私的海潮音 英米詩訳選

数年ぶりにブログを再開いたします。主に英詩翻訳、ときどき雑感など。

バーント・ノートン Ⅱ 28~37行目

2009-11-01 10:36:23 | 英詩・訳の途中経過
Burnt Norton     T.S.Elliot

        Ⅱ[ll.28-37]

The inner freedom from the practical desire,
The release from action and suffering, release from the
inner
And the outer consulsion, yet srrounded
By a grace of sense, a white light still and moving,
Erhebung without motion, concentration
Without elimination, both a new world
And the old made explicit, understood
In the completion of its partial ecstasy
The resolution of its partial horror.


Burnt Norton     T.S.Elliot

        Ⅱ[28-37行目]

現の欲から放たれた内なる自在は
業と受からの脱は 
   内と
外の強制からの脱は けれどまだ
こころのあわれみに 留まりつつ移ろう白い光に
動きなき高揚に 排除なき
密集に あかるめられた新古の
世にとりまかれながら わきまえていたのだ
一抹の忘我を成して
一抹の怖れを散じるすべを


 ※長かった……。このあたりはたいへん仏教的な印象。己の内なる寂しい涅槃に辿りついてしまった意識――といった感じがします。あめつちにわれひとりいてたつごとく寂しい。
 そして34行目Erhebungはイタリック。ドイツ語臭いと思ったらドイツ語でした。女性名詞で意味は「昇る」等。哲学系の用語か?



コメントを投稿