まりなく・・・。放送局関連から示された案では
・放送番組で出題される問題が、番組の進行とあわせてTV画面とタブレット、スマホ上で表示される。タブレット、スマホ上から回答可能。
・放送される番組やCMの進行連動し、、タブレット、スマホ上で広告関連情報やCMを表示。放送後も情報にアクセス可能。
要ります?こんな連動性。上は誰も使ってないだけで今のテレビでもやってますし、下に至ってはタブレットやスマホを引っ張り出してきて映し出されるのが広告・・・。このくらいしか案が出てこないようではデジタル放送の双方向性の二の舞にしかなりそうにないんですが。もちろんこれらアプリと連動した課金システムも「望ましい要求条件」としておきながら実質的必須としています。
最後にケーブルプラットフォームです。現状、ケーブルテレビは地域密着の名のもと各地の独占状態にあるため、サービスの競争や向上があまり期待できない状態にあります。今回新たな業者の参入やそれを促すためのビジネスモデルの構築が歌われています。そっちはわたしは専門でないので半分ちんぷんかんぷんですが、業者間の放送は望むところなので発展を期待したいところです。ただ、おそらく参入は衛星放送やVODコンテンツ(映画など)を配信するIPTV業者に限られるでしょう。また、望まれる大都市圏の地上波放送を他県で視聴などは、公衆送信県が放送局独占となった今ではありえないでしょうね。
ケーブルテレビはともかく、SHVテレビとスマテは完全な別物です。ところが報告書では「スーパーハイビジョンと次世代スマートテレビの機器・サービスが、可能な限り、一体として実現されていくことが望ましい」とあり、SHVはスマテレビでもあることが事実上要求されています。こうある以上、おそらくそうなる、つまり今後出る4K以上画質のテレビはスマテが常にセットでついてくることになるでしょう。4K画質を望むものは放送をより高画質で見たいのではなく、映画など映像ソフトを高画質化したい層が中心であり、スマテによる情報はもちろん連動広告など全く見る気もないし、なにより集中してみたいのでタブレットなんか手に持っての"ながら見"はしないと思うのですが・・・。強いて両方を使いたがる客層があるとしたらスポーツ観戦くらいなものでしょうか。個人的には画質だけに絞って余計な機能を切り落とした「スマートなテレビ」の方がいいと前から言っているのですが、取り組みが「オールジャパン」である以上、期待できないようですね。
最後にもっとも肝心の録画ですが、全く触れられていません。唯一、意見を提出しているソニーのスマテの取り組みが「スマートテレビで録画した放送番組を転送・・・」などと振れられているだけです。CASにおいてもケーブルテレビに対し「共通のCASを使ったほうが良い」とした上で「B-CASをC-CASに置換するReCAS」を今後導入する可能性を模索しているのみです。なのであくまで空気から察したわたしの予想に過ぎないのですが、おそらくアナログからデジタル対応テレビとなったうえでもっとも成功した分野であろう「自己再生しかできないテレビ録画」をそのまま移行するのではないか、と思われます。デジタル放送の録画規制に関しても、自己再生だけしかできないことが望ましいという意見があったように記憶しています。レコーダーの成長を禁止することによって「もうこれでいいや」と視聴者に思わせたことで、ほぼ録画規制の目的は達せられた、といっていいでしょう。今後はVODの有料配信などの強化のために自己録自己再が推進されていくものと思われます。
先日、「次世代スマートテレビ」(略してスマテ)についての委員会発足、な記事を書きましたが、それを含む「放送サービスの高度化」の検討内容が総務省サイトで公開されています。
「放送サービスの高度化に関する検討会 検討結果取りまとめ」の公表
PDFで公開されていますが、役所が書いたとは思えないほど平易な言葉で書いてあるのが助かります。と、いうより法案とか法律文はなんであんなに分かりにくく書いてあるんでしょうか。だから後でややこしくなるんですが。
報告書は全体を
・スーパーハイビジョン
・スマートテレビ
・ケーブルプラットフォーム
の参照に分けた上で、「オールジャパン」で取り組む、としています。悪く言えば「全放送局・全メーカーともこの方針に従うこと」という談合指南になっていると言えるでしょう。
従来、"スーパーハイビジョン"の名称は日本放送協会が8Kに対してのみ使用していましたが、総務省の検討委員会では4Kも"スーパーハイビジョン"としています。何が何でも8Kでなければならない、と言う方針では他国に対して遅れを取る可能性があるためでしょう。また、実験段階ではH.264/AVCを圧縮フォーマットとして使うこともあったようですが、4k/8kともH.265/HEVCを圧縮フォーマットとして採用する方針のようですね。放送波は ・124/128CS ・ケーブル/IPTV ・110BS ・110CS としており、どうやら地上波のSHV放送は当面見送られるようです。割と現実的ですね。4Kテレビはまた買い替え需要を引き起こすための手段ではないか、という指摘もあります。が、そういう買い替え需要は諸刃の剣に過ぎず、かえって危険であるために地上波は「高画質・高機能放送を必要としない層への放送」として切り離す考えなのかもしれません。
注目すべきは、SHVの帯域を確保するために110BS(ようするにBS放送)において「最新の技術を用いれば、使用スロット数の更なる一定の圧縮を行っても現状程度の画質・機能の確保は可能」とし、各局に割り当てられているスロットを削って空き領域をSHVに回すことを示唆している点です。現状の、特に無料BS放送のスロットを明け渡す行為に関しては賛否両論でしょう。が、地上波放送がHD化して以降、BS放送のプレミアム感がやや損なわれた~内容も地上波の補完的なものが多い~ことを考慮に入れると、そういう再編もやむをえないかも知れません。現状の1920x1080から1440x1080程度に落ちるチャンネルが出ることは十分考えられます。110CSに関しても、スロット数の圧縮がほぼ決まりとなっているかのように書かれています。以前からスカパー!のHD放送を現行の16スロットから最低12スロットあればHD可能まで水準を下げることが噂されていますが、どうやらHDチャンネルをさらに増やすよりSHVへの割り当てが優先される模様です。
第二の注目点、スマートテレビですが、この報告書でスマートテレビの定義は
・WEBにアクセスできる
・アプリの実行ができる
の2つをみたすテレビがスマートテレビである、とされました。じゃぁテレビチューナー付きパソコンは完全にスマートテレビじゃないか、と思うのですが、それを独自にやっていたテレビを「従来型スマートテレビ」とした上で、総務省主導によるスマホ・タブレット連動型の「次世代型スマートテレビ」を普及させて国際競争力をつける、とかなりの意気込みが感じられます。ところが、その連動やアプリの中身が、現状お粗末極まりなく・・・。放送局関連から示された案では
・放送番組で出題される問題が、番組の進行とあわせてTV画面とタブレット、スマホ上で表示される。タブレット、スマホ上から回答可能。
・放送される番組やCMの進行連動し、、タブレット、スマホ上で広告関連情報やCMを表示。放送後も情報にアクセス可能。
要ります?こんな連動性。上は誰も使ってないだけで今のテレビでもやってますし、下に至ってはタブレットやスマホを引っ張り出してきて映し出されるのが広告・・・。このくらいしか案が出てこないようではデジタル放送の双方向性の二の舞にしかなりそうにないんですが。もちろんこれらアプリと連動した課金システムも「望ましい要求条件」としておきながら実質的必須としています。
最後にケーブルプラットフォームです。現状、ケーブルテレビは地域密着の名のもと各地の独占状態にあるため、サービスの競争や向上があまり期待できない状態にあります。今回新たな業者の参入やそれを促すためのビジネスモデルの構築が歌われています。そっちはわたしは専門でないので半分ちんぷんかんぷんですが、業者間の放送は望むところなので発展を期待したいところです。ただ、おそらく参入は衛星放送やVODコンテンツ(映画など)を配信するIPTV業者に限られるでしょう。また、望まれる大都市圏の地上波放送を他県で視聴などは、公衆送信県が放送局独占となった今ではありえないでしょうね。
ケーブルテレビはともかく、SHVテレビとスマテは完全な別物です。ところが報告書では「スーパーハイビジョンと次世代スマートテレビの機器・サービスが、可能な限り、一体として実現されていくことが望ましい」とあり、SHVはスマテレビでもあることが事実上要求されています。こうある以上、おそらくそうなる、つまり今後出る4K以上画質のテレビはスマテが常にセットでついてくることになるでしょう。4K画質を望むものは放送をより高画質で見たいのではなく、映画など映像ソフトを高画質化したい層が中心であり、スマテによる情報はもちろん連動広告など全く見る気もないし、なにより集中してみたいのでタブレットなんか手に持っての"ながら見"はしないと思うのですが・・・。強いて両方を使いたがる客層があるとしたらスポーツ観戦くらいなものでしょうか。個人的には画質だけに絞って余計な機能を切り落とした「スマートなテレビ」の方がいいと前から言っているのですが、取り組みが「オールジャパン」である以上、期待できないようですね。
最後にもっとも肝心の録画ですが、全く触れられていません。唯一、意見を提出しているソニーのスマテの取り組みが「スマートテレビで録画した放送番組を転送・・・」などと振れられているだけです。CASにおいてもケーブルテレビに対し「共通のCASを使ったほうが良い」とした上で「B-CASをC-CASに置換するReCAS」を今後導入する可能性を模索しているのみです。なのであくまで空気から察したわたしの予想に過ぎないのですが、おそらくアナログからデジタル対応テレビとなったうえでもっとも成功した分野であろう「自己再生しかできないテレビ録画」をそのまま移行するのではないか、と思われます。デジタル放送の録画規制に関しても、自己再生だけしかできないことが望ましいという意見があったように記憶しています。レコーダーの成長を禁止することによって「もうこれでいいや」と視聴者に思わせたことで、ほぼ録画規制の目的は達せられた、といっていいでしょう。今後はVODの有料配信などの強化のために自己録自己再が推進されていくものと思われます。
と、思うのですけど・・・。それでも「視聴率」がいまなお唯一の基準として存在する地上波放送では、「テレビは生で見るもの」でなければならないという意識が強いようなんです。地上波が変わらないために他の物を変え続けるという理不尽続いています。
休みでもなければ起きていられないし テレビを観るために夕方いつも自宅にいるから「 オタク 」語源の一つになるような生活今更ありえないですよ 録画禁止はテレビの自殺ですよ
最近いくら資料を読んでも録画の概念は全く登場しないんです。視聴率の判断基準を復活させるためにリアルタイム視聴させるため、本気で個人の録画保存の概念を消滅させる気なのかも知れません。
最初に録画の規制を言い出した方々って、きっとものすごく影響力のある人たちなんでしょうね、口にしたら業界追放させられるくらい当たり前程度に。
このブログの読者としては画質よりも先に権利関係といった放送に関する大人の事情といったものををきれいにする方が先だろうと思ってらっしゃる方の方が多いでしょうね。
地上波でのリアルタイム放送・リアルタイム視聴にのみ固執していて番組のネット配信や私的録画に対して消極的な姿勢を改めろと思いますよ。
私的録画に関しては技術が進歩したのに制約が非常に多くなって逆に不便になってしまっているのはおかしいですからね。
こうした主張をしている人って業界には殆どいませんけどね。
番組に出る側の立場と見ている側両方の立場でこういう主張をしたのは伊集院光だけですね。
クイズの回答がそれだけで終わらずに、何かポイントになったりするのはいいですね。最初に「ネットとテレビの融合」を言い出した堀江氏はそんなこと考えていたかも。
超巨大超高画質スクリーンで「おためしかっ」を放送しているところを連想してしまいました。お店のメニューがおいしそうに見えるので、SHV化は早い番組?
クイズ問題1問正解で1ポイント CM詳細呼び出しで1ポイント 司会者が押せと言ったら1ポイント 楽天ポイントとかTポイントが貯まればいいのですよ CMを見ました・番組を観ています
もっと 番組商品の事が知りたいです視聴者同士 番組や商品にたいして語り合いたいとかコミュニティ形成を助けてやれば番組は観る価値が出るのは判っていますしね
8k観ながら24h人が集まるのはマクドナルド これが一番らく 食べたいなら食べ飲みたいなら飲む
番組表の日にちを進めたり戻したりするとき以外であの色ボタンを使ったためしがないです。
まぁみんなが「テレビを操作して参加なんてやる気しない」と思っているからこそ、スマホタブで出直しさせようと考えているのかも知れません。
現行四色ボタンって、ほんと利用頻度限りなくゼロですよね。
インタラクティブな楽しみっていつもアホの子のように必ず提示されるけど、一日の終わり、疲れて娯楽に見る人間にとってテレビは受像機以上のものである必要全然ないんですよねえ。ボタン押す仕事なんかしたくない。